第715話 作戦当日のできごと

――――――――――――――――プライベートホーム



 ヴィーチェとの情報交換で得た内容が現在の状況と酷似していることから地域によってのアバターの質が変わっていることはなく、ただ大きく違う点と言えばロシアサーバーでのアバターの目撃数と破壊した建物だとか破壊工作が行われた事・・・さらには連れ去りやキルといった行為もゼロに近いという点が日本のサーバーとの違いがありムクロやユリハ達はこの差は一体どういうことなのかとホームに戻ってから必死に考えていた。



「ん~私たちのいるサーバーとロシアのサーバーでこれだけ差があるってことは首謀者は日本に何かしらの恨みとかそういうのを感じてるからとかなのかな??」

「それだと他のサーバーへ黒いアバターを送り付けて暴れさせる効果が薄い。

日本のサーバー側に何かしらの恨みがあるのであれば日本サーバーだけを狙い他の国には干渉しない方が事は上手く進むからな。

だがこの差は一体何なんだろうな?プレイヤー人数的にはロシア側の方が圧倒的に多いし何か見落としがあるのか??」

「そういう点と線を繋げ見つけ出す雑務はこの私が朝までに完了させておきますのでご主人様方はお早めにログアウトなさいまして体を休め明日に備えた方がよいかと思いますが。」

レイの言葉に2人は同時に時計を見るとすでに時は深夜を刺しており2人はこの状況を知られればまずいと察しレイの言葉通りにログアウトし明日に備えると言うと挨拶をかわしてログアウトしていった。



「日本サーバーとロシアサーバーの違いと黒いアバターの行動解明を朝までに結果を出すと言ったモノの骨が折れそうな内容ですがご主人様のためです・・・少し本気で取り掛かりましょう。」

レイはそう言ってプライベートホームの床を通り抜け一時的に託されたGM権限を行使しさらに黒い扉を通過しデータの集まる集積装置へやってくると議題となっていた内容の整理と解明を開始し始めた。



レイの言葉によってログアウトせざるを得なくなりリアルに戻ってきた悠一は首をひねりながらも先ほどの話の違いを考えていたが一向に解は出ずモヤモヤしたまま床に就きこの問題はレイに頼ることになると呟き応援しつつ目を閉じると深い深い眠りにへと落ちていき・・・・


翌日の朝、鳥の鳴き声と暑い日差しに起こされた悠一は時刻を確認したところまだ作戦開始までには時間があり出遅れる訳にもいかないという事で支度をするべく顔を洗いに向かうと涼孤はすでに朝食の支度を開始しており悠一に気が付いた涼孤は悠一に顔を洗って着替えてくるようにとだけ呟き悠一は言われるがまま身支度を済ませて戻って来ると朝食は完全に出来上がっていた。




「で、昨日は由里と夜遅くまでグロリアをしていたらしいけれど何をしてたのかなぁ??」

「あはは・・・ば、バレてたのか。

いや、ちょっと野暮用というか調べ物を思い出して戻ったら由里も戻って来てさ・・・」

悠一は騙せそうにない状況と考えすぐに昨日のことを伝えると食事を終えた涼孤はお茶をすすりながら今日のための事を2人で考えて行動していたという事に免じて納得はしたものの次からは事前に言っておくようにと釘を刺され涼孤は食器を洗いだし悠一も食事が済み隣に立って洗いを始めるが涼孤は先にグロリアへと言うようにと悠一に伝え悠一は悪いと呟き自分の部屋にへと戻って行った。

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