第643話 帰還後のひと時・・・
―――――――――――――――古代の遺跡後地:ボスフロア
ボロボロになったミストはゆらゆらと歩いて戻るとムクロにもたれかかるようにして崩れ落ちながらもミストは自分たちの戦いはどうだったかと問うて来ており。
その言葉にはミスト以外の者も興味津々と耳を立てて待っている様子がうかがえ・・・ムクロは感じたままに答えた。
「そうだな・・・何度も危ない場面を互いの力を信じて戦って最後の最後まで諦めなかったこの場にいる全員は以前に比べて数段も格段も強くなって俺は驚いたというのが本音で。
次にPVPとかしたらどうなるか楽しみでしかたないな。」
「ムクロ君にそう言ってもらえて私たちもすごく気が楽になるよ。
新しい武器を遠くからムクロ君に見られながら使うとなると少し緊張もしたけど逆にそう言う場面だからこそ力が発揮できたのだと思う。
レイちゃんも助けに来てくれてありがとね・・・」
「やはりユリハも気になりますか??先ほどの天使の事が・・・
大丈夫でございますあのような天使は街や人の多い場所には出現しないのが定番となっておりますので。
ですから心配せずあの天使の行方の事を考えずにいてくれれば幸いです。
何せこれはある意味私たち女神と天使にケンカを売るような行為なので。」
「ぬぅ・・・さっきの天使もどえらいほど強そうで手を出して見たかったのじゃが・・・すでに疲労と体の傷でまともな戦いができそうにないと悲鳴を上げおって動けずじゃったのが真実じゃ・・・・
今度元気な状態で出会う事があれば一度手合わせをしてみたいものじゃの。」
「もうユキシロも無茶を言ったらダメだよ!!
レイがあんまり関わってほしそうに言っていないことくらい理解しないとだよ?
だからこの天使の事よりも今は目の前のクリア報酬を受け取ってホームに戻ることが先決じゃないのかな??」
「それはある意味正解よね・・・もう私もくたくたでボロボロだから早く戻ってシャワーなりで寛ぎたいわ。
だからリザルトを受け取ったらすぐに戻りましょ。」
先ほどまで天使とどうこうなるかという緊張した空気を醸し出していたがいつのまにかいつもの空気に戻っておりムクロとレイはユリハ達のリザルト確認を待ち確認が終わるとその足でホームに戻りシャワーを浴びるものもいれば武器や衣装を治すものとやることが分かれ・・・ホームの中もいつもの日常通りに時が流れていたのだが・・・・
「だらいまぁぁぁ~~~~うわぁぁぁ~~~んムクロッちぃ~~~アヤカってば酷いんだよぉ~~~私にハンドガンだけで撃つ練習と言ってプレイヤーとドンパチするんだよ!!どう思う!?ねぇ!!」
「アヤカのハードなガンフィールド戦闘訓練は慣れるまで苦労はするけど慣れると楽しくなるから頑張れとしか言いようがないな。
で、アヤカはピンピンしてるがそんなにハードな戦いをしたようには思えないんだが・・・」
「それはそうよ。
私は援護射撃だけで特攻はクーリアにさせたのだから。
そりゃルーキーを育てるにはまず危険な戦いを知るのが早いじゃない??
だからよ・・・別に私のやり方がおかしいというのなら言ってもらって構わないけれどムクロも私と一緒にすごい訓練をしたのだから当然と思うでしょ?」
「あはは・・・アヤカもムクロ君と同じように結構なスパルタを叩き込んだようだね・・・・だけどガンフィールドの制限マップは相手側も同じ条件だからいい腕試しになったんじゃないのかな??
銃をメインに扱うフィールドだからいつもよりも気配に感づけるよう意識はしないといけないけれどそれが今後のフィールドワークに役立つスキルだから言って損はないよね。」
ユリハの言葉にアヤカはうんうんと頷くがクーリアはだらりとして伸びてしまいながらも自分たちがガンフィールドで地獄の訓練をしている間に何をしていたのかを問うと。
ユキシロはユリハ達と新武器のテストを兼ねたイベントクエストに出ていたと語り。
その内容にクーリアはムクロに絡み・・・笑顔のまま問いかけた。
「へぇ~~それってさぁ~私がいない事をいいことにそんな楽しそうなことをしてたのかなぁ??ねぇムクロッちィ??確かムクロッちはレイとこの場に残っているはずじゃなかったっけぇ??ホラホラどうしたのさちゃんと答えてくれないと困るんだけど!?」
「え、えっと・・・・あはは・・・そのイベントクエストにいきなり新武器は危ないと思ってさ??だからレイと隠密を使って危険な時だけサポートをするつもりで出かけたんだが・・・・案の定すぐにその場面が来て・・・なぁレイ??」
「そうですね・・・私たちがいなければ大変な場面でしたが後のユリハ達の腕の上げ方は目を見張るものがありました。
それに互いを支え合いできる事の役割を上手く出し合う確かなコンボというものを見れた気もします。」
「ぬっふっふっふぅ!!!アタイたちも以前のような甘い戦いはもうしないという事なのじゃ!!!
それとアタイは少し思っておったのじゃが・・・・主殿は武器のアビリティとか使っておるのかのぉ??」
「あ・・・そう言えばムクロ君が武器の力を使って戦ってるようなことを見たことが無いような・・・」
ユリハ達は今さらなことに気が付きムクロはどういえばいいのかと苦笑いをしつつ今までのPVPやPVEの時も使わずにスキルのみで戦っていたと語ると武器のアビリティを使用せずにあれだけの動きができたという事が同時に証明され。
ユリハ達以外にもミストでさえも驚きの余り声が出ずにいた。
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