第495話 謎の儀式場

――――――――――――――――イベントフィールド:墓地ステージ 



ムクロたちは準備を整え・・・ユキシロたちは腹を整えると先ほどの地下墓地への入り口をスキルで粉砕して下り。

今度は潜入と言うわけではない事から爆音を聞きつけて現れた黒い頭巾を被ったNPCを相手に戦闘が始まった。



「ぬぅ・・・まさかあのNPCが戦いを仕掛けてくるとは思いもしなかったのじゃ・・・・NPCには攻撃的な者たちもいるのじゃな。」

「あぁ、アレはヒールNPCだ。

つまり悪いNPCで他のNPCとか俺達プレイヤーを敵視するこの世界の悪側の存在だ。

それに時々ユキシロたちのように言葉を交わすAIが組み込まれたものもいるらしいから気をつけないと・・・・と、言いたいが時間が惜しいしそろそろやり返すとするか。

ユリハ達は俺が先に仕掛けるから後に続いてくれ。」

「うん!!!いつもの連携斬りだね!!まかせといて!!!」

「派手にかましてくるといい!!

ずっと壁に隠れているのも飽きてきたところだからな。」

「クーリアたちは私の剛腕装甲の陰に隠れてください。

当たればこの低級な流れスペルでもダメージは入りますので。」

「知ってるよ・・・けど、ムクロッちがやろうとしてるのに私たちだけが見てるなんて嫌だなぁ~って思っちゃってさ?」

「そんなことはないわよ?ムクロは私たちの使いどころをちゃんと考えてるわ。

何せ・・・スペルの質がゴースト系モブとの戦いでは必須だから・・・・」

ヒールNPCの攻撃にスキができるとムクロは壁から姿を現し・・・多方向からのスペルを剣で弾き返しながら突き進み。

ヒールNPCに一撃を叩き込むと後方からやって来ていたミストたちの援護攻撃もあり・・・・前方にいたヒールNPCたちを倒すとユキシロの案内を再開して移動を開始した。



「ユキシロ、だんだん道が荒くなってきているのだけれど本当にこっちで合っているのかしら???」

「大丈夫なのじゃ!!アタイの鼻と記憶は確かなのじゃ!!

あともうすぐでその儀式をしている場所に到着するのじゃ。

ぬぅ・・・アレを見て見るのじゃ・・・アレがあの頭巾の崇拝しているモノじゃろう。」

「すっごく・・・大きな像だけど・・・あの白いのはもしかして魂・・・なの??」

「この状況から考えるとそうなのかもしれないな。

それにしてもゴーストの数も多ければヒールNPCの数も異様に多い・・・

これは騒ぎを起こせばやられるのは私たちの方かもしれないな。

ムクロ、このような状況だがどうする??」

「そうだな、まずは俺が突撃してそのスキを突いてユリハ達が攻撃を仕掛けるって言うのはどうだ???」

「さすがにその作戦は作戦とは言えません。

ご主人様・・・作戦と言うのは無茶や1人で背負う事ではありません。

私たちで手分けをしてやり遂げるのが作戦でしょう。

今までは状況的にグレーでしたのであまり言いませんでしたが今回ばかりは数が数でとてもご主人様だけでは無謀もいい所にございます。

せめてこのご主人様専用のレイヴァテインをお供に・・・・さすれば2人であの場を掌握できるかと。」

「え!?ムクロッちにレイがくっ付くだけで勝率が上がるとかどんな計算方法なワケ!?

そんな事よりも2人でほんとにダイジョウブなの??

ここは全員で・・・・・エリ??」

「ここはこの2人に任せておきましょ。

レイがここまで言うのだから大丈夫なのよ。

それにあの2人のコンビネーションは近接戦闘なら相当なものよ?

だからやらせてみたいの、それにいざとなれば全員で総攻撃に出ればいいだけの事よ。」

「それもそうね。

をしたらカバーに入る・・・それで終わるのならそれはそれでいいものじゃないかしらね。」

「ぬぅ・・・レイレイに主殿・・・本当に気をつけて戦って欲しいのじゃ。

きっとこの戦いで何かが起こるとアタイの尻尾や耳がビンビンと反応しておるのじゃ・・・・ぬぅぅぅう・・・ぬへあッ!?」

ムクロは心配をするユキシロの頭をワシャワシャとかき乱し・・・ユリハ達に行って来ると呟きムクロはれいよりも先に飛び出しヒールNPCに向かって攻撃を叩き込んだ。



「ゼイリャァアァァァアアァァッ!!!!!

儀式の途中に悪いけど俺と勝負してくれないか??

俺に勝てたらこの魂を儀式に使っても構わないぞ!!!

おっと・・・やる気満々だな・・・・」

「ご主人様、挑発するのも大概にしなければ今頃攻撃の的になっています。

では・・・数秒後に攻撃が止みますのでご主人様は右からお願い致します。

――――――――――私は左を叩きますので。」

「い、いきなり2人に集中砲火されちゃってるけど・・・・援護しなくていいのかなぁ!?

これ・・・やられちゃったりしてないよね!?大丈夫だよね!?生きてるよね!?」

「ほら・・・2人なら楽しそうに剛腕装甲の陰に隠れて機会を窺っている様ね。

本当に無茶をするのが多くなったものよね・・・ねぇユリハ??」

「え、あ・・・うん・・・そうだね・・・あはは。

私は別に無茶をするタイプじゃないんだけどなぁ・・・・」

ユリハは苦笑いをしながら否定し、再び2人に目をやると。

2人は次の行動に出ていた。



「レイ、今度は先に攻撃を頼む。

俺は迂回しつつ数を減らしていく!!」

「かしこッ!!!さぁ・・・私の攻撃です。

この剛腕装甲でバラバラにしてさしあげましょう。」

「やっちゃえレイ!!!ムクロッちぃ!!!!

そんなヤツらボッコボコにしちゃえい!!!」

「なのじゃ!!!ボッコボコなのじゃ!!!」

「2人ともここは静かにしていないといけないからもっと静かにしてようよ。」

「だがこうして見ていてもわかるが2人の連携によって確実にヒールNPCの数は減って来ているな。」

「だけど・・・かずを減らすごとに少し異変も起こって来てるのよ。

それがあの像に集まる魂なのだけれど・・・」

「言われてみれば確かに・・・さっきよりも宙に浮かぶ魂が増えている??

でもそれ以外にはなにも・・・・ん?何アレ??像が魂を吸収してるの??」

ユリハの言葉にエリエントはコクリと頷き、像を見つめつつ何かが起こることを感じながらもレイとムクロに注意をするように伝えた――――――――

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