第410話 第3ウェーブ戦:終了
―――――――――――――――第3ウェーブ:救護中
モブを目掛けて飛び出す2人にモブは武器を振り回してカウンターを仕掛けて来ており。
その一撃を2人は軽い身のこなしで避け・・・そのスキを突いて2人は同時に突き攻撃を繰り出すとモブは威力に耐え切れずに後方へ地面を裂きながら飛び出し。
その威力をバネにモブは二人まとめて屠るようにスキルを発動した。
「テイヤッ!!!!!」
「フンッ!!!!いいぞユリハ!!!
さぁ私たちの連携を見せてやろう!!!」
「グガッ!?」
モブのスキルを2人で受けきると、ミストが先に飛び出してスキルを叩き込み。
その衝撃でよろめいたモブに追撃をかけるユリハの攻撃を受け。
モブの体力が黄色になったのを2人は見逃さず。
2人は攻撃の勢いを緩めることなく連続攻撃を繰り出してスキルを発動される前に消滅させた。
「ナイスキルだユリハ。
実に見事な攻撃だった。」
「ううん、それを言うのならミストの方もすごかったよ。
私だけじゃスキル攻撃を受け止められなかったし。」
「どうかしらムクロ・・・・あの2人の動き。
あれくらい動けるのならグロリアのクリアを目指せるんじゃないのかしら?」
「そうだな、本当にいい連携攻撃だった。
これから更なる上達が楽しみになるくらいにな。」
「うぇ・・・ムクロッちはまだこれ以上に腕を磨かせるつもりなワケ?
廃人プレイヤーはどこまで上を目指させる気なんだろ・・・・」
「ん~本当の頂点までじゃないかな?
ムクロの事だから並大抵の事じゃ満足しないと思うから。」
「そうね・・・私にもすごくキツイ特訓させてたし。
ユリハ達も気をつけないとムクロに酷い事されちゃうかもしれないわよ?
なんちゃってね・・・・ん?どうしたの2人とも?」
ヴァニスの言葉にミストとユリハは少しだけ嬉しそうな顔をしながらムクロにキツい内容でも全然大丈夫だと言い出し。
ムクロの頭上には?マークが出ており、ユキシロの体力と傷が治ると。
走れるか試してもらうと問題なく走れることからムクロたちは戻りながらモブを倒していき。
始まりの都の出入り口付近まで戻って来ると、ライザー達のグループもムクロを追って戻って来たのか。
ムクロたちの元へとやって来ていた。
「よぉ、やっと合流したかと思えば撤退たぁ・・・結構稼いだのか?
ん?どうしたんだそこのユキシロは。」
「ん?ちょっとモブの不意打ちをモロに食らったらしくてな。
俺の不注意でこうなったから気にしないでやってくれ。」
「ぬぅ・・・主殿・・・ゴメンなのじゃ。」
「大丈夫、ムクロ君は少しでもユキシロの負担を減らそうとしてるだけだから。
だからムクロ君の勝手にさせてあげて。」
「本当にムクロッちは不器用だよね。
でも、私はそんな不器用なムクロッちもいいと思うけど・・・・」
「なにクーリア喜んでるのよ。
まだ戦闘が終わったわけじゃないのだからニヤニヤしていたら変なプレイヤーだと思われるわよ?
で、ライザーのメンバーが少し足りないように見えるのだけれど?」
エリの言葉にライザーは強化モブに突撃して何人かがやられたと苦い顔をしながら答えると。
急に地面を殴りつけて自分の不注意さと無茶な発言で仲間を死に追いやったことに後悔して叫んでいると。
それを見かねたエリはライザーのタテガミを掴みあげていた。
「イダダダダダ!!!!そこはデリケートなんだぞ!!!
もう少し丁寧にだな・・・・なんだよ・・・その顔・・・」
「少しいいかしら?ライザーは自分のしたことに後悔して嘆いているのは勝手よ。
実に勝手でどうでもいいのだけれど・・・・これだけは言わせてもらうわ。
後悔するくらいなら適当な発言をせずにしっかりと仲間のために何が良くて何が悪いのか考えてモノを言いなさい。
それにライザーの仲間は自分たちがやられてもなんとも思わない連中なのなら。
次にこう言う事が起こらないようにライザー自身が強くなるのよ。
私からはこれだけよ・・・それじゃ。」
「ムクロッちもムクロッちで無茶をするアレだけどさ?エリもエリで他人様のギルドマスターにガッツリ言うよね・・・・本当に問答無用って感じ?」
「アハハ・・・でもエリちゃんの言いたいことはわかるよ。
仲間と共にいい結果へ繋がるように考えろって事だと思う。」
「そうだな、自分の出した答えに自分で嘆いていては消えてしまったもの達へ語る言葉もないからな。
フフ、エリの言葉でライザーの目が覚めたようだ。」
ミストが再度ライザーの顔を見ると、そこには怒鳴り散らすライザーの姿はなく。
エリやミストたちに凛とした表情で照れ臭そうに感謝の言葉を投げかけるとすぐにギルドメンバーたちの元へ戻り何やら話をし始めていた。
「本当に手間のかかるプレイヤーね。
ムクロはどうして私を見て笑っているのかしら??
すごく気になるのだけれど、どうして笑っているのか教えてくれないかしら??」
「え、いや・・・あはは・・・エリの励ましは効くなと・・・・」
「ぬぅ~主殿は最後の最後でヘマをするタイプじゃの。」
「うん・・・でも、ムクロ君は嘘が付けないから仕方ないよ。
――――――――何でも答えが顔に出ちゃうからね。」
「そうだなムクロはすごく素直だからな。
お人よしとも言えるのだが・・・・はぁ~~本当にそこにツケ込まれて何か起こらないかと私は心配で心配で・・・・」
「そんなに過保護にするのも良くないような気もするけど・・・・
でもでも・・・ムクロッちがお人よしって言うのは分かるよ?・・・でもさ?ねぇ?」
クーリアの不思議そうな目線はムクロに向いており。
その言われている本人は自分の話をされていることと知らず。
アヤカと合流して話し込んでいた。
「で、あれからモブの状況はどうなったんだ?
近くでモブと戦っていたプレイヤーはライザー達のギルドのようだったが。
他にどこかでバトルをしているのならそれが今回のウェーブ戦の終わりお意味しているんだが。」
「その辺は心配しないでいいみたいよ。
ほら、上を見て。」
「ん?あぁッ!?ウェーブ戦終了!?
これで私たち学生が出られるウェーブ戦は終了かぁ~
ちぇッ・・・アヤカは大学生だからいいよねぇ~明日の午前の部にも出られるんだからさ~」
「ん?クーリアは気が付いてなかったの?
アヤカは今までにあった平日のウェーブ戦には参加していないのよ?
どうしてかは話さなくてもわかると思うけれど?」
エリの答えにアヤカは変な誤解が生まれる前にと必死に話へ割って入り。
どうして参加しなかったのかを話し始めた。
「だって私だけ午前中でもログインが可能でムクロたちみんなができないのはフェアじゃないでしょ?
それに私はみんなと・・・その・・・グロリアをしてる方が楽しいから・・・・
やっぱり何でもない!!!気にしないで・・・ただ、それだけだから!!!」
「へぇ~そうなんだぁ~私がアヤカの立場ならじゃんじゃん午前中にログインしてウェーブ戦でポイントを稼ぐけどなぁ~」
「そうね、クーリアなら誰のことも構わずに自分の益のために動くと思うわ。
多分ここにいるみんながそう思っていると思うけど。
アヤカが私たちの時間に合わせてくれているのならそれはそれでしっかりと結果を出して返さないといけないわね。
そうだと思わないかしら?ムクロ?」
エリの問いにムクロはアヤカにこれからもよろしく頼むと言うと。
アヤカは恥ずかしくなったのか・・・オアシスのテントで武器の整備をするからと言って先に戻り。
ムクロたちもこれから追い込みになったこともあり自分たちの狩場へと移動を開始した―――――――――
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