第644話 2人の武器アビリティ
―――――――――――――――プライベートホーム
ムクロが武器のアビリティを使わず今までの戦いを潜り抜けて来た事にユリハ達は驚きの余り静まり返っていたが。
その中でアヤカはクスクスと笑みを浮かべつつムクロと肩を組み・・・まだまだ他に何かを隠しているのではないかと問うとムクロは全てを話せばつまらないだろうと言って流すとユリハ達は少しだけ不安な表情を浮かべていた・・・・
「ユリハにミストもどうしたんだ??なんだか浮かない表情だが・・・・」
「ううん・・・ちょっとね・・・ムクロ君が今までアビリティを使わずにあそこまで戦えていたって考えただけで私たちがどれだけ特殊なアビリティを身に付けても届かないんじゃないかって思えて・・・・あはは。」
「ぬぅ・・・主殿のリアクションがどうも薄いと思ったらやはりもっともっとド派手で火力のあるアビリティが必要という事なのかのぉ・・・・
ぬぐぅぅ・・・新しく素材を集めなおすにはちと時間がかかりすぎるのじゃ。
それにいざ新しく作り上げたとしてもアタイの技量が問われるのが落ちじゃし・・・アタイ少しだけ鍛錬をしてくるのじゃ。
――――――――――少しの間、探さないでほしいのじゃ・・・・ぬふぅ・・・」
「すごいため息だったけど・・・うん・・・ユキシロの気持ちは私はすっごくわかる。
あれだけ自信満々に作り上げたアビリティに対してムクロのリアクションの低さはきっとそれだけの差がある事を知らしめたのだと思うし私もまだまだ力の制御ができていないから少し私も猛特訓してこようかな。
大丈夫・・・ユキシロの近くで危なくないようにするから。」
「それにしてもムクロはあとどれくらい私たちを驚かしてくれるのかしらね。
技量に武器のアビリティ・・・それに他にも沢山隠しワザがありそうだけれど。
底知れないこの余裕はいつになれば慌てふためくのか少し見て見たいけど今の私じゃ到底見せられそうにないし私ももっと技量を高めにガンフィールドに潜って来るわ。
クーリアは・・・・はぁ・・・わかった1人で潜って来るけどいつでもチャットを飛ばしてきていいから。
――――――――――それじゃね。」
「みんな自分たちの力を磨きに出ちゃったけどさ??
本当に皆をバラバラに行かせちゃってよかったの??
そりゃムクロッちの化け物じみた動きとかそう言う武器のギミックを考慮すれば体感的に鍛えられる部分を底上げするのはとてもいいと思うけど・・・・
どう転んだって今の私たちにムクロッちを超えることはできないんじゃないのかな??」
「それはどうかしら??本当に簡単に勝負事を決めるのはどうかと思うわよ??
何事も時の運ともいえるし力の差ともいえる。
それはその時点を切り抜き判断した結果であり答えじゃないわ。」
声が聞こえた方向を振り向くとエリエントの姿があり、ユキシロたちと過ぎ去ったが表情からして悩み事を抱えていたと悟り声をかけずに来たといい。
その過ぎ去っていったユキシロたちに一体何を言ったのかと問うがムクロが答える前に先ほどの言葉の内容からある程度の憶測が頭の中を過り先にエリエントが口に出した。
「フフ、そう言う事・・・・ムクロが今まで武器の力を押さえて戦っていたという事を知ったというところかしら??
そうねユリハの研磨している武器を見ると新武器・・・つまりは武器アビリティを使わずにと言ったところね。」
「すごい・・・たった少ししか情報が無かったのにそこまで・・・って、もしかしてエリもアビリティを制限して戦っていたりしてたの??」
「げぇ・・・それだと私が少し傷つくんだけどさ??
エリ・・・そうじゃないよね??結構使ってたって言ってよ!?
私もやっと追いつけたと思ってるのに突き放すようなことは言わないで!!!」
ムクロはエリエントの顔を見て喋らないよう顔を振るがエリエントは悪戯心が勝りクーリアに対し真実を打ち明けた。
「そうよ、私もある程度は武器のアビリティを使っていたけど・・・・
そうね・・・ムクロと同じように全開じゃないのは真実よ。
だってそこまでしないといけないモブが今まで現れていないもの。
あと、私がピンチになれば必ずムクロが私を助けに来てくれることを知ってるからわざわざ武器のアビリティを使わなくてもって所かしら。」
「ぐあぁあぁぁぁぁ!!!聞きたくなかったぁぁそのワード!!!
あぁもう私は立ち直れないよぉ~~~ムクロッちィ~~私はどうすればいいのさ~~~」
「え、えっと・・・・ユリハもすごい表情になって・・・
ん~そうだな・・・俺やエリがどうしてアビリティを使わないかと言うと。
簡単にモブを倒してしまうという事は確かに事実かもしれない。
だが・・・その中で意味のある事があるんだ。
それはユリハ達にモブとの戦う機会を奪わないようにするためにと2人で決めた事なんだ。
俺たちがアビリティを駆使して戦うとそれだけユリハ達にプレッシャーがかかるとわかっていたからこそ使えなかったんだ。
ウソをつくような真似をして悪かった。」
「ムクロ君・・・そうだったんだ私たちのためにワザと武器の力を使わずに・・・わかっただったら今度からはちゃんとムクロ君とエリの力を見せてね!!
私たちがしっかりとそれを受け止めて2人の力に近づけるからムクロ君とエリの力を見せて。
それが今の私から言える皆を代表して言う言葉かな。」
ユリハは凛とした表情で語り抜くとエリエントにムクロは同時に笑い、ユリハはバカにされたと勘違いし顔を赤く染めムクロにポコポコと打撃を加えるがムクロは動じずユリハの腕を掴み次の戦いで後悔はさせないと言い切るとエリエントもクーリアに向かって力の差を証明すると語るとクーリアはもうどうにでもなれとがむしゃらに受けて答えていた。
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