第468話 姉の恨み?
――――――――――――――自宅
悠一はまっすぐ家に戻ってリビングに向かうとそこには誰もおらず。
この調子なら涼孤はまだ部屋で寝ているのではと感じた悠一は姉の部屋をノックしてはいるが誰もおらず。
少し嫌な感じがした悠一は恐る恐る自分の部屋に入ると・・・・・
「悠ちゃんお帰りぃ~~」
「ね、姉さん・・・・どうして俺の部屋にいるんだ??
あちこち探してたんだけど・・・・その、今日は姉さんが疲れていると思って呼ばなかったお詫びの印にこれを買って来たんだけど食べる??」
悠一はジッと布団から覗く姉の涼孤に見えるようケーキの入った箱を開いて見せると。
涼孤は布団を捨てて飛び出し、ケーキの中を覗いて目を輝かせていた。
「え、いいの!!それじゃ私はこのショートケーキにしようかな。
悠ちゃんはガトーショコラでも大丈夫??1人で食べられる??」
「1人で食べられるけど・・・これ二つとも姉さん用で買って来たんだ。
由里と耀子にどれがいいのか聞いてさ・・・・ん?姉さん??」
悠一が発した名前に反応した涼孤はケーキの箱を置いて悠一に今日はどこで2人と何をしたのかと冷静なトーンで問うと。
悠一はありのままに言った先々での思い出も踏まえながら語ったのだが・・・・
「うぅぅ・・・どうして私を呼んでくれなかったの!!!
そりゃさっきまで疲れてて眠っていたのは確かだけど悠ちゃんに起こされたら私は意地でもついて行くよ!!」
「えぇっと・・・最近姉さんはグロリアの方も現実でのアルバイトでも頑張ってるみたいだから声をかけづらくてさ。
今日くらいはゆっくりと寝て今日のグロリアで姉さんの力を発揮してもらおうと思っていたんだけど・・・・・ゴメン・・・」
悠一のしょぼんとした表情に心を打たれた涼孤は・・・慌てて謝り。
ケーキは食後にするとして今からすぐに夕食の準備をすると言って台所に向かっていき。
取り残された悠一はそっとパソコンを立ち上げ、夕食までの間イベントの内容に目を通している間に時間が過ぎ。
台所で夕食を作っていた涼孤から下りてくるように指示が入り・・・悠一はすぐに台所に下りて行った。
それから夕食等を済ませた悠一は自室に戻りグロリアにログインし、フィールと別れたセーブポイントにやって来ると。
フィールはテントの中でスヤスヤと寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていた。
「お~い、フィール・・・・起きろ~そろそろみんなやって来る時間だぞ~」
「ふぇ??ご飯の時間??
それとも晩ご飯かな??あ、ムクロ君だ!!!おはよう?」
寝ぼけているのか起きているのかわからない表情と会話にムクロは苦笑いしてフィールをテントの外に出すと、そこは夕暮れになりつつあるFFの風景が広がっており。
ユリハたちが来るまで焚火をして待っていることにした。
「ん~みんな遅いね・・・それにしても今日は本当によく寝てたなぁ。
ムクロ君に起こされるまでひたすら寝てたよ。」
「そうなのか?
それだったら何だかすまないな。
よし、それじゃ昨日のリザードマンの肉をさらに美味しく食べる方法を教えてやるかな。
――――――――まずは棒を肉に刺してっと・・・・・」
ムクロはユリハ達が来るまでもう少しかかると思い、朝食というわけではないがフィールに自慢のリザードマンの串焼きを振舞う事にし。
肉を焚火で焼き始める事数分・・・・
「ほら、コレが俺の手軽に作れてウマイ料理の1つリザードマンの串焼きだ。
冷める前にガツンと食べてくれ。」
「うわぁ~すごく美味しそう!!!
それじゃ遠慮なく食べさせてもらうね。
あ~ん・・・ん!?おいひぃ!!
ムクロ君コレすっごくすっごく美味しいよ!!!」
フィールが口に沢山詰め込みながら食べる姿がハムスターに見えたが、それよりも素直に美味しいと言って沢山食べる姿にムクロは安心して次々と肉を焼いて行き。
フィールは4本の串焼きを平らげるともう食べられないと言って休憩に入っていた。
「はぁ~ムクロ君ご馳走様ぁ~本当に沢山食べちゃったよ。
いつもはこんなに食べないんだけど美味しかったからついつい食べ過ぎちゃった。
だけどムクロ君って料理ができたんだね。
感じ的には料理はあまりしなさそうな感じに見えたけど。」
「あはは、そうだな・・・俺はどちらかって言うと料理は苦手だな。
これも料理と言っていいのかわからないレベルだからな。
もし本当の料理が食べたいのならユリハ達に言ってみたらいいんじゃないかんじゃないか?俺よりもしっかりとした料理を作ってくれるはずだ。」
ムクロは焚火をいじりながら答えているとポータル方面から歩いてくる音が聞こえ、その正体は先ほどまで話していたユリハであった。
「あれ?ムクロ君とフィールちゃんだけ??まだミストたちは来てないの??
それとどうしてこの辺りから肉を焼いたような匂いが・・・」
「あぁ・・・俺がフィールに腹が減っているんじゃないかと思ってリザードマンの串焼きを振舞っていたところなんだ。」
「そうなんだぁ~ムクロ君に美味しい串焼きをご馳走してもらってたの。
でね!!ユリハさんって料理が得意なんでしょ!!
だったら今度何か美味しいもの作って欲しいなって言ってみたり・・・・」
フィールはユリハに料理を作ってもらえないかと頼むと、ユリハはムクロかからのアイコンタクトを受けて返事をし。
どんな料理が食べたいのかリクエストを取ると、フィールはユリハの特異な料理とリクエストを入れ。
その言葉からユリハはオムライスにしようと言うとフィールはどんな料理かわからないといった表情をしていたが名前に興味を持ってそれでいいと答えていたら次から次へとミストたちがログインして焚火の方にやって来ていた。
「悪い、色々とリアルでやる事を済ませていたら時間が遅くなってしまった。」
「えっと・・・買ったFFを遊んでたら止まらなくなっちゃっておくれちった!!てへッ!!」
「可愛くポーズを取っても無駄よ。
でもコレでメンバーは揃ったわね。」
「そうね・・・ヴァニスもちゃんと来ているし大丈夫じゃない。」
「私と同じタイミングで入って来るなんて珍しい事もあるわね。
いつもなら私よりも先に集まっていてお茶でもしてると思ってたけれど。
まぁこの高貴なヴァニス様と同じタイミングでログインできたことに対して幸福を感じても罰は当たらないわよ!!」
ヴァニスはいつものように高笑いをしながら語っているがムクロたちに軽く笑われながら流されており。
ミストたちはこれからどうするのかとムクロにルートを問うていた―――――
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