第604話 誰かの為に散る覚悟

―――――――――――――――海底神殿



 エリエントからバフをかけてもらうとミストたちはさらに現れるモブを相手にして現状維持をしていると・・・その中でクーリアはエリエントがチャージしていたスペルを見逃してはおらず前線で共に戦うユキシロやファムたちにタイミングは分からないが状況次第で逃げる掛け声を出すとつぶやいた。



「おい、それはどういう意味なのだ??せやッ!!!

もしかしてモブの総大将が何か仕掛けて来ているのか??」

「んにゃ違うよ・・・えぇいッ!!!やぁッ!!!

エリがバフをかけたと同時にスペルをチャージする動きをしたからだよ。

それもそこそこに威力のあるスペルだと思うから伝えておこうと思ってね。」

「のじゃ!?エリがそんなことをしようとしておったのか!?

じゃがどうしてなのじゃ??エリはクーリアほど暴力的ではないのじゃ。

ちょっと怖いときはあるのじゃが・・・」

「でもエリはこう言った場面だとムクロがいなかったらそこそこに無茶しそうだし私は納得してるわよ。

だって私もMP切れちゃったしどうにかしてって思ってたところだし。

エリはきっとそう言うのも全部含めて肩代わりしようとしているのよ。

――――――――――きっとね。」

ヴァニスがしみじみ語る中、レイの剛腕装甲はモブのスキルによって捕縛され攻撃を受け始め。

その行為を無視できないとレイは残った剛腕装甲で攻撃に出るとそれを待っていたかのようにしてレイ自身もトラップにかかり拘束状態になっていた。



「そう言う手出来ましたか・・・私をワザとこの場に置いてエリのスペルを撃たせないようにしているのでしょうが。

本当に何もわかっていないようですね・・・私はただのNPCですよ?

こんな私を捕縛した所で貴方方の行く末は変わりません。

ですからエリは私もろともスペルを放ってください。

本来ならばご主人様に見守られながら消えたくございましたが・・・無理な事は無理なので私も理解しておりますがどうせなら派手に消えた方がいいと私の心が語っております。」

「レイレイ!!!ぐぬぅ・・・アタイはこれからレイレイを助けに出るのじゃ!!!

このままレイレイを見殺しにできないのじゃ!!!」

「待って!!!それだとユキシロもエリのスペルに巻き込まれちゃうんじゃない??」

「そだねぇ~この状況とレイの言うだろう言葉を察したエリはきっとスペルを撃つだろうね。

けどさ・・・・ユキシロ、どうあがいたッて私たちじゃレイを救う事はできないよ。

―――――――――――だってさ・・・・」

クーリアがモブと戦いながら呟く瞬間・・・レイに攻撃を仕掛けたモブに対して数本の投げナイフが突き立てられ消滅すると。

レイはその攻撃が放たれた方向をジッと見つめるとそこには――――――――――




「ご主人様・・・来てくださったのですか・・・・フフ・・・・本当にタイミングがよろしいですね。

私の命運もまだまだこれから・・・と言うところでしょうか??」

「あぁまだこんなところで終わるわけにはいかないだろ??

それにだ・・・エリの方にはユリハが説明に向かってるからこっから2人で退避してエリのスペルで一掃してもらうとしてさ話がまとまったところで・・・始めようぜ!!!」

「グジャァァァァッ!!!!!!」

レイを囲んでいたモブはムクロを見つけると一斉に武器を構えて突撃しムクロに武器を突き立てるがムクロに攻撃がヒットする前にモブ達の動きが止まっており微動だにできない状態になっていた。




「グシャァァァァッ!!!!グシャシャ!!!!!」

「無駄だ、そのスキルに引っかかったお前らはもうそこからは動けない。

軽いスキルで動きを封じたがこういう場面だと役に立つんだよなっと・・・ほらコレで剛腕装甲もレイも動けるようになっただろ??おわ!?」

「ご主人様、窮地を救い下さりありがとうございます。

私の命を再びご主人様の為に燃やしましょう。

このレイヴァテインの名に恥じぬよう・・・最後まで最後までです。」

レイはムクロをぎゅっと抱きしめ誓いのような言葉を吐き離れると剛腕装甲を1つの武器として変形させ巨大な大剣にすると動けないモブを数発の斬撃でバラバラにして道を作り脱出しクーリアたちの元まで戻るとユリハに連絡を入れエリのスペルが放たれた。



「のじゃぁぁ!?す、凄まじいスペルなのじゃ・・・・・こ、これならばきっとモブの殆どが消滅するのじゃ・・・・じゃが良いのかのぉ??クーリアはコレで本当にポイントが覆らない状況になったのではないか??」

「ん?あぁ・・・そだね。

やっぱりさこんなにすごいスペルを見てるとエリってすごいなぁって思っちゃってポイントの事なんて忘れてたんだ。

それにさ?私たちにはまだ総大将を相手にするっていう大きな使命があるじゃん?

だからそのラストキル枠とかを全部取って返り咲く予定だからよろしくだかんね!!!」

「ハッハッハッハ!!!あくまでコレはエリの手柄と割り切ったのか。

そうだなそれがいい・・・今の彼女がいなければ今だに私たちはモブと長い戦いを経てモブ達にやられていた可能性も考えられるしレイもモブ達にどんなひどい目に合わされていた事か。

それもユリハとムクロのおかげなのだがな。

にしても・・・・レイの剛腕装甲の一振りはすさまじい威力だな。」

「お褒めにあずかりです、説明いたしますとコレは私の剛腕装甲の力を結集させた1つの形にございます。

以前様々な武器へと変形させましたが武器とはやはりスマートでかつ大胆なものであるべきと大剣をイメージして変形させました。

重量も剛腕装甲2つ分でございますが私にはそう言ったデメリットは対象外ですのでお気になさらず。」

「あはは・・・エリ、すごいスペルを撃った後だけどまだやれそう??」

「大丈夫よ心配いらないわ。

あれだけのスペルを放ったのは本当に久しぶりだったけれど・・・・モブを消し炭にできた事は私にとってストレスの解消になってとても気持ちがよかったわ。

で、ムクロ・・・総大将へどうやって攻め込むのかしら??プランを聞かせてくれないかしら??相手は未だに動く気配はないようだけれど。」

エリエントとユリハ達と合流し奥で待ち構える総大将と戦闘をするために作戦会議が開かれ。

ムクロは形、色、モブの種類・・・武器に地形とあらゆる情報を元にモブの弱みを探り頭に浮かび上がった作戦はの・・・ステータスに依存しない状況に合わせた臨機応変に戦う作戦を口に出すと。

クーリアに限らずレイもクスクスと笑いムクロも最後に笑みを浮かべて笑っていた。

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