第502話 痛烈なスキルの一撃

――――――――――――――――イベントフィールド:墓地ステージ



 ユリハにくり出された攻撃をかいくぐりつつアルヤフムに一番接近しているユキシロとファムはアルヤフムの体から生えている結晶をジャンプして移動し。

気が付かないことを言い事にどんどんと登り、ついに真核の見える胸板近くまでやって来ると。

アルヤフムも気が付いたのか大きく遠吠えをしつつ体をちょこまかと移動するユキシロと目の前を飛び回るファムを握り潰そうと行動していた。



「ぬおぉぉ!?このデカイのアタイたちを見つけた途端この執拗な攻撃はきっとこの胸板を攻撃されてほしくないと見た!!!

ファム!!!アタイはもう少しだけ遊んでおるからそのスキにファムは胸板にキツイ一撃を叩き込んでやるのじゃ!!!」

「う、うん!!!でもユキシロも無茶はしないでね!!!

何かあればユキシロの尻尾を掴んででも逃げるから呼んで!!!

―――――――それじゃ・・・・行くよ!!!!」

「ねぇムクロ君・・・ユキシロたちがアルヤフムの体にうまく侵入できたみたいだけどすごく狙われてるよ!!早く私たちも加勢しないと!!!

「いや、この状況から考えると上はユキシロたちに任せて俺たちはダメージを叩き込むことに意識を向けよう。

人数が増えれば増えるだけ相手の思うつぼだからな。」

「それにユキシロたちも上手く立ち回っているし・・・バックからはクーリアたちのスペルと銃撃の援護があるんだ。

きっと大丈夫だろうから私たちはムクロの言う通り足近くを攻撃して体力を減らそうか。」

ムクロたちはユキシロたちの行動から足を攻撃しようとさらに近づき、連続でコンボを叩き込むと。

その攻撃に合わせてクーリアたちはアルヤフムの腕や肩といったモーションを取るのに必須な部位を攻撃して行動の阻害サポートをし始め。

ふとアヤカたちが攻撃をしようとアルヤフムに狙いを定めた次の瞬間・・・・

アルヤフムは片手をクーリアたちの方へ向け、何かしらのスキルを使ったのか攻撃をしてものけ反らなくなっており。

アルヤフムの手には光の塊が集まっているように見えていた――――――――



「うげげッ!?攻撃してもダメージだけしか通らないって・・・これはスキルだよね!?ヤバい激ヤバなスキルじゃん!?コレ!?

どうすんの!?攻撃まともに喰らっちゃうよ!?」

「ちょっとは静かに考えなさい。

このまま持ち場を離れて逃げたとしても私たちはきっと攻撃に飲まれるわ。

あれだけのチャージから考えると・・・私たちの多重構造のシールドでも全然持たないと思うわ。

だからレイ達は私たちを置いて逃げてもいいのよ?

―――――――――――一緒に飲まれて消える事もないわ。」

「時々思うけどエリってムクロのようなことを言うわよね。

もしかしてムクロが頑固になったのってもしかしてエリ譲りなのかもしれないわね。

だからこう返しておくわよ?私たちもここに残って助かる道を選ぶ!!!

ムクロならきっとこういうはずだから。

だから私とレイもここに残ってみんなで耐え抜きましょ。

それでもってムクロたちに驚いてもらえればやった甲斐があったというものでしょ?

レイはこの無謀なギャンブルに乗るのかしら??」

「もちろんにございます。

ご主人様の命令はクーリアたちのカバーをすること。

逃げろと言う内容は記憶にございませんので私もこの無謀なギャンブルに命をベット致しましょう。

ですがギャンブルに勝てた暁にはさぞいい報酬が出る事でしょう。

ですから私の剛腕装甲の陰に並びになってください・・・・コレが最大の物理防御になると思われますので。」

レイ達は2重の剛腕装甲の壁に隠れるようにして攻撃に備えると。

クーリアはレイやアヤカのセリフに何をすることがベストなのかを察知し。

攻撃が繰り出されるまでの間・・・レイの剛腕装甲に効果のあるバフをかけてからエリエントと共に最大級の防御陣を展開して待っている最中・・・クーリアは自分たちの覚悟と状況を知ってもらおうとムクロに通信を入れた。



「なんだかすごい事になってるが・・・・その様子だと退避せずに真っ向から対決するつもりか・・・・・

本当にエリ達は面白いことをしてくれるな・・・でもこれだけは言っておく。

絶対に負けて散るんじゃないぞ、そこはまだ俺たちの目指す終着点じゃないからな。」

「ふふ、あっはっはっは!!!ご、ごめんごめん・・・・いやぁムクロッちぃ~こんだけヤバイ状況にもかかわらずハードル上げてくれちゃってさ。

でもまぁ・・・・そうだよね!!私たちの目指す場所はもっと高い位置だもんね。

こんなところで消えてやれるかってんだよ!!!

任せといてムクロッち!!!私たちは絶対に負けないからさ!!!

だからムクロッちたちはアルヤフムの攻撃中もこっちの事も気にせずに攻撃しちゃってよ!!!

それじゃ・・・・・また後で!!!」

クーリアの最後の言葉を聞くと同時にアルヤフムのスキルが発動され・・・・その一撃は大渦となってクーリアたちのいる方へ真っすぐに放たれており。

そのスキルは轟音が辺りに響き渡り、爆発して散らばった岩や瓦礫が辺りに振り落ちる音のみが最後に虚しく聞こえていた――――――――――



「ムクロ君!!!あぁ・・・・クーリアやレイちゃん達が・・・・」

「ユリハ、それにみんな・・・クーリアたちからの伝言は自分たちに構わずに攻撃してくれと言う事だ。

だから俺たちはクーリアたちが生きてるって言う事を信じて目の前のアルヤフムに攻撃を仕掛ける!!!」

「あぁ・・・コレ以上犠牲を出さないようにしなくてはな・・・・

ぐッ・・・・このような事態になるとは・・・・だが、悲しんでもいられない。

だから私たちは目の前の敵を討とう!!」

「ぬわぁあぁぁぁ・・・・どいて欲しいのじゃァあぁぁ!!!!!」

「よっと・・・ふぅ・・・ユキシロがもたもたしてるから無理やり連れて戻ってきたよ。

あそこにいたらまともにスキルを喰らっちゃうし・・・・クーリアたちは大丈夫かな??」

アルヤフムのスキル攻撃の危険性を感じ取ったファムは無理やりユキシロを連れて逃げて来ており。

無事にムクロたちと合流すると、スキルの反動で動きが鈍くなったアルヤフムへ攻撃を仕掛けに向かい始めた―――――――――――

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