第560話 ケルベロスの内に秘めたモノ
―――――――――――――――――氷塊ピラミッド
アシッドグールケルベロスの攻撃に備えるよう呼びかけるレイはムクロたちが攻撃できるまでの時間稼ぎをすると言って剛腕装甲で受け止めており。
ユリハ達は武器を取り出して向かうとケルベロスはレイの剛腕装甲を振り抜いて攻撃を仕掛けて来た。
「ムクロ君!!!あのケルベロスは私たち全員を狙って来てるみたいだよ!!!
それに少しずつだけど体の表皮と肉が崩れ落ちて・・・」
「アンデット種のケルベロスだからな。
辛いなら下がってクーリアたちの防衛に向かってくれ。
ここは何としてでも通らなければ行けないからな!!!
――――――――――ゼアァァアァァァッ!!!!」
「攻撃を受け止めたのじゃ!!!
主殿には悪いがアタイとミストで叩かせてもらうのじゃ!!!
―――――――――――――うらぁッ!!!」
「そのまま頼むぞ!!!ムクロッ!!!!
――――――――――アークブレイクッ!!!!」
「グバァァアアァァッ!!!」
ケルベロスはミストとユキシロの攻撃を腹に喰らうと攻撃された部分から何かをボタボタと落としながら後方へ逃げ・・・その何かに向かって咆哮を上げると・・・・・
「グガァッァアァァ!!!!」
「うげげ・・・何か肉の破片から出て来た!?
何なのアレ・・・アンデット種は他のモブを取り込んだり襲ったりして同族にする習性があるって聞いたことはあるけどアレはヒールNPCだよね・・・・」
「多分あれは・・・今までここで廃棄プラントとか言われる場所へ送られたヒールNPCたちの行きつく先だろうな。
今まで色んなモブやボスを見て来たがここまで腐ったことをしてるヤツを見たのは初めてだ!!!うおぉぉぉおおおぉッ!!!
―――――――――――俺が攻撃を止めてる間にあのケルベロスを叩いてくれ!!!」
「ムクロ君危ない!!!私もヒールNPCと戦うよ。
クーリアたちの防衛にはファムとヴァニスが行ってくれたから。
だけど本当に・・・こんなこと・・・クッ・・・・
――――――――――
ユリハの渾身のスキルはヒールNPCを消し飛ばすには十分な威力であり、ヒールNPCが消滅したことによって他のアンデット化したヒールNPCはミストとユキシロたちからムクロたちにターゲットを変えだし。
ユキシロとミストはケルベロスが直々に攻撃すると言わんばかりに強力な攻撃を繰り出していた。
「ユキシロ、私が攻撃を受け止めるからサイドから攻撃してくれ!!!
このモブは・・・何としてでも倒さなければならないモブの1種だ!!!
―――――――はぁあぁぁぁぁッ!!!うぐッ・・・重いがいける!!!」
「その首はいただくのじゃッ!!!!
足も羽も全部全部いただくのじゃ!!!!!」
「ハァァァッ!!!!
ムクロ君後方に来てるよ!!!」
「よし、これでヒールNPCは全部倒したな。
後はボスのケルベロスを完全に倒せば何とかだが・・・・
ユキシロのヤツ首を落としたのか・・・つまりそこからもモブが現れる可能性があるぞ!!!ユキシロ!!!2人ともそこから離れるんだ!!!」
ムクロの叫びを聞いたころにはユキシロの落とした首は変異を始めており。
ケルベロスの首から体が生えだし・・・体はヒールNPCのモノであったが顔はケルベロスの顔と不気味な再生をしており。
既にユキシロとミストによって再起不能となっていたケルベロスの
「グアァアアアアアアアァァァァッ!!!!!」
「あんなの・・・もうモブでも何でもないよ!!!
あれは悪魔よ・・・モブもNPCも関係ない非道な化け物だよ!!!」
「あぁ、その通りだ。
だが今は泣いてる場合でも叫んでる場合でもない!!!
今はあのNPCたちの無念を一秒でも早く解放してやることが最優先だ。
痛いだろう苦しいだろう辛いだろう悔しいだろう憎いだろうが今だけはほんの数秒だけは我慢してくれよ!!!」
「その通りでございますご主人様、この呪われた生物は1秒でも早く消し去ることが良いかと思われます。
ですから私の剛腕装甲並びに私も手でも何でもお貸しいたします。
――――――――――――握り潰せ、剛腕装甲・・・・」
「何だか訳の分かんない戦いになっちゃってるけど・・・・
これだけは言える・・・ここの神殿にはロクでもない神がいるって言う事だよ!!!
だからって言うわけじゃないけど私は久々にカチンと来たよ!!!
気持ち悪いとかおっかないとかどうだっていい、今はあのモブがすごくやっちゃいけない事をして私たちに見せてるって事が問題だよ!!!
―――――――――――だから、ムクロッちたちの力になりたい!!!
――――――――――――――いっけぇ!!!Wステータスアップ!!!」
「そうね、私もムクロたちと散々なものは見てきたつもりだったけれど・・・
ここまで腐ったことをする連中がいただなんて本当に世の中の闇というものは根こそぎ焼却しないといけないものかもしれないわね。
だから、私の炎で焼き滅ぼしてあげるわ・・・・
―――――――――――ファイヤーバレットアロー!!!」
エリエントのスペルに対してケルベロスの中から引きずり出した骨の大剣でスペルをガードするもレイの剛腕装甲とムクロの攻撃に対応しきれず吹き飛ばされ。
その先で待っていたミストとユキシロにさらに吹き飛ばされて腕や腹に深い傷を負うとケルベロスの変異体は息を荒くさせ・・・再びズタズタになっているケルベロスの本体に飛びつき死んだ血肉を貪り出し。
その傷ついた肉体を治癒させ、さらには体力を回復させたが・・・その役目を終えたと言うのかケルベロスの本体は光の粒となって消え去り。
完全に治癒したケルベロス変異体は骨の大剣を振り上げてユリハに攻撃を仕掛けた。
「グガァアァァァァアアアァァッ!!!!!」
「テイヤッ!!!!このくらいの攻撃じゃ私は倒せないよ!!!
このまま弾き返してあげるわ!!!!ハァァァッ!!!!」
「いいぞ!!!このまま一気に全員で叩いて終わりにさせてやろう。
――――――――――――もうコレ以上・・・無駄に再生できないようにだ。」
「うむ、アタイもこの戦いはワクワクするどころではないのじゃ。
どちらかと言うとイライラムカムカしておるのじゃ。」
「コレで終わりにしてやるぜ!!!
―――――――――――――ブレイブダンスッ!!!!」
と、ユキシロたちが突撃を仕掛けると同時にムクロは剛腕装甲の隙間から現れ・・・・一撃で倒せるよう顔等の余り狙わない急所を狙って体力バーを消滅させて倒し切ると。
最上階へ続く階段が現れたもののこの戦いで今いる氷塊の神殿に来るまでは想像もしていなかった程に暗く深い闇の根源たるものを感じ。
ムクロたちはもはや楽しむどうこうではなくなりこの神殿はこのグロリアの世界にはあってはならない場所だと痛感していた――――――――
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