第528話 ラストキルの権利
――――――――――――――プライベートホーム
それからレイ達の説教が聞きながらソファーに腰掛けて待っていると。
ヴァニスやアヤカの姿も現れ・・・部屋から聞こえるレイたちの声に何があったのかと問われたムクロはクーリアの件に関して語り納得してもらうと2人もソファーに座ってため息をついていた。
「どうしたんだ??ため息を吐いてさ。
それにヴァニスも久々だよな。」
「そう言えばそうだったわね、私も私でリアルで色々とやることがあったから。
ちょくちょく顔を出したのだけれど誰もいないしで。
テスト期間は真面目に勉強してるのならと妥協してたけど・・・まさかクーリアの為にムクロたちも協力してたなんてね。
高貴な私には考えられない行為だわ。」
「まったくよ、私は数週間前にテストが終わって絶賛夏休み中だから適度にアルバイトをしつつゴロゴロしてるけど。
高校は本当に大変ね、赤点を取れば夏休み返上で勉強とかシャレにならないわよね。
で、クーリアの方はテストは大丈夫だったの??」
「うん、グロリアをしていなかったから勉強を詰め込められたとか言ってて大丈夫だった見たいだよ。
明日からの学校で今日までのテストが返されるからそれ次第じゃないかな。」
「だけどこの謝罪はいつまで続くのかしら??
クーリアのごめん以外の言葉が出てないのだけれど?」
「今回の原因というべきかクーリアの為に私たちがした行為が裏目に出るとはな。
これも成績と楽しい夏休みのための犠牲としてクーリアにはしっかりと受け止めてもらわないとだな。」
現実でも知り合いという事からリアルの事を気にせず話して待っていると、ようやく説教が終わったのかレイ達と謝りつかれて真っ白になったクーリアが現れ。
久しぶりに会ったユリハ達に軽く挨拶をしてから台所へレイは消えていき・・・ユキシロたちも自分の特等席に座りユリハ達と会話を始めた。
「本当に久しいのぅ!!!ユリハ達も元気にしておったか??
アタイたちは主殿が戻るまでどんよりとしておったのじゃが・・・・クーリアに色々と言ったから気分スッキリなのじゃ!!!」
「あはは・・・うん、私たちは元気だけどそのクーリアが大変なことになってるね・・・・ねぇクーリア??大丈夫??」
「大丈夫??大丈夫なわけないでしょ!?私のために皆が一斉にログインしなくなったのはそうだけどさ!?ムクロッちの言い方っていうもんがあんでしょうーが!!!
私がマジで本当に勉強ができない落ちこぼれのようにボロカス言われたんだよ!?
このダメージをどう補ってくれんのさぁ!?」
「だけど勉強があんまり好きじゃなかったりテストの為に勉強会をしてくれって言ったのはクーリアでしょ。
それに・・・グロリアにログインしないよう言ったのはムクロだけどクーリアだけログインしないようにすればアナタ・・・我慢できてたの??」
エリエントの言葉に口と脳が止まったクーリアはエリエントの発言をスルーしつつムクロにどうしてくれるのかと顔を近づけてぐいぐいと押し迫って行き・・・・・
「そ、そうだな・・・俺が一番キツイ方法で勉強に向かわせてしまったのは事実かもしれない。
よし、そう言うことならこれから向かうサマーグリフォン討伐のラストキルをクーリアに手柄を与えるって言うのはどうだ??
ユリハ達もいるからずっとはできないが1体目くらいはクーリアに譲ってやってもいいと俺は思うんだが・・・どうだ??」
「うぇ!?いいの!?ラスキルくれるの!?レアアイテムの確率が一番高いラスキルをくれるなら考えてもいいよ!!!
ユリハ達はどうなの??私に譲ってくれるの??」
「うん、私はムクロ君がいいって言うのなら上げてもいいよ。
今回の件に関してはクーリアも勉強を頑張ってたみたいだし・・・少しはね?」
「ユリハとムクロに賛成だ、勉強の鬱憤もあるだろうしここで吐き出すのもいい事だと思うぞ。
嫌な時はガンガン暴れてストレスの発散だな!!」
「そういうコトなら私も目をつむるわ。
だけど2体目以降は取り合い必須だから覚悟しておくことね。」
「何だか知らない内に話がさっきから飛び交ってるサマーグリフォンとかいうのと戦うような流れになってない!?
私・・・グリフォン系はあんまり好きじゃないんだけどなぁ・・・・」
「ヴァニス、何をそんなに弱気な事を言ってるのよ。
この戦闘に見境のないムクロたちと共に行動したいと思うのなら万種のモブとも戦えるようにしておいた方がいいわよ。
それだけムクロたちは戦闘にアイテムにクリアに飢えてるのだから。
そう言う私もそこそこに戦いたいって言う気持ちは負けてないから同類かもしれないけど・・・・それじゃ銃の準備と手入れでもしようかしらね。」
「何だかワイワイと楽しそうなお話をしておりますが何のお話をされているので??」
「最近グロリアにやって来たって言うサマーグリフォンを討伐しようって言う話になってて。
その1体目のラストキルをクーリアにあげてもいいかという話し合いかな??
――――――――――今のところは・・・」
と、ファムに話を聞いたレイはムクロたちにお茶を手渡しつつ話を聞くと。
レイは甘やかされているクーリアをチラッと見つめてからため息を吐き。
そう言うことならとレイはホームで家事をして待っていると告げ、ユキシロたちはあまり外に出ていなかったのかワクワクした様子で早く行こうとムクロの腕を引っ張っていた。
「ユキシロ、今は私の淹れたお茶を楽しむお時間です。
その寛ぎの時間を台無しにすると言うのであれば・・・今後の食事の量を減らしますよ??」
「のわッ!?それはイケないのじゃ!!!主殿たちはゆっくりとお茶を楽しんでほしいのじゃ!!!アタイも十分とお茶を楽しむとするのじゃ!!!」
「ユキシロは本当に食時に目がないよねぇ~~」
「そう言うクーリアもレアアイテムに目がないでしょ。
そう言う部分を見ると同じ類ね。
それはそれでそのサマーグリフォンは特別ステージに出現するのよね?
だったら地形を教えてもらえると助かるのだけれど。」
「それは重要だな。
地形によって戦闘が長引くかもしれないからな・・・」
「だね・・・どういうフィールドなんだろ??」
ユリハ達がフィールドについて気にしだすとクーリアはカップから口を離し、特別フィールドの画像を公開すると・・・そのフィールドは真夏の日差しが降りそそぐ熱帯雨林に囲まれたジャングルのようなフィールドであった――――――――
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