第664話 アスレチック迷路

―――――――――――――――キャンプ場



 ロープ下りがすっかり気に入った2人を置いて悠一たちは別のアスレチック遊具に向かい移動すると。

そこにあったアスレチックはグロリアにも負けない程に入り組んだ作りをした迷路のようなアスレチックで。

その迷路アスレチックには数か所の入場ポイントがあることから別れて探索しゴールで待ち合わせするというルールを決め次に重大なメンバー別けの話となった。




「俺は別に誰でもいいんだが・・・迷路を探索する遊びにそこまで真剣に考える必要ってあるのか??」

「あるよ!!!悠一君は・・・その・・・えっと・・・わかってないよ。

こういう迷路にはトラップとか合って頼りになる相棒が必要なんだよ。

だから私は・・・悠一君がいいなって・・・」

「あら奇遇ね、私も由里と同じように悠一を指名しようとしてたのよ。」

「ならばさらに奇遇というものだな。

私も悠一とペアに・・・だな・・・ん?そう言えば彩花さんは1人でいいの??」

「私はこう言う迷路ってのは自分の勘を信じて進みたい派なのよ。

別に誰かを信じられないとかそう言うのじゃないのよ??

こう言う遊びだからこそって・・・言えばいいのかしら。

単純にワクワクしたいだけだから私はソロでいいわよ。」

彩花の言葉に悠一もそれならとソロで迷路に挑もうと言うと由里達は何か言いたげであったが2人の顔を見ているうちに自分たちもそう言ったモノを養わなくてはならないような気になり。

同じようにしてソロで行くことを決めると・・・各自出発する位置を決めて開始のカウントが始まり・・・最後のカウントを唱えた瞬間悠一たちは迷路へと足を踏み入れた。




「それにしても先が見えないくらいの高さに作られた壁に分かれ道・・・コレは確実に何かトラップとかそう言ったモノに誘導する節があるな。

で、コトハ達はどうするんだ??俺はまっすぐ抜けようかと思う。」

「そうねここは悠一について行くというのがいい案なのかもしれないけれど。

私は私の道を歩むことにするわ。

だから私は右を行くわね・・・ゴールで出会えることを楽しみにしてる。」

「それじゃ私は左にしようかな。

悠一君、言っておくけれど危ないことはなしだからね??

私も楽しく安全に進むから心配しなくて大丈夫だよ。

――――――それじゃ互いに頑張ろ!!」

由里とコトハは左右に消えていき悠一はまっすぐと道を進んでいくと別の方面からか叫び声が聞こえ・・・涼孤と彩花の2人の声であり。

何かが起こったようであったが特に問題はないだろうと流し、そのまま歩みを進めていくと悠一の前に1つ目の関門が現れた。




「この細い道を歩いて向こう岸に渡ればいいのか。

よし・・・・そっと・・・・そっと・・・うおぉぉ急に風が・・・」

悠一はバランスを崩しそうになるが何とか耐えきり乗り越えそのまま道なりに進むと今度は高低差のある台を降りる関門が見え体力を使うなと汗をぬぐい覚悟を決める一方で・・・彩花と涼孤はと言うと・・・・




「ハァハァハァ・・・・まさかこんなにも早くトラップを踏んでしまうとはな。

思わず声を出してしまったがアレは驚くというものだろう・・・」

「そうね・・・まさか大きな玉に追いかけられるなんて想像もしていなかったもの。

私も簡単にクリアできるって侮っていたけれどコレはこれで面白くなってきたじゃないの。

さぁ次のフロアへ向かいましょ・・・きっとまだまだこういった仕掛けが待っていると思うけれどある程度までは協力して進みましょ。」

彩花は手を出し、その手を掴んで涼孤は立ち上がると一本道を歩き罠がないかと慎重に見渡してからフロアに入るとそこには・・・・




「へぇ・・・面白い仕掛けじゃない。

この吸盤ゴム矢であのスイッチを押さないと扉を開くためのヒントが出ない仕掛けなのね。

そう言う事ならここは私に任せて。」

「このボウガンを一番うまく扱えるのはきっと彩花さんだから頼む。」

射撃は苦手だという事で涼孤は彩花に頼むとすぐさま矢を込めて狙いを澄まし、遠くにあるスイッチに向けて矢を放つとその矢は見事に命中しヒントが現れた。




「ん?どういうこと??この板には文字が書かれているけれど・・・・

コレはもしかして暗号かしら??私・・・歴史の必須科目ちょっと怪しいのよね・・・こういう謎ときのようなモノも少し苦手で・・・

涼孤さん頼めるかしら??」

「もちろんだとも。

こう言う学術や謎解きと言った多方面から考えることは任せ欲しい。

どれどれ・・・「堅き壁を倒すことができるものに道は開かれる」か・・・・気にはなっていたが壁に色々と何かが彫られているようだがこれらの事を指しているのか。」

涼孤の言葉に彩花は壁にデザインとして掘られているモノだと思っていた壁を見つめてこれらのどこにどうすればいいのかとモヤモヤし始めると。

涼孤は壁を一通り見渡し脳内に何かが閃き・・・その謎を実証した。




「私の推理が正しければこうだ・・・堅い壁はこの壁の中でどれを指すのか。

それはつまりこのだろう。

そしてこのカメの彫り物に何かしらの仕掛けが・・・お、これかな??」

「み、道ができた!?どうやったの??壁が今滑って移動したように見えたのだけど・・・・」

彩花は急に表れた道よりも軽々とスライドさせて消えた重圧のある壁を見るとその細工の細かさと素材等の軽さに納得し涼孤と共に次の道へと進むのであった。

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