第367話 グループのモブとの乱戦

――――――――――――――中級層:拠点


ムクロたちが拠点に戻って来ると、ユキシロたちはいつものようにお腹が空いたとコールし始め。

焚火を使ってユリハとミストが同時に調理を行い。

焼いた骨付き肉とグロリアでしか食べられないスープが完成し。

ムクロたちと一緒に焚火を囲んで食事が始まった。


「ムクロッち~そのお肉取って~」

「それくらい自分で取って食べなさいよ。

それじゃムクロ、私のコップに果実酒を注いでくれるかしら?」

「主殿が2人にこき使われておるのじゃ・・・モシャモシャモシャ。」

「うん・・・でも、ムクロって優しいからいつもして欲しい事をしてくれるんだよね。

昔、私はマッサージをしてもらった事もあるよ?」

「何ッ!?マッサージだと!!

それは何というご褒美・・・いや、疲労回復法なのだ!?

それはこの世界でも効果があるのか?あるのなら是非ともムクロのマッサージを受けてみたいところだ。」

「私も少し気になるかな・・・今回の作業で少しだけ肩こっちゃったから。」

そう言って肩をトントンと叩くユリハにムクロはそっと手を添えて揉み始め。

ユリハはその気持ちよさにふわふわとしていた。


「このマッサージは昔、エリにさせられてたから覚えがあるんだ。

ここをこうやってやればさらに効果があるんだ。」

「ッ!?あぁぁ~~そこそこ・・・いいよぉムクロ君!!気持ちいよ。」

「こういうのって絵を見ずに声だけ聴いてると駄目な風に聞こえるんだけど・・・・どう思う?」

「うむ・・・コレはけしからん・・・すごく効果がありそうで私もして欲しい。」

「ムクロ~ミストがマッサージを希望しているわよ?

ユリハと交代してあげたらどうかしら?」

「ふむぅ・・・今度は主殿がマッサージを始めたのじゃ・・・モシャモシャモシャ。」

「どうやらそのようだね・・・モシャモシャモキュ。

でも、ムクロのマッサージは想像以上に効果があるから疲れた時にしてもらうと最高だよ。」

ファムとエリの言葉からムクロはミストへ交代してマッサージをすると。

次に興味を示したユキシロにクーリアと続けてマッサージを行い。

準備が整ったと言ってモブ狩りに向かった。


「テイヤッ!!!!ハァァ!!!」

「いいぞユリハ!!!ゼイアァァァァ!!!」

「私たちも負けてられないな!!

はぁぁぁ!!!ユキシロそっちに行った!!」

「任されたのじゃ!!!ふんぬあぁぁぁッ!!!!!」

「ユキシロやる~私たちもじゃんじゃんモブを倒しちゃわないとね!!!

作成依頼してきた武器はまだできてなかったから明日になるけど・・・・

今はできる限り全力で攻撃するのみ!!!

――――――――――ファイアーボム!!!」

「今日はクーリアもやる気満々ね。

それじゃ、私も負けないようにそこそこの力でやってあげるわ。

―――――――ブリザードボム!!

――――――――ウィンドウスライサー!」

ムクロたちは各自別れてグループのモブを次々と倒していくと。

ボスモブが2体同時に出現し互いに確認し合って行動した。


「コレは俺たちが仕留めるぞ!!

――――――――ブレイブダンス!!」

「うん、わかったよ!!

――――――――4連星突きフォースターレイン!!!」

「主殿にユリハがいるのじゃ・・・コレは楽勝なのじゃ!!!

じゃが相手が消滅するまで手を緩めずにガンガンと攻撃なのじゃ!!

――――――――――牙狼拳:瞬激!!!」

「私もだってやっちゃうよ!!!

―――――――――――ブレイクランス!!!」

「あちらにもボスモブが来たようね。

こっちのモブはギガント系だけどみんな大丈夫かしら?」

「あぁ・・・任せておけ。

あの大きさのボスなら全然平気だ。」

「私も大丈夫だよ!!

ムクロッちとダンジョンとかフィールド探索の時に戦ってたモブに比べたら平気平気。」

「それじゃ・・・助っ人の私も参戦するからもっと余裕ね。

さぁ・・・援護射撃を開始するわ。」

遅れてやってきたアヤカは遠くから通信を入れてくると同時にギガントへ数発の銃弾を見舞った。


「チッ・・・やっぱりボス系は硬いわね。

だったら・・・目のウィークショット!!!」

「GRAAAAAAAAAAA!!!!!!」

「うわぁぁ!?ちょっと!?アヤカ!!!ギガントを暴れさせたら駄目だってば!!!のうわぁ!?」

「本当に世話の焼けるクーリアね・・・・

こういう時は凍らせるか感電よ。

―――――――――サンダーボルテックス!!!!」

「凄まじい雷系スペルだな・・・だが、このスペルで動きは止まったな。

よし!!!一気に畳みかけよう!!!」

「ムクロ君!!!アッチはすこし手を焼いてるみたいだけど応援しに行かなくていいのかな?」

「きっと大丈夫だ・・・みんなは格段に強くなってきてるからな。

コレくらいじゃミストたちはやられはしないだろう。

だから俺たちは俺達でモブのグループを攻撃しよう。」

「うむ!!了解なのじゃ!!!」

「それじゃ・・・この石ころでモブを呼ぶよ?」

ムクロはコクリと頷くと、ファムが石ころを投げてモブにヒットさせると。

先ほどよりも奥のモブがムクロたちの前に現れていた。


「ふぁ、ファム??これはちと多すぎるのじゃ・・・・」

「うん・・・さっきの3倍くらいはいるよ。

でも・・・もう・・・ムクロ君・・・こういう時くらい緊張感のある顔で悩んでよ~」

「あはは・・・悪い・・・でも、ユリハ達がいると安心するというか。

コレくらいじゃ足りないくらいって思うんだ。

だから・・・全部倒そうぜ!!」

「ムクロならそう言ってくれると思ってたよ!!

一番沢山いるグループを狙ってよかったよかった。

っと、冗談は置いておいて・・・・さぁ始めよっか!!!

―――――――――――ブレイクランス!!!!

―――――――――――――スパイラルブレイク!!!」

先制攻撃を仕掛けたのはファムで、その強力な一撃で道を切り開くと。

ムクロたちはそこから飛び出したのだが。

その中で1人だけユキシロが残っており―――――――――――


「ぬふふ・・・アタイに叩き潰されたいモブがいるのなら。

覚悟してかかってくるがいいのじゃ!!!

――――――――――牙狼脚!!!」

「ユキシロが暴れ出した・・・俺たちはユキシロに集中しているモブを外側から叩くぞ!!」

「うん!!!ユキシロが戦っている今がチャンスって事だね!!!」

「それじゃ・・・ガンガンやっちゃうよ!!!」

ムクロたちはユキシロを囮にした戦術を行い。

中側と外側から同時にモブを倒していくと、近くで戦っているギガントの地響きの余波が伝わって来ていた。


「ふぅ・・・助かったよ・・・それじゃ私もここでスペルいっちゃうよ!!

――――――――――――クロノスブリザード!!!!」

「くッ・・・ここまで寒さが伝わるスペルとは・・・なッ!?

ギガントか・・・氷漬けに・・・」

「ミスト!!その目が弱点だから攻撃してトドメを刺しちゃって!!!

こっからじゃ死角で狙いないわ!!!」

「さぁ・・・バフをかけてあげるわ。

クーリアが凍らせている今がチャンスよ・・・最大の一撃で倒しちゃいなさい。」

クーリアたちの期待を受け、ミストは最大にチャージしたスキルを叩き込むと。

残っていた体力バーを消滅させ。

ギガントの体も真っ二つに切り裂いていた。


「うっはぁ・・・ミストも相当スキルアップしてるね!!!

あのギガントが真っ二つだよ・・・・」

「いや、これはたまたまだ。

バフをかけられてウィークを的確に狙えてなかったらこうはいかなかっただろう。」

「でも、最後の一撃はミストが入れたのよ。

だからコレはミストの功績よ。」

「それじゃ・・・そのスキルの衝撃で向かってきているモブの退治でもしましょ。」

アヤカはスコープで確認したモブの群れが来ている事を伝えると。

ミストたちは休む間もなく次のモブとの交戦に入った―――――――――

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