第496話 偽神アルヤフムの目覚め

――――――――――――――――イベントフィールド:墓地ステージ



 異変を察知したエリエントから注意を聞いたムクロたちはヒールNPCと戦闘をしつつ異変が現れはじめた謎の像を意識しながらヒールNPCを次々と倒していると。

レイはふと気が付いたことをムクロに呟いた。



「ご主人様、このヒールNPCたちはワザとやられているように感じますが私の勘違いなのでしょうか。

それに攻撃も先ほどよりも激しさが減少しているようにも思えます。

これはヒールNPCたちがと言う事なのでしょうか??」

「そうだな・・・あの像は今だ魂を吸い続けている・・・これは近々に何か起こる可能性があるな。

だが、このまま手を抜いてヒールNPCを倒さずに攻撃を受ける訳にもいかない。

だから何かが起こった場合はその状況によってユリハ達に援護してもらおう。

それまではここでできうる限り戦闘を続けよう。」

「ん~あの魂を吸う像・・・本当に何なんだろ??

儀式の対象にしてはすっごく大きいし・・・・ん~本当に何が起こるのか予想できないよ・・・・」

「けど、そんな事よりもムクロたちはヒールNPCを倒す手を緩めないつもりだから。

私たちの出番も近そうね・・・ユキシロたちもいつでも動けるように用意しておいた方がいいわよ。」

「うむ!!わかったのじゃ!!!

それならまずは腹ごしらえなのじゃ、ほいファムもどうじゃ??」

「あ、ありがと・・・あむあむあむ・・・・」

「2人はまたこんな状況で・・・まぁ私も準備をしておくかしらね。

にしても・・・あの魂と像・・・一体何が起こると言うのかしら??」

アヤカもレイ達と同様に像を見据え装備を整え出すと・・・ヒールNPCの攻撃が止み、像に大きな異変が現れ始めた。



「この揺れは・・・像か!?ヒールNPCの魂とゴーストの魂が一定量になったと言う事か・・・・」

「どうやらそのようです・・・ご主人様、まずは状況の確認の為にユリハ達の元へ戻るのもいいかもしれませんがどうしますか??」

レイの問いにムクロは提案にのり・・・状況確認の為にユリハ達の元へ移動し合流した後、像の方を確認すると異変の起きていた像は全身砕き中から容姿の酷い怪物が現れた。



「グルルルルルル・・・・グギャァアアァァァ!!!!」

「何という醜い姿のモブなのでしょうか・・・・あれほど酷いモブは今まで見た事がありません。

それにあのモブは何という種別なのでしょうか?」

「あのモブはこのグロリアにいた神が作り出した同類の慣れの果て・・・・

偽りの神、ギシン・・・アルヤフムだ。」

「アルヤフム・・・聞いたことがあるよ。

上級層にその変なモブが時々現れるとか・・・・それとアレが噂のレアモブ

らしいよ・・・さっきメールが来てたんだけどレアモブは黒頭巾の儀式によって召喚されるモブだとかなんとか・・・・

だけどあの大きさのモブは戦える!?私たちも踏みつぶされちゃいそうだよ・・・・」

「そんな事を悩むよりも今はやってみてできることを探す方がいいだろう。

何せあのモブ・・・の黒頭巾のヒールNPCをオモチャのようにして潰して遊んでいるようにも見える。

本当に見た目以上に中身も狂っているな。」

と、ヒールNPCを握り潰して遊んでいたアルヤフムは・・・徐に目がない顔がムクロ捉えると。

手に掴んでいたヒールNPCを放り投げ・・・腕を伸ばして攻撃を仕掛けてきた。



「ユリハ!!!それにみんな!!!退避ッ!!!!

ヤツの伸縮する腕が突っ込んでくる!!!」

「なにおぉ!?ならすぐに・・・・って、ぎょわぁッ!?

マジで手が壁をぶち抜いてきちゃったよ!!!」

「見ればわかる!!!私たちはこっちから攻撃に出る!!!

ムクロたちはそちらから頼んだぞ!!!」

「任せるのじゃ!!!なんだか気持ちの悪いエネミーじゃがアタイたちで倒し切ろうなのじゃ!!!」

「そんじゃ私は弱点がないか狙い撃ってみようかしらね。

―――――――――ん?ちょッ!?額が光って・・・・・」

アヤカがスコープ越しにアルヤフムを覗いた時には額が光っており・・・・

攻撃をヒットさせると言うよりは隠れる場所をなくそうとした攻撃のようで。

アヤカたちにはダメージが出てはいなかったが隠れる壁や部屋が吹き飛ばされており・・・アヤはこのままじゃ隠れながらサポートはできないと感じ、武器を返還させてミストたちと同行すると言ってクーリアの側につき移動を開始した。



「何よあの滅茶苦茶な攻撃・・・・私の狙い撃ちを考えてのアクションかしら?

それとも本当に私たちをおびき寄せるためのモノだったのか・・・・

どちらにせよ隠れながらの行動はさっきの攻撃から考えてしない方が得策ね。

にしても・・・本当に不気味なモブね。」

「あぁ・・・あんな怪物が上級層には多数存在していると考えるとやはり上級層は

並の覚悟ではダメだと感じさせられてしまうが。

私たちが今ここで共に戦い抜く事で上級層を相手に戦えると言う事を示すことができるはずだ。

――――――だからこの戦いも絶対に勝とう!!」

「上級層・・・・ゴクリ・・・そうだね!!!

こんな気持ち悪いギシンとか言ったモブをちゃっちゃと倒してレアアイテムをいただいちゃおうよ!!!」

「けどそう簡単にも行かないかもしれないわよ??

仮にも神をイメージして作られたモブなのならそれは面倒って事でしょ。

ムクロに攻撃の方法を聞きつつ戦わないと消耗戦じゃ私たちは完全に不利よ。

だから一刻も早くムクロたちと合流しないといけないわね。」

片方の道から移動するミストたちは攻撃をされているムクロたちの方に視線を投げながら移動している中・・・ムクロたちはと言うと粗削りとなった傾斜を移動しながらアルヤフムの攻撃を避けていた。



「くッ・・・・すごい連続攻撃・・・・だけどッ!!何とか相殺できる!!!」

「あんまり相殺を意識せず回避できる攻撃はなるべく回避した方が効率がいい。

このアルヤフムの攻撃がやや単調なのが気になるからな。

上級層で戦ったアルヤフムはもう少し考えのある方法で攻撃を仕掛けてくるのが大半だったからな。」

「だけどこうも乱雑に攻撃されちゃ・・・回避も・・・ヒアッ!?

ぐぅ・・・装甲を一部分装着しておいてセーフだったけど・・・こんな攻撃がずっと続くのだったらミストたちと合流するまでこのままの移動は少し大変かもしれないよ・・・・」

ムクロたちはさらに激しさを増すアルヤフムの触手のような分裂した腕の攻撃を相殺共に回避して少しずつ下へと降りてはいるが・・・攻撃の激しさからすぐにミストたちと合流ができそうにない状態に陥っていた―――――――――

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