第494話 地下墓地潜入調査

――――――――――――――――イベントフィールド:墓場ステージ



 ムクロたちはドラゴンゾンビからドロップしたアイテムを確認し合いながら集合墓地を目指して歩いていると。

何やら不思議な行列が目に移り・・・・ムクロたちは静かに移動して墓石に隠れて状況を探ることにした。



「ムクロ君・・・何アレ・・・・見た事のない黒頭巾の行列だけど・・・・

何かの儀式??それとも・・・・葬式かな??」

「どうだろうな・・・モブの習慣にはそう言ったモノはなかったはずだ。

となると・・・これはイベントのNPCが関わってる可能性があるな。

だがそう断言するにも情報が少なすぎる・・・・何をやっているんだ??」

「主殿・・・もしよければアタイに隠密スキルを使ってはくれぬか??

アタイならば俊足で覗いてくることも可能なのじゃ。

それに危険があればすぐに戻ると約束するのじゃ。」

「この場合から考えますとユキシロが適任かと私も思います。」

「ん?最後の方何かとんでもないことを言わなかったか??

あと・・・行列が何やら墓石の下へ降りて行っている様子だが・・・・

早めの決断が必要そうだ。」

「ムクロ、私もこういう時に肩を持つのは癪だけどユキシロに行かせるべきじゃない??

ユキシロならいざ戦闘になったとしても大味なスキルで何かが起こっていると言うのもわかるはずよ。

それに・・・・鼻が利くのも一つの良い点じゃないかしら??」

「そっか!!ユキシロって私たちよりも鼻が敏感なんだっけ??

それだと何か不思議な香りを探し出してこの行列の秘密がわかるかもしれないね!!!」

と、行列が次から次へと下へ消えて行く中・・・ムクロはユキシロの頭を撫でながらスキルを発動し、隠密状態に変えると。

ユキシロは足音を殺して移動し墓下へと消えて行った。



「大丈夫かな・・・ユキシロ1人だとちょっとだけ不安だね。

食材のある部屋に迷い込んでなかったら良いのだけれど・・・・・」

「そだね・・・ユキシロってお腹がペコの時はすごく食材に敏感になっちゃうからね・・・・さっき食べてたリザードマンの肉だけじゃ足りないとか言ってたし。

私もなんだかそわそわしてきちゃうんだけど・・・・・ん~~大丈夫かなぁ??」

「大丈夫だろう、ユキシロは私たちの中でも1,2を争う危機感知を持つモノだからな。

そう易々と見つかって御用になるとは考えにくい。

たとえ御用になる可能性があったとしても大暴れするはずだからな。」

「そうですね・・・では私たちはこのままここで異常がないか見張りますのでご主人様方は休憩をしておいてください。

いつ戦闘になるのかわかりませんし・・・辺りにモブの気配がない事から何かが起こる可能性は大いにありますので。」

レイの提案にムクロたちは焚火をせずに墓の後ろで携帯食料を口に含みながら待機していると。

墓下へ通じる道の方から1体の黒い服を被ったモノがひょっこりと顔を出していた。



「ん?アレは・・・・さっきの行列のモノの1人か??

どうする??捕獲して話をさせて見るか??」

「いや、無理に捕まえて仲間を呼ばれたら困るからな・・・

ここはもう少し様子を見てから行動に出よう。」

「だけどさ・・・私の感じだとアレ・・・じゃない??

頭巾の部分に耳のようなのがモコってしてるしさ??尻尾とかもあるよ??」

「言われてみればそうだな・・・・だが、獣人型のモノがまぎれている可能性もあるから近づくのはどうだろうか・・・」

「ご主人様、どういたしますか?

剛腕装甲でぎゅっとして捕まえましょうか??一気に掴みあげれば黙らせることも可能ですが・・・・握り潰してやってしまった場合は責任を取りかねますが。」

この状況から捕まえるべきか捕まえずに見守るべきか2択の選択を迫られていたが。

その黒い頭巾を被ったモノは何かを感じ取ったのか・・・ムクロたちの方をササっと駆け出して飛び込んで来た。



「主殿!?!?!?やっと見つけたのじゃぁあぁぁぁ!!!!

あんな暗くてドロドロした場所は長いしたくなかったのじゃ~~~」

「あ、よしよし・・・で、中の様子はどうだったんだ??

ドロドロしてたり暗かった以外の情報が欲しい。」

「そうです・・・早く話さなければご主人様のよしよしを私が代わりに引き受けます!!!

さぁ~一刻も早く喋ってください・・・それとも喋らずにこのまま消滅させてやはり奪い取るのも1つの手でございましょうか???」

「へへへ・・・レイ~私もそれには同意しちゃおうかなぁ~~ふへへぇ~

さぁ~どうコチョコチョしてやろうかにゃぁ~~~」

「ふ、2人とも!!!今はユキシロの話を聞くのが先だよ!!

その後にサッとヨシヨシを終わってもらえればそれでいいから・・・・うん。」

「ユリハも・・・よしよしされたかったのだろうなぁ・・・」

「そう言うミストはどうなのよ??あんなことをされたら大抵の子は和んじゃうわよ?」

「ユキシロだけいいなぁ~~私も頭を撫でてもらいたいなぁ~」

「コラコラ、今はそう言う流れじゃないでしょ!!!

ここは敵かもしれない墓の上なのよ??そんな悠長にしゃべってないで重要な部分だけを教えて頂戴。」

アヤカの言葉にユキシロは息を整え・・・洞窟の中にあったモノを全員に伝えた。



「そうか・・・地下墓地に集まり謎の儀式をしていたのか。

それもゴーストを使っての儀式・・・これはついにレアモブとのご対面というものか?」

「その答えには少し早いかもしれない。

このイベントのクリア条件はランダムに現れるボスを倒してポータルを出現させると言う内容だ。

つまり今回戦うモブを倒したとしてどういう風なイベントが起こるかによってレアモブか通常のボスモブなのかがわかるはずだ。

さすがに聞いた話だけで内容が全て把握できたわけでもないけど向かうしかなさそうだって言う事だな。

それでユキシロ・・・案内を頼めるか??」

「ぬぅ~~あのジメジメジトジトした地下にもう一度入るのは少し気が滅入るのじゃが・・・主殿の命ならば拒否などできないのじゃ。

うむ、任せて欲しいのじゃ!!!」

ユキシロはナデナデされつついい表情でムクロに返事を返すと。

流石にコレ以上黙っていられなかったのかクーリアたちはユキシロをムクロから引き剥がし・・・地下墓地へ向かう準備を始めた―――――――――

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