第655話 これから先に向かうために
―――――――――――――――キャンプ場
悠一たちは服を着替えると少しずつ暗くなってきたことを考え借りていたランプに火を灯しそれを囲んで座り夕食までの間を寛ぐこととなったのだが。
耀子はまだ遊び足りていないのか寛ぎながらも水切りの話でブーブー言いつつもチケットで何をどうしようかと考えている中、涼孤と由里は夕食用のカレーを温めていた。
「ん~悠一に何でも好きな事ができるにしたって涼孤さんや由里がいる中で過激な事を命令するわけにもいかないし・・・ん~~何か面白くていいのがないかなぁ??
悠一にさせたいこと・・・させたいこと・・・・」
「そう言うのは口に出さず1人で勝手に想像してくれないかしら??
それより私たちも手伝わなくていいのかしら??」
「こちらは由里と私で数が間に合っているから大丈夫だ。
だからコトハたちはそこでゆっくりと休むといい。」
「涼孤さんご飯も再加熱完了したよ。
後はカレーが温まれば完璧かな?」
「ん~いい香り・・・私、外でカレーを食べるなんて初めてだよ。
父も母もこう言った事には興味もなかったから・・・悠一たちといると本当に飽きなくて楽しい。
―――――――その・・・ありがと・・・えへへ。」
「アイリスたちが楽しんでくれてよかった。
俺も今までは姉さんに半分強制的に連れて来られてたけどこう言うのならまた来年も来られるのなら来たいな。」
悠一の言葉に彩花もこんなにも楽しくて賑やかなキャンプは自分も初めてだとボソッと語るとその言葉を耀子はしっかりと聞いており。
ニヤニヤしながら彩花を見つめていると彩花は耀子と視線を合わそうとせずにグロリアについての話に切り替えた。
「それじゃそろそろ悠一の考えてる・・・グロリアについての内容を語ってもらおうかしら??
どうせその表情からして何かを言おうとした顔でしょ??
割と付き合いは短いけれどグロリアでの時と殆ど表情が同じだからわかりやすいのよね。
で、悠一は何を話そうとしてたの??」
「あぁ、今はキャンプ中だからあんまりグロリアに話はしない方がいいかと思って言い出しづらかったんだけど・・・話しても大丈夫か??」
「私は今はなすべき事なのならしっかりと聞きたいかな。
だってそれが今後に大きく影響するのなら大切な事だもん。」
「それは由里に同感かなぁ~悠一の考えは時々私よりもぶっ飛んでるから覚悟して聞くけど・・・あんまりド派手な内容は控えておいてね????」
「ふふ、ついにあの話をするのかしら??
いけないわね悠一よりも先に話してしまいそうになるこの癖をどうにかしないといけないわね。
私が言わない内に話してちょうだい。」
コトハがつい言いそうになったことにますます疑問が沸いた耀子たちは悠一に視線が集中させ待っていると悠一は由里達にこれからのグロリアで行うクリアを目指した動きについて話し出した。
「俺たちがこのグロリアで出会って過ごしてきた中で前々から出ていた内容なんだが。
そろそろ由里達の力が備わってきた頃だと思うからクリアに向けて動こうと思っているんだ。
俺がソロでクリアしたルートはきっと変わってしまっている可能性があるからその辺は探り探りするしかないけど・・・どう思う??クリアを目指してみないか??」
「ちょ、ちょい待ち・・・悠一は私たちの腕を認めたという事は嬉しいんだけどさ??でも本当に私たちが初級層から上級層のクリアルートを辿って行けると思う??私はまだそこまで強くなったような気がしないって言うかさ??
まだまだ足りないような気がしてるんだよね・・・・」
「耀子の意見に私も同じ意見だと言わせてもらおう。
いや、クリアを目指すことに異論はないんだ。
だけど私たちは悠一の邪魔に・・・自分自身を貫く力が今備わっているのかと思うと少々不安でな。
覚悟はあるが力があるかと問われるとまだ断言できないところがある。
完成しかけてはいるが・・・・な。」
「そんなことを言ったら私なんて本当にダメダメで・・・まだ全然みんなの足元にも及ばないかもしれないけど私は悠一がクリアを目指しに行くって言うのならダメでもついて行きたいと思う!!彩花さんが言ってようがむしゃらに向かっていればいつか見つけられなかったものが見つけられると思うから。
それが今私にはなくて見つけたいと思うものだと思うから・・・あ、ごめんなさい・・・つい熱くなっちゃって・・・」
「いいんじゃない??その熱さはきっと今いる皆にも伝わったと思うから。
ほらほら由里たちはこれだけ言ってのけたアイリスを前にまだゴネを言うつもりかしら??私たちはこれでもアイリスより少しはやり込んだプレイヤーのはずよ??」
彩花とアイリスの言葉に突き動かされた由里達はキリっと鋭い表情になると先ほどまでの弱音を前言撤回し今は今で納得できない部分はあるがその点は戦いの中でアレンジすると言い切り耀子もアイリスにそこまで言われたのなら先輩として引き下がれないと胸を張って言い返し・・・・
「私は特に何も言うつもりはなかったのだけれど・・・そう。
アイリスがそこまで言うようになったというのならこれからは悠一の手を借りず私の元でレッスンしてあげようかしらね。」
「え・・・それはちょっと止めといたほうがいいんじゃないか??
流石のアイリスたちでもあの鍛錬方法は厳しいと思うんだが・・・・あはは・・・」
悠一の必死の忠告の甲斐も虚しくコトハの言葉に散り。
今後の鍛錬は本人の言う生温い鍛錬ではなく少しハードな内容にすると言って悪い笑みを見せすぐさまブロッサムを開き内容を考察し始めていた。
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