第352話 新スキルと鍛錬の成果。

―――――――――――――中級層:森林フィールド


ムクロたちはひとまずスキルがロックされたファムを連れて休憩地点に戻り。

戻る際に狩ったアクロバットリザードの肉をサッと火にかけ。

焼きたてをファムとユキシロたちと食べながら休憩に入った。


「ぬはッ!?主殿!!これは美味いのじゃ!!!」

「だろ??ユリハは見た目がダメで食べれないって言うが・・・実際食べたら美味いんだよな~コレがさ。」

「うん!!私もこれはイケると思うよ!!

あ、今ようやくスキルが使えるようになったよ。

これで次の戦闘でも大丈夫だけど・・・これからどうする??モシャモシャ。」

3人でトカゲ肉を食べながらどうするかと話していると。

レイからチャットが入り。

先程は取り乱して失礼したと言う内容が長々とつづられており。

ムクロはレイに軽くチャットに返信すると、レイは今ムクロたちがどこにいるのか尋ねてきており。

中級層の休憩地点にいることを伝えると、レイはすぐに向かうと返事が返って来ており。

ムクロはそのことを2人に伝えると2人はレイを待つことに賛成と言ってトカゲ肉をモシャモシャと食べていた。


「ぷはぁ~~食べた食べたのじゃ。

にしても数ある休憩場からレイレイはどうやってアタイたちを見つけるのじゃ??」

「ん~きっとレイの事だから片っ端から探して回るんじゃないかな??」

「だろうな。

レイは剛腕装甲で飛行もできるからそれほど時間はかからないだろう。」

「そうです、私はご主人様に求められればすぐにお答えできますよう全力を尽くしますので。

ハイ、お待たせしましたご主人様・・・それに2人も。」

と、噂をしているとムクロの背後からレイが現れ。

PTに加えるとムクロはレイに焼いておいたトカゲ肉を手渡すと。

レイはムクロに感謝してから食べ終えると。

この後はどうするのかという話になり・・・・


「私はある程度の感じが掴めたからいいけど。

ユキシロたちは戦わなくていいの??」

「ぬぅ~主殿アタイも練習をしてもいいじゃろうか?

ファムを見ていたらムズムズして押さえられないのじゃ。」

「ファムの戦いを見ている間ずっと我慢していたからな。

それなら思う存分暴れてこい。」

「ご主人様の掛け声と同時にすごい勢いでミノタウロスに突っ込んでいきましたが・・・・大丈夫でしょうか??」

レイが突っ込むユキシロにボソッと呟くがユキシロは止まることなく前進し。

背後からミノタウロスに渾身の一撃を叩き込み、戦闘が始まった。


「ぐぬぅ・・・この硬さ・・・ファムの槍が通らなかったのも頷けるのじゃ。

よっと・・・・、アタイの身のこなしならば・・・ゲフッ!?」

「ユキシロが攻撃したミノタウロスって・・・複数のグループタイプ??」

「どうやらそうらしいな。

気が付いてなかったユキシロに良いのが決まっていたな・・・・」

「ですね、体力はそこそこ減ってはいますが本人はケロッとしておりますね。」

ユキシロはミノタウロスに吹っ飛ばされつつ空中でくるりと受け身をって着地すると。

奥の茂みからさらに2体のミノタウロスが現れ。

合計3体のミノタウロスを前にムクロは手を貸そうかと問いかけると、ユキシロは大丈夫と言って身構えスキルを発動してミノタウロスの1体にケリを叩き込んで吹っ飛ばしていた。


「さっきのお返しなのじゃ!!!

―――――――――ぶっ飛ぶがいいのじゃ!!!!」

「GRRRRRRRRRRRR!!!!!!!」

「GRRRRRRRRRRR・・・・・」

「GRRRRRRRRRRRRR・・・・・」

ユキシロが弾き飛ばしたミノタウロスは茂みの中に消えると。

他の2体のミノタウロスはそのスキを狙っていたかのように斧を振りかぶってユキシロに攻撃を叩き込むが。

ユキシロはギリギリの所で回避したが、無茶な回避のせいか一部の服が破けていた。


「ぬあぁ!?ユリハに仕立ててもらった服がぁ!

ぬぉ!!許さないのじゃ!!!おのれら!!!

―――――――――――牙狼拳:瞬激!!!」

ユキシロの高速で放たれるスキルにミノタウロスは反応できずに殴り飛ばされ。

もう1体のミノタウロスは何とか斧でガードしていたのだが。


「ならば・・・・コレで粉砕するのみ!!!

―――――――――――牙狼脚:穿牙!!!」

「あの技は初めて見る技だな・・・・しかも斧を貫く貫通力。

ガードブレイク効果付きか。」

「どうやらそのようですね。

私の剛腕装甲でもどれくらい維持できるのやら心配になるくらいでございます。」

「レイの剛腕装甲でも危ういって・・・相当な破壊力って事だよね??

レイもすごく鍛錬してたからその成果が出たんだね。」

ファムは何か思い当たる節があったのか、ニコッと笑うと。

ユキシロはさらに磨きに磨いたスキルでそのミノタウロスにトドメを撃ち込むと。

後方に飛んで行った2体のミノタウロスが戻って来ていた。


「ぬぅ・・・面倒じゃのぉ・・・

じゃがアタイから売ったケンカじゃから仕方ないのぅ。

2体まとめてコレで終わりにしてやるのじゃ!!!

―――――――――牙狼拳:撃滅!!!」

ユキシロの拳にオーラが集まり・・・チャージが始まると。

2体のミノタウロスは互いに走り出しユキシロにタイミングを合わせて斧を振り下ろすが。

ユキシロのチャージもそれと同時に完了し・・・斧を粉砕しながらミノタウロス2体を茂みの奥まで弾き飛ばして消滅させ。

グループモブバトルが終了した。


「ぬへぇ・・・・危なかったのじゃ・・・・ぬわぁ!?ファム!?

どうしたのじゃ??」

「ユキシロすごかったよ!!本当にすごかった!!!」

「お疲れ、それにしても2人とも見ないうちにスキルもレベルアップしてどんどんたくましくなってきてるな。

これなら俺が教える事は何もなさそうだな。」

「そうですね、ですから私の個人レッスンを取り入れてもいいのですよ??

ご主人様??どうしてそっぽを向かれるのですか??

話はまだ終わって・・・・チッ・・・いい所で邪魔が来ました。」

[GRRRRRRRRRRRRRRR!!!!」

ユキシロとファムが一定数のブラックミノタウロスを倒したことによってランダム出現であるボスクラスのミノタウロスハイランダーが現れ。

レイは話の邪魔をされたことに少しイラっとしたのかムクロたちにこのボスは1人でやると言ってムクロたちを下がらせると。

ユキシロとファムはガタガタと震えはじめた。


「2人ともどうしたんだ??何かあったのか??」

「ぬぅ・・・あのレイレイはアタイたちを怒るさに時に見せる怖いヤツなのじゃ。」

「うん・・・あの時のレイはすごくおっかないんだよ?

ユリハが怒るくらいすごいかもしれない・・・・」

2人の言葉にムクロはどう怖いのかとジッとレイの動きを観察していると。


「さぁ、私とご主人様の大切なお話を邪魔した罪は果てしなく重く償えないものですが・・・私が救済して差し上げましょう。

―――――――――――剛腕装甲!!!フルブースト!!!」

「GRRRRRRRRR!?」

レイの剛腕装甲の先制攻撃にミノタウロスハイランダーは今までに感じた事のない威圧に恐れ・・・剛腕装甲の攻撃に対してガードするが。

レイはその行動をすると読んでいたかのようにミノタウロスの武器を掴み。

ギリギリバキバキと鉄の変形する嫌な音を立て、粉々に粉砕すると。

レイはニヤッと笑いながら無防備なミノタウロスに凄まじい連撃を浴びせ続け。

終いにはミノタウロスハイランダーを引き千切り完全消滅させていた。


「ふぅ・・・スッキリしました。

で、ご主人様・・・さっきの続きですが・・・・おや?どうなされました??」

「あはは・・・レイの豪快な戦い方に少しびっくりしただけだ・・・あはは。」

ムクロは2人の言っていた意味を理解すると。

サラサラと消滅していくバラバラになったミノタウロスハイランダーに哀れみの視線を送っていた―――――――――――

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