第457話 元気な姿で

―――――――――――――――始まりの都:鍛冶屋アクセサリー前


 挑発を見た途端、ギルドのリーダーである男は剣を持ち直して仲間に指示を出し。

一斉に攻撃を仕掛けた際、ムクロは先に仕掛けていた男達の攻撃を受け止め・・・攻撃を全て防ぎきったかのように思えたのだが―――――――――



「ぐッ・・・・コイツ・・・・仲間ごと俺を貫いて来たのか・・・・」

「ハハッ!!!勝てばいいんだよ!!!

コイツらは全員俺の駒なんだ・・・つまり俺の盾になれといれば盾になるし。

攻撃しろと言えば剣になるんだ。

で、囮になれば囮になるって言うわけだ・・・・アハハハハハハ!!!

あと6人・・・・お前はあと6回の攻撃で仕留めてやるぜ!!!!

――――――――――攻撃だ!!!野郎ども!!!!」

「うおぉぉぉおぉぉぉ!!!!!オラァッ!!!!」

「食らいやがれぇェ!!!グハッ!」

「今だ!!!!ぐッ・・・・かはは・・・後は任せた・・・・」

「フム・・・コレがあのギルドの本当の戦い方というところでしょうか。

本当に外道なる戦いですね。

そして一番ご主人様が嫌う戦い方にございます。」

「うん・・・ムクロ君大丈夫かな・・・・すごく嫌な戦いをさせちゃってるよね・・・私のせいで・・・」

「いや、コレはユリハの責任ではない。

あの者たちがちょっかいを出さなければこんなことにはなっていなかった。

それに・・・ムクロは強いからきっと平気だ。

何せ私の自慢の弟だからな。」

「ゼアァアァァアァ!!!!!

―――――――お前たちがどんなに下劣なやり方で来たとしても・・・・

――――――――俺は絶対に勝つ!!!!

―――――――――――ブレイブダンス!!!!」

ギルドのリーダーが仲間を貫いて攻撃を仕掛けるも・・・ムクロは瞬時に攻撃を避けてスキルを発動してその場にいた相手プレイヤー全員をまとめて倒すと。

PVPの終了アナウンスが入りムクロの元へユリハ達が駆け寄って来ていた。



「ムクロ君!!!ごめんね・・・・本当にごめん・・・・嫌な戦いをさせちゃって・・・・」

「ユリハ・・・苦しい・・・

あはは・・・そうだなこういう戦いはあんまり好きじゃないけどさ。

ユリハが攻撃されてイラっとしたのが主にだったから気にしてない。

それに・・・ユリハのケガも直ったみたいだしさ・・・アクセサリーでも見に行かないか??」

「そうだな・・・ユキシロとファムも一緒に行くと良い。

私とレイはここで他に変なことに巻き込まれないように目を光らせておくから気にしなくていい。」

「そうですね・・・私たちはいただけるものはいただいてますので。

ここは礼儀正しく待っていることにいたします。」

PVPが終わり、ユリハを慰めようとした意を組んでくれた2人はファムとユキシロも連れて行くようにと言って4人でアクセサリーショップに移動し。

気に入った商品を買って戻って来ると・・・これ以上面倒事に巻き込まれないようにと今回はこの辺で終わりにしてホームに戻ることとなった。



「ふへぇ~~にしても今日はすごくよき1日じゃった・・・・

主殿にはアクセサリーをかかってもらえたしのぉ~~」

「でも・・・私たちの身内で何人か買ってないけど・・・・

その人達の分は大丈夫??のもいるよ??」

「それなら心配いらないよ。

私がエリと考えながらムクロ君にプレゼントとして買わせておいたからね。」

「あはは・・・俺にはプレゼントを贈るセンスがないとかでさ・・・2人に色々とレクチャーされながら買ってきたから心配はいらないかな。」

「ムクロは本当にプレゼントというものがどういうものなのか全く分かってないから仕方ないわね。

こういう時に送られてうれしいものをチョイスしたのだからムクロもこういう時ならどんなものを贈られたら喜ぶのか参考になったでしょ?

だから、今後つまらないものを贈るのはNGと言う事よ。

――――――――わかったかしら??わかったのなら返事は??」

エリエントはムクロにぐいぐいと顔を押し付けながら返事を言わせると席に着き。

レイに淹れてもらっていたお茶に口を付けていた。



「プレゼントを買ったのはいいが・・・明日全員集まるのかが不安だが。

一応一声かけておくとしようか。

クーリアは現実で伝えればいいとして・・・・よし、こんなものかな。」

「そう言う事なら今日はこの辺でお開きと言う事ね。

明日もあるから私はお先に落ちるわね・・・それじゃおやすみ。」

「うん、おやすみ。

ん~~~よし、私もそろそろ落ちるよ。

ムクロ君今日は本当にありがと・・・それとみんなお休み。」

エリエントがお開きという言葉を発してから落ちると次々にゲームからログアウトしていき。

ユキシロやファムも自分たちの部屋に消え・・・・ムクロもそろそろ落ちようと席を立つと、レイはムクロの前にサッと移動し。

今日の贈り物の件について感謝を述べてから部屋に消え、それを見送ったムクロも最後にログアウトをして眠りについた。



それから朝になり・・・悠一と涼孤の2人は由里達との待ち合わせ場所に歩いていると・・・・



「おっすぅ~~悠一ぃ~それに涼孤さんも。

いやぁ~1日で治っちゃうなんて流石私の体だよねぇ~

で・・・昨日はグロリアで何してたのさ??」

「あはは・・・出会っていきなりグロリアの話って・・・耀子はすっかり元気になったようだな。

まぁ・・・その辺の話も学校に行きながらしないか?

ちょうど由里達も来たみたいだしさ。」

「みんなおはよう。

耀子も元気になってよかったよ。

本当に心配したんだから!!」

「そうよ・・・さらに様子を見るためにもう1日くらい休んでいてもよかったのに。」

コトハの言葉にどういう意味なのかと問い詰めている間に悠一たちは先に向かっており。

2人も由里達を追いかけて合流し・・・グロリアの話をしながら学校へ向かっていった。



そして・・・そのまま何事もなく午前中の授業が終わり昼休みの屋上・・・・



「もぅ!!私が休んでた1日でなに面白い事してんのさ!!!

そんな楽しい事してるのなら無理してでもログインして後を追えばよかったなぁ~~~」

「ご、ごめんごめん・・・本当はもっと地味だと私も思っていたのだけど。

レイちゃん達がプランを再編集したらすごいことになってて・・・・

それに昨日のアクセサリー屋での出来事は耀子がいなくて良かったって思うの。

それだけ嫌な連中だったから・・・・」

「ハイハイ、今はお昼の時間よ。

そんな暗くなるような話はしないでくれるかしら??

こういう時はもっと明るくなれる話をしたらいいんじゃないの??

ねぇ?涼子さん??」

「え、あ・・・うむ・・・そうだな。

それにしても昨日は本当に楽しかった。

次は耀子も参加出来たらいいな!!!」

涼孤の言葉に耀子は悔しい思いをしながら弁当を食べ終えると悠一に近づいて今日のグロリアでの予定を尋ねた。



「今日??別にコレと言ってやる事は決まってないけど・・・・

どうしたんだ??何か行きたいクエストとかあるのか??」

「そう言うわけじゃないけどさ・・・・

1日離れてただけですごく離れてたような気がして・・・だから何か面白そうなクエストを探してからホームに行くから楽しみにしててよ。

だからそれまでどこにも言っちゃだめだよ??」

「それは楽しみだ。

昨日は何もしていないのと変わらなかったからな。

耀子の持ってくるものに期待しておこう。」

耀子は任せろと返事をすると校舎内に予鈴が鳴り響き。

悠一たちはまた放課後と言って解散し・・・すぐに言っていた放課後になっていた。

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