第704話 世界規模での出現
―――――――――――――――――商店街
悠一と由里の2人は夏物を取り扱い賑やかに接客する商店街を見て回っていると由里の目に留まった浴衣を取り扱う店に誘われるかのようにして入って行くとそこには夏のシチュエーションである花火大会のセットが置いてあり隣には売り出し中の浴衣が並べられてあった。
「ここのお店には入った事がなかったけれどすごく綺麗な浴衣がたくさん売ってるね。
ほらほら悠一君もこう言うのとかどうかな??」
「俺はあんまりこういったのを着ないから評価できないけど。
由里はこういう浴衣も似合うな。」
2人で浴衣を見ていると店の店員がやってくるや由里と悠一に浴衣を進め。
試しにと1着来てみないかと言う流れになり由里はやる気満々と言った様子で試着して戻つて来るとそこには先ほどまでの由里とは全くの別人ともいえるくらいに綺麗で悠一は目を奪われていると店員に着替えてくるよう勧められ悠一も渋々着替えて戻ってきた。
「お2人ともすごくお似合いでございます!!
すごく絵になりますしどうですか??この花火の背景を使って写真など??」
「ん~私はどっちでもいいけど・・・悠一君はどうする??
私とその浴衣でツーショット撮りたい?」
「そうだな、これもイベントなら2人で写真を撮るのもいいかもしれないな。」
悠一の許可が出ると由里はすぐさま悠一の腕を取って移動しセットの真ん中で抱き着くような状態になると店員はニコニコとしながらシャッターを切り2人仲良く花火の背景に写る写真が出来上がり由里はその写真のデータを受け取るとすぐに悠一にへと写真を転送していた。
それから浴衣を買う機会があればその店に足を運ぶと言って2人は店を後にすると由里は悠一と共にいきつけのカフェへと入り休憩をすることにした。
「浴衣の写真が撮れるなんてなんだか面白いお店だったね。
それに悠一君の浴衣衣装もよかったよ。」
「いや由里には負けるよ。
俺よりも着こなしてたのは確かだし由里は美人だからな。」
悠一の言葉に由里は笑みを浮かべながら頷き運ばれてきたコーヒーに口を付けながらこの後からどうしようかという話になりもう少しだけ商店街を見て回って探索することにしコーヒーを飲み終わるまではここでゆったりしていようと言った途端悠一のブロッサムに振動が走り起動させてみると1通のメールが送られていた。
「悠一君どうしたの??レイちゃんからメールが来たのかな??」
「あぁ、レイからのメールなんだけど・・・あの黒い天使型アバターが世界中に出現して来ているとかの情報が書いてあってさ。
その黒いアバターはグロリアの世界にある空いた空間に塔らしきものを建設しているとかいう情報もあるみたいなんだ。」
悠一は由里に届いていたメールに添付されていたアバターたちが警備を敷く中で作られている建物の画像を見せると。
このまま手を出せず見ているだけでいいのかとひとり呟き悔しそうな表情を浮かべつつ悠一に何か手はないのかと問うた。
「例の情報だと海外サーバーや日本サーバーとは違う独自の構成でカタチ作られたフィールドだと思うから簡単には侵入できないはずだが。
黒いアバターがこうやって俺たちのいるグロリアとか海外の方面に出現していることから考えて何かしらのアイテムやゲートを通ってやって来ていることは間違いないんだ。
だからそのルートを探し出すことができればその塔に行って行動の真相と抑止ができると思う。」
「なら・・・こうなってしまったのならやる事はそのアバターの出現を探すことが優先だよね。
クリアも大切だけど私たちにとってのグロリアを悪用して何かをしようとしているのは許せないよ!」
由里の目に力が宿りこのまま待っているだけで何もしないまま過ごすことなんてできないと強く語ると、悠一はこうなってしまった由里は1人でも探しに出かけるのだろうと察し・・・今夜耀子やコトハ達とグロリアで集まったら話をして決めることとなり最後のコーヒーをぐびっと飲み切るのであった。
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