第509話 日焼け止めクリームの誘い
―――――――――――――――夏のイベント会場:ビーチステージ
ムクロはレイに言われるがまま水着の用意をしてくると、ファムとユキシロの我慢も限界なのか2人に手を引っ張られながらポータル前まで移動し。
PTを組んでイベントクエストを受注しビーチステージにやって来ていた。
「のわぁ~すごいビーチが綺麗なのじゃ!!!
天気は快晴、波は丁度よく・・・スイカたちは踊ってるのじゃ!!!」
「へぇ~ここって現実と時間が同調して無いステージなのか。
にしてもスイカが本当に跳ねたりしてるな。
イベントのクリア項目にはスイカのモブを10体倒せばOKって書かれてるから軽く済ませるか。」
「何を言ってるの!!スイカ割りをしたらそのスイカを食べないとでしょ!!!
それにムクロは肝心なことを言ってないよ!!!」
「そうでございます。
我々の貴重な水着な格好を目の前によくもまぁスイカのモブに熱視線を浴びせられますね。
それともご主人様はモブフェチという特殊な性癖でも持っておられるのですか??」
移動して来て早々にムクロはレイ達のお叱りを受けてしまい・・・謝りつつ似合っていると答えると。
ファムたちもその言葉には満足できないといった心情であったが・・・表情は意外にも嬉しいという顔をしており。
他のプレイヤー達も続々と現れてはスイカを派手に割っては食べてを繰り返している様子からユキシロも負けていられないとド派手に打撃をくわえると・・・・
「ぬわぁッ!?パンチが強すぎて
「ん~きっとユキシロの普段からの打撃を叩き込むとそうなっちゃうと思うよ?
だからこう・・・えいやッ!!!チョップする感じだと・・・ホラ!!」
「アレはチョップではなく手刀と呼ばれるワザなのでは??
いえ、この際ですからそういう細かいのは置いておきましょう。
それではご主人様こちらへ来てください。
これだけ日が照っているのであれば日焼け止めを塗らなければお肌を痛められてしまいます。
ですから私がご主人様の全身をくまなくお塗いたしましょう。」
「えぇっと・・・それじゃ程々に頼もうかな。
レイ・・・背中だけでいいからな??」
ムクロは何かがゾワっとしたのか・・・忠告の意を含めてレイに伝えると、レイは何をやろうとしたのか少し悔しそうな表情を浮かべ。
日焼け止めを手に取ってムクロの背中に塗り始めた。
「さぁ~ヌリヌリ・・・ヌリヌリ・・・これでお背中の日焼け止めは終了にございますが本当に背中だけでよろしかったのですか??
前もよければお塗致しますが?」
「いや・・・あはは・・・大丈夫・・・前は自分で濡れるしさ。
それにユキシロたちもスイカ割りからこっちの方に興味が湧いたのか来そうになってるし・・・・だからもう―――――――」
「主殿ぉ!!!一体何をしておるのじゃ!!!
もしや!?それがビーチなどで肌を日から守るヌルヌルした液体なのかのぉ!
じゃったらアタイにも是非とも塗って欲しいのじゃ!!!」
「えぇ~いいないいなぁ~ユキシロに塗るのなら私にも塗ってよぉ。
―――――――――――
レイとのやり取りを見ていた2人はスイカを食べながら向かってくると・・・ムクロは2人に背中を出して寝転がるように言うと。
2人はゴロンと寝転がって水着を取り・・・ムクロは日焼け止めを手に取って塗りつけた。
「冷たいかもしれないけど最初は我慢してくれよ・・・・はいよっ。」
「んひぃ!?ムクロ!!!塗る時はもうちょっと優しく・・・って、あははは!!
くすぐったいよぉ~~そんなにくすぐったい所ばっかり塗らないでぇ~~」
「主殿ォ~ファムにばかり塗ってないでアタイにもそのヌルヌルを塗って欲しいのじゃ。」
「ご主人様、ユキシロからの指名が入りましたよ。
ヌリヌリをしている間私は剛腕装甲でサーフィンでもして待っています。
―――――――――それでは・・・・」
レイは現場から逃げるように剛腕装甲を変形させて海に消えると。
ムクロは指名の入ったユキシロの方に向かうべく・・・・ファムの背中を塗り終わらせると。
すぐ隣にいたユキシロに日焼け止めを塗り始めた。
「ぬひょあッ!?これがヌルヌルなのじゃな!?
想像以上に冷たくて変な声が出てしまったのじゃ。
それに・・・何と言うか背中を主殿にマッサージされている様で気持ちいいのじゃ。」
「本当にユキシロは気持ちよさそうにしてるね。
前は自分で塗ったし・・・私は続きのスイカを割ってくるね!!!」
「了解、あんまり他のプレイヤー達に迷惑がかからないようにするんだぞ?
あと・・・不用意に飛んだり辺りを火の海にしたりするのもダメだからな。」
ムクロの忠告にファムは目を逸らして返事をし・・・スイカのいる方へ向かい。
ムクロは剛腕装甲でウェーブに乗るレイを見つつユキシロに塗り忘れてるところはないかと問いつつ・・・尻尾も塗っておいた方がいいと勝手に解釈したムクロはユキシロの尻尾に日焼け止めを塗ると―――――――
「ぬあぁぁッ!?主殿ォッ!?尻尾は敏感・・・あぁぁ・・・んッ・・・・ダメなのじゃ!ストップストップなのじゃ!!?」
「え、あ・・・・悪い・・・気持ちよさそうだったから塗ったつもりが逆効果だったか?
――――――――――その・・・大丈夫か??」
「ご主人様、さっきのユキシロから出ていた甘い声は何なのでしょうか??
もしやユキシロにあるまじき行為をしたとかではないですよね??
それも全部ユキシロに聞けばわかる事実・・・・ですからユキシロは全てを告白する義務があります。
さぁ全てを語りなさい、さもなくばユキシロの散歩と帰り道の買い食いを止めますよ。」
レイはビクビクと悶えるユキシロに恐喝のような問いかけをすると、ユキシロは日焼け止めクリームを敏感な尻尾に塗られて声が出てしまったと答え。
その傍で謝るムクロを見て・・・一呼吸し了解すると。
クリームが塗り終えたならばとファムの暴れている方へ向かうこととなりユキシロを立たせたムクロはレイたちと共に激しい音と騒ぐ声のする方へ足を運んで行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます