第324話 謎の白騎士:ゼロ

―――――――――――中級層:火山地帯


レンブに向けられたバハムートの最後の行動と同時に空から何かが降ってきたと思えば、バハムートの顔にはスキルで出現させたのか・・・白い巨剣が突き刺さっており。

完全にバハムートが消滅すると・・・その消滅の光の中から白き鎧を纏ったプレイヤーが現れた―――――――――


「お前が、か――――――――――」

「お前・・・俺の正体を知ってるって事は。

何かしらの関係者って事か・・・・」

「・・・・・・・・・・」

レンブはそっと剣に手をかけるが・・・・・


「やめておいた方がいい。

お前では私には勝てない・・・・忠告はしたぞ??」

「何が忠告だ?お前に言われる筋合いはない・・・・

私は自分が切ろうとした目標は必ず切る・・・それが私の――――――

―――――――ぐはッ!何だ・・・何をされた・・・・ぐふッ・・・・」

「レンブ!!!お前・・・狙ってきたのは俺だろ??どうして他のヤツを狙った??

その恰好から見ても暗殺ギルドじゃないだろうし・・・理由を話してもらおうか。

事によればやるしかないが・・・・」

ムクロは白きプレイヤーに尋ねると・・・プレイヤーは抜いた剣をしまい。

――――――――理由を話し始めた。


「理由か・・・そうだな・・・その者はどちらにせよだろうと思い先に手を出しただけのことだ。

火の粉が飛ぶ前に火の調整はしておくものだろ?

だから・・・・・グッ・・・・プッ・・・・アハハハハハ!!!!

愉快!!!愉快だ!!!黒騎士!!!お前でなければ私に傷を付けることはできまい・・・・本当に愉快なのだが。

今回はこの場に長い出来なくてな・・・・この決着はいずれ。

あと一つだけ、言い忘れていた・・・私の名はのゼロ・・・またどこかで相まみえよう・・・・黒騎士のムクロよ――――――――――」

「おい、待て!!!

・・・消えた・・・・か・・・・何だったんだあの白いヤツは・・・・

それよりも・・・おい、レンブ!!大丈夫か??」

「うるさい・・・・あの程度のダメージ・・・特に問題はない。

だがアレは一体何だったんだ・・・クソッ・・・」

レンブは身に受けた深々とした傷を押さえながら自力で立ち上がり・・・フラフラと身を揺らして歩いていると。

窪んだ地面にに足を取られ、倒れる瞬間・・・ムクロは倒れるレンブの下にクッションとして滑り込むと。

タイミングが良いのか悪いのか・・・デラントたちがその場にやって来ていた。


「ねぇ、ムクロ・・・少しいいかしら??

どうしてそこの狂った剣士と倒れているのかしら???

100文字以内で説明しなさい・・・今すぐ!!!」

「ムクロッち!!!人が心配して来てみたら・・・事もあろうにそんな危ない目つきのレンブとイチャイチャしなくてもいいんじゃいの!?

誘ってくれたら私がイチャイチャの相手になってあげたのに!!!!」

「おい、レンブ?もしも~し・・・こりゃダメだな・・・ダメージで気絶してる。

そう言う事だムクロ・・・責任をもってレンブをラボに届けてやってくれ。

俺はこの件に関する添付用の画像集めと状況をメモしねぇとなんだ。

それに・・・ムクロならレンブが目覚めたとき怒鳴らないと思うからな。

頼んだぜ!!!色男!!!」

と、レンブをデラントに任されたムクロにユキシロたちも集まり・・・アイテムリザルトをチラ見してから始まりの都に戻り、すぐさまラボへレンブを届けると。

キャレットがレンブの容体を伝えてくれた。


「レンブは結構な無茶をした形跡が見られたわ。

負けられない一心だったのか・・・ムクロ君に格好の悪い所を見せたくなかったのか・・・それともレンブ自身の意地なのかはわからないけど。

無事とは言わないけど特異バハムート戦攻略おめでとう。」

「あぁ、あと・・・バハムートを倒した際に妙なプレイヤーが現れたんだ。」

「ぬぅ??妙なプレイヤーとな??

一体それはどんなプレイヤーじゃったのじゃ??」

「私たちがムクロの所に来た時にはレンブと2人だけだったけど・・・・」

「そうですね・・・ご主人様の言いたいことは多少は理解できます。

私のセンサーには私たちと合流する前に数秒間何者かと戦うような動きが計測されております。

もしや、それが・・・ご主人様たちと最後に争ったモノと言う事でございますか??」

レイの言葉にムクロが頷くと・・・キャレットは今の所答えようがないと言って考え込んでいると。

ムクロたちを追ってデラントが戻ってきた。


「よぉムクロ・・・さっきぶりだな。

で、レンブの様子はどうなんだ??」

「あぁ、レンブは気絶が治るまで少し眠っている状態にあるらしい。」

「で、デラント・・・レンブに変わって提出用のファイルの用意はできたのかしら??ん?」

キャレットはデラントからファイルを受け取り。

特異バハムート戦の被害規模と情報のステータスを読み取ると。

戦場で活躍したムクロたちにバハムート戦で感じた事や違和感が無かったか尋ねた。


「私は特に違和感はなかったわ。

特異モブ戦だもの・・・いつもとと感じているから言わなくても理解してくれるわよね?」

「気になったことと言えばダメージを分散する感じのバフを使って負った所じゃの??

あんなスキルを使われたのは初めてなのじゃ。」

「言われてみればそうだね・・・・それに見たこともないバフアイコンだったよね?」

「言われてみればそうです。

基本的に私たちはバフアイコンやデバフアイコンは見れば大体わかる設定になっていますが。

言っていたバフだけが不明扱いでございました。」

「ん??つまりこれって・・・特異モブだけの話じゃないって事???

もっと言うと・・・何かしらの事件に巻き込まれちゃった系的な???」

「どうなんだキャレット??互いに秘密は隠さずに話す約束だろ??

それに・・・今回は謎のプレイヤーまでレンブと俺を襲ったんだ。

何にもないって事はないだろ??」

ムクロたちの追求と推察に・・・キャレットは遮断機能の付いた会議用の機密会議室にムクロたちを入れてカギをかけると。

デラントはムクロたちにファイルを手渡した。


「これを見たらムクロたちも後戻りはできないが・・・本当にいいか??

中を見るのなら覚悟して内容を見てくれ。」

「デラントの言う通り・・・コレは最近発見したで。

ニュースにもメディアにも出回ってもない極秘事項よ。

それに・・・今回もこの何かが起ころうとしていると言う事だけ言っておくわ。」

2人の真剣な顔にムクロはクーリアやエリ達にどうするか相談するが・・・・・


「どうせ何を言っても聞かないんでしょ??

グロリアは俺たちの家みたいなものだ!!とかムクロッち杯と思うしさ。

それに・・・ユリハに1人で言うのは怖いでしょ??だから私たちも同罪になってあげるよ。

今なら一緒に添い寝で手を打ってあげちゃうよ??」

「クーリアずるいわよ?

それなら私も同じく添い寝を希望するわ。

―――――――――――不満はないわよね??」

「何だか大変な事になってまいりましたが・・・私もここまで来た以上どこまでもお供いたします。」

「アタイもなのじゃ!!」

「私もだよ!!!みんなと一緒ならどんな苦難が待ち受けていても何も問題なんてないよ!!」

「よし、わかった・・・・キャレット、それにデラント。

俺たちの意思は固まった。

だから、内容を読ませてもらう。」

ムクロはそう言ってデラントから受け取ったファイルを開き・・・内容に目を通し始めた―――――――――

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