第358話 由里との学校帰りのデート

――――――――――――中級層:荒れたフィールド奥地


ムクロたちが戦闘を開始してから数分が経ち・・・ある程度の点数が稼げたと判断したムクロは今戦っているモブを倒したらアヤカのいる辺りに仕掛けた野営地点に退避するように伝えると。

クーリアとエリは先に退避を始め、次にヴァニス達が退避し・・・最後にムクロが閃光爆弾を投げて退避を完了させると。

すっかり野営地点に戻っていると空が真っ暗になっていた。


「それにしても・・・こんな巨木の上に野営テント一式を仕掛けるなんて・・・こんな事するのって私たちくらいよね。

この辺に焚火の火も見えないし・・・・」

「うむ!!じゃが・・・コレはこれで楽しいのじゃ!!

何だかキャンプをしている様なのじゃ~」

「している様じゃなくて絶賛キャンプ中だよ?

ん~それにしても・・・いい匂いだねぇ~くんくん・・・」

「あと少しでお肉が焼けるから待っててね。

ミスト、そこにあるブラックペッパー取って~」

「うむ、わかった。

ん?ムクロどうしたんだ?下が気になるのか?」

「あぁ・・・昔、ここにこうやって拠点を構えてソロで鍛錬していた頃に。

モブが匂いにつられて登ってきそうになった時があってさ。

今回はそんなことが起こらないか心配で見ていたんだが・・・どうやら修正されたのか昔のバグだったようだ。」

と、ムクロは下を睨みつけることを止めてユリハ達が調理しているテント近くに戻ると。

簡易設置型ポータルの設定と配置を済ませ、ユリハ達の作った肉料理を食べながらこれからの予定を話し始めた。


「まず、ここに簡易だが街とホームに帰還できるポータルを設置した。

何かあったら使用してくれ。

あと・・・もう少しこっちの話を聞いてもらえると嬉しいんだが・・・あはは・・・」

「ちょっと・・・ユキシロ、ファム・・・ムクロッちの大事な話中だよ?

もう少し我慢すればもっと食べられるからここは我慢だよ!!」

「うむぅ・・・じゃが、お肉は焼け焼けが一番美味しいのじゃ・・・・」

「そうだよ?皆も食べないと私たちが全部食べちゃうよ?」

「ムクロ、悪いことは言わないから・・・まずは食事を済ませてからにしないと駄目そうね。」

アヤカは肉を頬張るユキシロとファムを見ながらムクロに語ると。

クーリアにエリもその意見に同意し、ムクロたちはまず食事を済ませることにして肉を食べ始めた―――――――――


「あ、コレ美味しい!!ユリハ~このお肉おかわりぃ~」

「私も~ハムハムハムハム!!!!」

「ファム・・・もう少し落ち着いて食べなさい。

ほっぺにいっぱい食べ残しを付けてるわよ?

それに・・・食べ過ぎると太るわよ?」

「アタイは全然太らないから問題ないのじゃ~~モシャモシャモシャ。」

「2人は本当に肉が好きなんだな。

それともユリハとミストの調理がうまいからか?」

「私は・・・その・・・いつものように焼いてるだけだけど・・・

きっと、こうやって外で食べるから美味しく食べれるんだと思うよ?

はい、お待ち同様・・・ゆっくり食べてね?」

「ユリハの意見に私も同意だ。

こんな巨木の上でこんなにも綺麗な空を見ながら食事ができるんだ・・・美味しくないわけがないだろう。

こんなにもいい場所を昔から知っていたムクロに感謝だな。」

ミストがそう言うと、ファムやユキシロは肉を食べながらムクロにありがとうと言うと。

再び肉をガツガツと食べ・・・やっと満腹になったのか、お腹を膨らませて寝転がっていた。


「ふへぇ~満足なのじゃ~~」

「私も~もぅはいらないよ・・・えへへ~」

「2人は本当によく食べたからねぇ・・・・これって明日の分のお肉買いに行かないとヤバくない?」

「うん・・・4日分のお肉を今日の食事で使い込んじゃったから・・・・

買い物に行かないとだね。

その・・・ムクロ君・・・私とお買い物付き合ってくれない?」

「あぁ、わかった。

それも明日だな・・・今日はそろそろ寝るとするかな。

下は街灯も何もないから真っ暗でモブと戦うのはお勧めしないし。

それにモブ達もこの時間になると住処に行くのか知らないが一定量のモブがいなくなるんだ。」

「ふむ、ならば今日は引き上げだな。

ムクロたちは明日も学校だろうし。」

「いいなぁ~ミストたちは休みなんだよね?

昼までゴロゴロしてられるのは本当に羨ましいなぁ~」

「でも私たちはムクロと一緒にお昼が食べられるのよ?

そう考えたら2人はどうなのかしらね?フフフ・・・」

「ムクロも結構大変ね。

それじゃ私はそろそろ落ちるわね・・・レポートやらないといけないから。」

「私も落ちるわね。

明日はインできるかわからないけど・・・できたらまた一緒にプレイしましょ!!それじゃ・・・バイバイ。」

アヤカやヴァニス達がログアウトすると・・・ムクロたちも続くようにログアウトし。

ユキシロたちは現状の報告も併せてホームに戻ると言ってポータルで戻って行き。

現実に戻った悠一はベッドに横になって寝ようとすると・・・・


「ん?どうしたんだ??寝られないのか?」

「ううん・・・少しだけ話したいなぁって・・・悠一君は明日学校あるのにごめんね。

眠たかったら切るけど・・・・」

電話は由里からで何かかけてきた訳があると思い、悠一は由里に問いかけると。

由里は近く2人でどこかに遊びに行けないかと言うと。

悠一は遅くならなければ明日にでもどうかと聞き返し・・・・


「うん・・・それじゃ明日の午後だね。

学校帰りに商店街にあるいつもの喫茶店で待ち合わせだね。

悠一君との楽しみにしてるね。

それじゃ悠一君・・・おやすみ。」

「あぁ、お休み・・・由里。」

明日の午後から由里とデートすることが急遽決まり、明日は忙しくなりそうだと感じつつ悠一は目を閉じて眠りにつくいた。


そして翌朝、久々に姉さんの呼び声に起こされると。

たった数日のあいだ聞いていないだけで懐かしさと言うモノを感じつつ。

姉さんの作った朝食を食べて弁当を受け取り学校へ向かうと・・・・


「悠一ィ~おっはよぉ~う。」

「今日もいつも通りね悠一は・・・それとも何かあった?」

「あはは・・・2人ともおはよう。

昨日あれから色々考えて・・・他に良いポイント集めができないか考えてたら少し寝不足になったんだ。」

悠一は苦笑いしながら2人に語ると・・・悠一らしいと少し馬鹿にされた風に言われたが正直自分でも少し考え過ぎたかもしれないと納得すると。

グロリアでの開催されたイベントの話を通学路でも耳にしながら教室に向かうと。

悠一たちの教室でもやはりグロリアのポイント集めで盛り上がっていた。

そんな中、悠一のアバター名であるムクロが教室内で知られているため。

ランキングの中に入っているのを見たクラスメイト達は悠一にどこかいい狩場はないのかと聞き尋ねて来ていた。


「そうだな・・・初級層の砂漠フィールドに中型のモブと大型のモブが現れる場所があるからそこを狙ってみたらいいんじゃないか?

その辺りだとレベル差を気にせずにポイントが集められると思うが・・・問題はやっぱり敵対勢力とのブッキングだろうな・・・」

「そうだよなぁ~相手も同じこと考えてるから仕方ないのかもな。

でも、ありがとな。

よし、それじゃ今日は悠一が教えてくれたフィールドに帰りに俺のうちで潜ってみようぜ。」

「いいなそれ!!悠一はどうかな?来てくれたら嬉しいんだけど・・・・」

「ハイハイ、悠一は皆のもの。

それに拒否権も悠一にあるんだしさ?ねぇ?」

「それに・・・その程度のモブも倒せないのならポイント集め何て夢のまた夢よ。

実力を高めてから悠一に願う事ね。」

コトハの強い言い方に男連中も尻尾を撒いて逃げるようにして席に着くと。

悠一は2人に助かったと言うと。

もっと強く言い返さないと駄目だと悠一も少し注意されていると授業が始まるチャイムが鳴り響き授業が始まった―――――――――

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