第709話 根城攻略の作戦会議

――――――――――――――プライベートホーム



 ムクロとエリエントの2人はルイゼ主催の演説を聞き終えプライベートホームへと戻るとそこにはミストやアヤカたちの姿が見え、声をかけようとした所楽しい話で盛り上がっているという雰囲気ではなくアヤカの表情から少し深刻そうな話題が出ているに違いないと2人はそっとソファーに腰掛けレイにどういう状況なのかと問うと・・・・



「はい、ご主人様方の考えておられるように現状この場に怪しい雰囲気が醸し出されていると思われますが。

ご主人様方が気に悩むことも心配なさることもございません。」

「ん?それはどういう意味なんだ?これだけアヤカが深刻に悩んでいるのに問題じゃないと言う方が怪しいんだけどな。」

「あはは・・・これには深い事情があるのだけれどアヤカ自身が話す方がいいと思うから私はちょっと話せないかな。

で、2人はどうだったの??演説を聞きに行くって出て行ったって聞いてたけれど。」

「えぇ、聞いて帰ってきたところなのだけれどこの状況で話すことが正解か不正解化で言うと後者だと思うからまずはアヤカの話を済ませてから本題に入るとして・・・アヤカはどうしてそんな暗い表情なのかしら??」

「それは・・・リアルで出されてる大学の課題が全然手につかないの。

まだ休みがあると思えば思うほど手が付けられなくなってくるのが課題でしょ?

だから気がゆるんじゃって全然なのよね。

別に勉強が苦手と言うわけじゃないけれどレポート形式の課題は説明を踏まえて書かないといけないからちょっと大変なのよね・・・はぁ・・・」

と、アヤカは大変な問題が起こった風な口ぶりで語るとムクロたちは苦笑いをしてアヤカにアドバイスするかのように時間がある時にレポートをすれば大丈夫だとアヤカならできると簡単な励ましの言葉を入れるとアヤカは少しだけ表情に明るさを取り戻し小さな返事をするとエリエントは演説で聞いた話の内容と簡略的に伝え始めた。



「ルイゼと言うプレイヤーが指揮を執り数多のプレイヤーを率いて黒いアバターの根城である塔へ殴り込みに行こうとしていると言うわけでございますね。

開始時刻は明日の午前中で作戦内容は参加者のみに伝達と言うのも嫌らしい方法でございますね。

明らかに何か裏かご主人様方を誘うような雰囲気も含まれており気持ちのいいモノではございません。」

「それにライザーも参加してるとなると割と報酬もしっかりとしてるって事だよね。

みんなも報酬が目的なんだと思うけれど数が多くてもあの塔を攻略できるのかどうなのかって言うとちょっとわかんないよね。

それこそ実力者の多い上位層で募集した方がいいんじゃ・・・・」

「いや、だからこそが上位層出身としたいんだろう。

妙な話だがきっとそのルイゼと言うプレイヤーは自分の名声と名を売るために下層プレイヤーを黒いアバターの供物にした上で1人でこの事態を収束させたと大きく吠える為だけに集めたものかもしれない。

何せメンバーを集めるのならユリハの言った通り上級層でも同じようにできたわけでなぜそうしなかったのかと言うときっと上級層にはそう言った事件や関連したバグ等の些細な事案には触れて知名度やアカウント保守の為に動かないでいるモノが多いからだろうな。

ここまで積み重ねて来たことが今回の件で泡と帰すのはさすがにできないと踏んでの事だろうが嘆かわしいな。」

「で、その塔にはもちろんムクロも私たちを連れて殴り込みに行くんでしょ??」

「そうだな・・・この件に関しては慎重に動いて探る必要がある。

GMの件もあって無視するのもできないしアバターとの戦いを避けつつ探って行こうと思うんだがどうだ??」

ムクロの簡単そうで難しい作戦にユリハ達は簡単に言ってくれると言いつつもムクロに従うと言ってついて行くことを決めると。

話が決まったと同時に玄関から騒がしくクーリアがやってきた。

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