第540話 砂漠迷宮の怪物
―――――――――――――――プライベートホーム
あれからの話でエリエントたちはアンノウンの件でムクロ自身が危険な行為をしていたと認め事で話がまとまり。
次にクーリアの口から出ていたクエストの話にヴァニスとアヤカが参戦し。
自分たちが行きたいクエストを画面に映し出していた――――――
「行き先が決まってないのなら候補を上げてもいいかしら?
見ての通り私の行こうとしてるクエスト先は洞窟の鉱石採取のクエストよ。
どのみち1人でも行かないといけないモノだから手伝ってくれるのなら助かる。」
「私も見えるように出してるのだけれど・・・
新しい武器の素材でコカトリスの尾が必要だから行きたいのだけれど。
ど、どうかしら??高貴な私と共にクエストに行ってくれる勇敢な仲間はいるかしら??」
「ん~クエストに行こうって話をしたのはいいけどまさか調べてる最中に先出されるとは思ってもみなかったよ。
うぅ・・・毎度私のクエストばかり行くのもあれだし2人のクエストに付き合うのはどうかな??
私はレアアイテムが手に入れば言う事ないしさ??」
「コカトリスか。
確か石化魔法と攻撃に石化効果のあるモブだったな。
複数を相手にする際には注意が必要だと聞いたことがある。」
「石化って・・・完全に石化しちゃうと即死扱いなんだよね?
という事は専用の解除アイテムとか無効化系のアクセサリーが必要って事だね。
それに比べてアヤカのクエストは硬いモブと魔獣種が中心なのかな?」
「洞窟なのならゴブリン種やドワーフ系統が主じゃないかしら。
他だとスパイダー系やミミックにゾンビ等ね。
―――――――ある程度の聖属性が使えれば楽勝よ。」
「はぁ・・・まったく・・・先ほど外に探しに出ているユキシロたちから連絡が来たのですが。
探すのが疲れたから外で休憩をしているらしいので私はホームで待機して待っております。
2人には少しお灸を据える必要がありますので。」
レイはため息をついて待機すると答えると、アヤカとヴァニスが提案したクエストの2つのうち1つを絞る予定であったが。
この際と言う事でムクロは2人のクエストをどちらも行くことにすると。
ヴァニスとアヤカはすぐに支度に入りユリハ達はクスクスと笑いながら自分たちも準備に取り掛かった。
「ご主人様、アンノウンとの戦いでお疲れだと思われますが。
お体は大丈夫でございますか??」
「あぁ平気だ。
コカトリスと洞窟探検だろ??それくらいソロの時はバカみたいにやっていたから気にはならないから。
さて・・・俺も準備をしないとな。」
レイに体の事に気を遣われつつも平気だと言って返したムクロも自分の部屋で装備を整えてリビングに戻ると。
アヤカたちの準備も万全と言わんばかりに完全装備でソファーに腰掛けており。
ユリハ達も装備を整えてやって来るとレイにファムとユキシロを頼むと事付けてまずはヴァニスの目的であるコカトリスの尾を集めに中級層の砂漠迷宮に移動した。
「うわぁなんだこりゃ・・・大きな木から先が全く見えないんだけどここにコカトリスがいるの??
このラビリンスに入って迷ったらマジで終わりじゃないの??」
「そうだな・・・このココだけしか使えない特殊マップを持たずに入れば7割はボスモブに倒されてるらしいからな。
もしもトラブルやイレギュラーで散り散りになったらその木の下で落ち合おう。
この砂漠迷宮はチャットも使えず外部との連絡もできない場所で難易度だけで言うと上級層にある迷走の森に匹敵する。」
「ムクロがそれだけ強く言うのだから迷えばほぼ間違いなく助からないのだろうな。
だが私たちにはムクロの持つ特殊マップと情報に強いクーリアがいるのだから問題はないだろう。」
「その情報に超強いクーリアがピクリとも反応がないって言うことは。
ここの情報はあまり知らないのかもしれないわね。
それにヴァニスは震えてるのかしら??まだ迷宮に足を踏み入れてすらないのよ?
引き返すのであれば今のうちだけれど。」
「じぇ、じぇんじぇん平気よ!?
わ、わわわわ私を高貴な誰だと思ってるのかしら!?
もしも私に何か用事があるのなら早めに言ってちょうだいよ!!
急にとかだったらできることでもできない事があるから・・・・
それに、ビクビクもしてないし怖くもないから!!!」
「だい、大丈夫だよ!!
私たちもいるから安心して!!それにムクロ君たちは万が一のことを言ってるだけだから迷わないようにしっかりと確認して進も!!」
ユリハの言葉にヴァニスはコクリと頷き・・・全員の決心がついた所で砂漠迷宮に足を踏み入れた。
「迷宮の中って壁が高いのは知ってるけどさ?
この迷宮は大きな木の目印があっていいね。
迷ったとしてもアレを目指せば戻れるんでしょ??」
「ん~半分正解で半分間違いだ。
あの木の元に辿り着くと言う事は最大の門番と戦うと言う意味だからな。
その門番を倒して初めて制覇したクリアしたと言える場所なんだここは。」
「へぇ~その口ぶりだとムクロは1人でクリアしたのよね?
で、どうだったの??その門番の強さは。」
アヤカの問いに返事をする前にムクロは静かにするようジェスチャーし。
すぐまがった先からモブの気配がすると小さな声で伝達して不意打ちをするため事前に手渡していた隠れ蓑を使いモブの背後を取り仲間を呼ばれることなく討伐しアイテムドロップを確認しているとさらに奥の方からズシンズシンと大きな足音が聞こえ。
ヴァニスは軽率に次のモブは自分だけでやってみると意気込んで隠れ蓑を装備して突っ込むが、それはその辺りを徘徊するようなモブではなかった。
「何、コレ・・・牛??」
「ブロォォォォォオオォォォォッ!!!!!!」
「ヤバイな・・・こんなに早く無敵化されたミノタウロスに出会うなんてな。
ユリハ達はこのマップをもってあの木の元まで移動しててくれ。
俺はヴァニスを助けてから木の元へ別ルートで向かう。」
「それって大丈夫なの??必要なら私も力を貸すよ!!
ヴァニスちゃんが危険なら私も力になりたい!!!」
「ユリハ・・・このミノタウロスは駄目だよ。
上級層版のヤバイミノタウロスだし特殊効果で無敵化仕様なんてムクロッちの足手まといになるだけだから言ってたように退避した方がいい。
そうじゃないとムクロッちに私たち分の負担も与えちゃうよ・・・・」
「この状況だとダメージが与えられないモブと戦うよりもいかに生き残るかを考えたクーリアの方が賢明かもしれないわね。
ユリハの言いたいこともわかるけど今一番必死に考えてるのはあのムクロだと思うからここは移動よ。」
「ほら、ユリハ元気出して!!きっとムクロなら大丈夫よあれだけ大口をたたいたのだからヴァニスを連れてちゃんとあそこまで来てくれるって。
だから・・・私たちは私たちの戦いをしましょ!!」
アヤカはムクロから視線を外そうとしないユリハの手を握って走り出し。
攻撃目標とされたヴァニスをどうやって助ければいいのかとムクロは考えだし・・・・ヴァニスに向かって飛び出して行った――――――――――
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