第602話 四方のモブと不意打ち

―――――――――――――――海底神殿



 クーリアの動きが大きく変わりミストたちの戦っているモブをもスペルで狙い撃ち消滅させる姿にヴァニスやファムたちもただ立ち尽くして見ており。

クーリアはさらに前方にいたレイの所までやって来ると剛腕装甲を足場にして上空からスペルを見舞うと共に剣技で最後の止めを刺した。



「やっとここまで戻ってきましたか。

先ほどまでとは違ってイキイキしておられますが・・・新たな自分に出会えましたか??」

「うん・・・まだ効率は悪いけどね。

だけどまだまだやれるしレイ達にだって追いつくから見てなよ!!!

――――――――――バブルランチャー!!!からの斬撃ぃ!!!」

「はっはっはっはっは!!!面白い戦い方をするじゃないか。

私たちと違って元々強い分野を取り入れた魔法による遠近中をカバーしつつも近距離で強い剣士での一撃で戦うスタイルというのか・・・・実に面白い。

ファムたちもそうは思わないか??ん?」

「私だってスペルを使えるんだから!!私もまだまだ負けないよ!!!」

「ぬぅ・・・ファムにも火がついてしまったようじゃの・・・・

じゃがアタイもまだまだ頑張らねばな!!!

クーリアにあれだけ言ったのじゃ・・・アタイがこのような場で落ちては煽った意味がないのじゃ。

それよりももっとあの戦いを近くで見たいと言うワクワクが高まっておるのじゃ!!」

「フフ、やり方は人それぞれだけど私がガミガミ言ってた効果はあったようね。

さぁ・・・ここまでのモブは一掃した事だし前進しましょ。」

そう言ってエリエントはクーリアの怒涛の攻撃を見守りながらミストと共にモブがワラワラと蠢く場へと足を踏み入れるとエリエントたちの方へ多数のモブが向かいだしすぐに囲まれ・・・辺りは大量のモブでひしめき合っていた。



「すごいお持て成しね。

すごく嬉しいのだけれど・・・クーリアの戦いが全然見えないからどいてくれるかしら??って、言っても無理矢理落ち通らせてもらうのだけれど・・・・」

「エリ危ない!!!背後から不意打ちが来ているぞ!!!」

「グギャァァァギャギャギャ!!!!」

数体のモブがエリエントの背後から不意打ちを仕掛けてくるもエリエントは四方八方から攻めて来られることを考えてすでに動いており。

足元にはズルズルとツタのようなモノが這いずりモブをからめとって消滅させていた。



「あら?もう終わりかしら??ドクバラのツタが怖くて入って来られないのかそれとも・・・仲間の死がそれほど恐怖を与えたのかしら??

だったら同じ運命を辿る恐怖も覚えると良いわよ?

―――――――――グラビティホール・・・・」

「んぐ!!なんだ??エリの方へ風が??いや・・・コレはエリの方向へ吸引しているのか。

――――――――――という事は・・・・・」

「グギャァァギャギャギャ!!!!!!」

「ワギャァァァアァァァァ!!!!!?!?」

エリエントの仕掛けたトラップスペルの方向へと吸い込まれてきたモブたちは次々とツタにからめとられ毒の効果で次々に消滅していく中、毒の耐性があるモブや効果のラグで生存したモブ達をミストがカバーし斬り伏せるとモブは徐々に数を減らしていき先ほどまで囲んでいたモブ達の姿はなくエリの隣では黒い大きなバラが育っていた。



「黒バラもここまで大きくなってしまったらツタの効果は見込めないから先へと進んでクーリアと合流しましょ。

本当に戦い方も知識もないモブと戦うのは時間がいくらっても足りないモノね。」

「と、言うよりもエリの使ったスペルのコンボが強かっただけの話じゃないのか?

いや、今はそんなことを話している時間が惜しいな。

エリの言う通りすぐ先で戦うファムたちと合流しよう!!」

エリエントとミストは綺麗に一掃した道を通ってクーリアたちと無事に合流した。



「もうおっそいじゃん!!!遅すぎだからある程度のモブを私たちで倒しちゃったよ??

でも・・・モンスターハウスって言うことだけあってまだまだモブが出てくる出てくる・・・これはポイントの稼ぎ時って言うやつじゃないかな??

私の時代が来ちゃうって奴??」

「ぬっふっふ・・・甘いのじゃ!!どれだけクーリアが手を増やそうとアタイのバフの効果で全ては意味がない事なのじゃ!!!

さぁクーリアにさらなる差を見せつけてやるのじゃ!!!!」

「あぁ!?ちょっとユキシロ!!!1人で行くのは危険だよ!!

もう・・・そう言うわけだから私たちもあっちにいるモブの群れを攻撃しないとだね。

ユキシロ1人だけ戦わせるのもすごく怖いし・・・後々すごい量のモブに追われて来そうで・・・・だからそうならない為に・・・ね?」

「そうだな、ユキシロの強さは私たちが実際に見て知ってはいるが数が多くなればユキシロのバトルスタイルから言って辛いと言えよう。

よし・・・そうと決まれば私たちもユキシロの援護に出るぞ。」

「ちょっとは休ませなさいよねぇ・・・・クーリアに追いついてからレイ達とずっと戦ってたんだから・・・・

それに私1人がいなくてもミストたちならカバーできるでしょ??」

「そう言うわけにもいきませんので私がヴァニスを持って移動しましょう。

それでは振り落とされないよう気を付けてください。」

レイは剛腕装甲でヴァニスを拾い上げるとそのままユキシロたちの向かった方へと消えていきミストたちもユキシロの方へと援護に出て行くのであった。



一方、ムクロたちの方では3体目の中ボスモブであるシャークスマッシャーと戦闘中であり。

モブが両手に持つ鎖のついたハンマーが予想以上に面倒な動きをしており手こずっているとクーリアたちがモブのいる方向へと走って行くのが見えそろそろ合流する頃合いだと踏んだムクロはダメージを覚悟して突撃を開始した。



「ユリハはそのまま攻撃を回避しつつスキがあれば援護を頼む。

俺は先にアタックに出る!!!

―――――――――――クイックシフト!!!!」

「くッ・・・・この攻撃さえどうにかできればいいのだけれど・・・・

何とか避けて少しずつ進むのが私には精一杯ってところかな。

―――――けど、ムクロ君の攻撃をモブが無視するはずがないよね!!そこを叩く!!!」

ユリハはムクロが攻撃に出た所を見計らいモブの動きを観察していると、モブはやはりと言うべきかムクロの方を向きハンマーを投げつけていた。

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