第549話 ラストキルを狙うものたち

―――――――――――――――――イベントクエスト:輝石の洞窟



 ヴァニスを守りだしてからムクロたちは懸命にヌメヌメな粘液を相殺して守っていたがこのままではユリハ達も同じように身動きが取れなくされてしまうと感じたムクロは加速スキルを使って飛び出し自ら囮役を買って出ると。

そのタイミングを逃すまいとユリハ達はヴァニスの元へと駆け寄りヌメヌメからヴァニスを引きずり出していた。



「あぁ・・・ありがとぉ~~もうこんなにベトベトでヤダぁ~~~高貴な私がどうしてこんな目に合わないといけないのよ!!!

あぁもう!!こうなったらこの怒りをアイツにぶつけてやるんだから!!!!」

「今はムクロがソロで誘導しているから準備ができ次第私たちも動こう。

アヤカたちも攻撃してくれてるみたいだからムクロにそこまで被害が出る事もない出ろうけど急いだほうがよさそうだ。」

「うん、ヴァニスちゃんはこれを飲んで回避率を上げて移動速度も上げるといいよ!!!

それじゃ私はムクロ君が心配だから先に向かうね!!!」

「グエェェェエェェェェ!!!!!」

「ぐッ・・・・攻撃を避けつつ攻撃を入れるにしても全然体のヌメリが取れないな・・・ん?あれは・・・」

「ムクロッち!!!スペルを放つからそこからどいたどいたぁ~~~

―――――――――ブリザードショット!!!!」

「近くにいると巻き込んで氷塊にするわよ??さぁどきなさい。

―――――――――――アイスニードル!!!」

ムクロは2人のスペルが展開されるとその攻撃範囲内から離れて見ているとミスティックリザードにスペルが命中し・・・体中のヌメリが凍り付きばらばらと音を立てて崩れ去り無防備となったところでムクロよリも先にユリハが先手を打ってダメージを入れた。



「悪いけど、ムクロ君にばっかりいい所を持って行かせはしないよ!!!

――――――――――――ていやぁぁぁぁッ!!!!!」

「やっぱりユリハはユリハだな。

それじゃ俺も攻撃させてもらうとするかな!!!」

「フゥ~~これだと何とかなるのかな??ヌメヌメも取ってアイツの動きも鈍くなってるしさ??」

「でもいいのかしいら??あのボスモブを倒せばラストキルでもダメージボーナスでも報酬にレアアイテムが現れる可能性があるかもしれないわよ???」

「そうよね、だったら私もガンガン撃っちゃわないといけないわね。

―――――――――そこが急所かしら??ハイヒット♪」

「ゲェェェェェエェェ!?!?」

「すごい轟音って事はアヤカもかなり本気で攻撃してるって事ね・・・

いいわ!!私たちも前進よ!!!」

「早くしないとポイント搔っ攫われてしまうからな!!

私はお先に行かせてもらおう!!!」

ヴァニスは加速スキルで移動していくミストを追いかけるのがせいぜいでやっと追いついたころにはミスティックリザードの体力バーも黄色になっており。

最後の最後だけでもとヴァニスが突撃を開始した。



「うりゃ!!!!!私にヌメヌメをぶっかけて置いて私の怒りを受けずに消えることは許さないわよ!!!

この高貴な私の一撃に消えるがいいわ!!!!

―――――――――――――スティールスラッシュ!!!!」

「あはは・・・ヴァニスちゃんすっごい怒ってる・・・・

でもわからないでもないかな・・・自慢の服をベトベトにされたらね・・・」

「ユリハも喋ってないで攻撃しないとヴァニスに持って行かれてしまうぞ!!

――――――――――輝け!!!アークブレイク!!!!」

「攻撃を回避しつつ・・・コレでどうだ?

――――――――――ブレイブダンス!!!」

「げげ!?マズイ!?遠距離スペルをチャージしてる間に終わっちゃいそうじゃん!!!うぅ~~でも私たちにはコレ以上の事が・・・・うわぁぁぁ!!こうなるんだったら中距離くらいにしとけばよかった!!!」

「そう言ったってクーリアがベトベトが嫌だとか近づいてきてほしくないだとか言ったのよ??

だったら自業自得じゃないの。

それに・・・最後のラストキルはアヤカのモノだと思うわよ??」

「フッ・・・私のスキルは遠距離でも近距離でも輝く殺傷弾を相手に叩き込む銃だから・・・・コレくらいの距離であれだけのエモノなら動いて用途関係ない。

だからヴァニスやムクロたちには悪いけど・・・久々にラストキルわいただくわよ。

――――――――――――ペイレントショット!!!!」

アヤカは銃撃スキルを発動すると轟音と共に飛び出した銃弾がミスティックリザードの弱点である部位を抉り取るように貫通し・・・ミスティックリザードの体力バーはアヤカの一撃によって消し飛びラストキルをその手にし。

その傍では煩くなるのならと自慢のウサミミを強く握りしめて咆えるクーリアがゴロゴロと転がって泣き叫んでいた。



「さっきの一撃ってアヤカの銃弾だよね??

あんな遠くからなのにすごい威力だったね。」

「アヤカの専門は銃撃戦にあるからな。

今までは不用意にラストキルを取れる状況でも取らなかったのは俺たちに気を遣ってたのと卑怯だと思っていたからだと思うから今回の件も悪く思わないでやってくれ。

ヴァニスもだから・・・・そろそろ機嫌は治ったか??」

「ぐぅぅ・・・もう少し殴りつけたかった・・・・だってこんなにも屈辱的な事をされたのは初めてだったから。」

「だがこの先のモブ達はもっとひどい外道な攻撃を仕掛けてくるものもいるかもしれないだろ?

だから今回の事を忘れずに次に行かせられたらいいんじゃないか??」

「よし、ラスキルゲットね。

それじゃ私たちもムクロの方に合流して戻りましょ。」

「ちょ、ちょいと待ってくんない!?私の自慢のウサミミがまだバカなんだけど!?

コレについてはどう責任をとってくれんのさ!!!あぁぁ~~アヤカの近くにいるときは耳栓をいつでも装備できるようにしておかないと・・・・」

「耳がいいクーリアのキャラクター上それは運命ね。

嫌だったのなら近づかないか本当に耳栓でしか対処しようがなかったと思うわよ。

クーリアの耳に気を使って消音なスキルしか使えないのも変な話でしょ。

そんな事よりもムクロが手を振って待ってるわよ・・・だからすぐにって・・・相も変わらずクーリアはこういう時は早いわよね。」

エリエントがムクロの方に行こうと呼びかける前にクーリアは走り出して向かっており。

その後姿を追いかけるようにしてエリエントとアヤカもちまちま歩き始めるのであった―――――――

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