第323話 白き特異バハムート戦:終了
―――――――――――中級層:火山地帯・・・戦闘フィールド内
白いバハムートによって数十名のプレイヤーが消滅し、残ったプレイヤーだけではこの白いバハムートを討伐できるのか不安な空気が流れ―――――――
バックに戻って来ていた数名のプレイヤーが弱気な発言をこぼした時、そのじめっとした気持ちの悪い空気をクーリアが叫んでぶち壊した。
「バカ!!!!みんなバカッ!!!!
ここまで来といてあんな白くて珍しい特異バハムートを目の前にそんな弱気でどうすんのさ!?
倒れて行った仲間の為にもここは力を合わせて戦い抜いて勝たなくちゃいけないところでしょ!!!!
どうなの!?やる気あんのあんたたち!!!!」
「クーリアの言いたい気持ちはわかるわ。
だから少し落ち着きなさい・・・・働き過ぎなのよ。
いい?私たちはまだ負けていないわ。
負けというのは戦う事を諦め、終わりを願った時の事よ。
今のあなたたちはどうなの??勝ちたいと言う意思・・・膝をつかずにまだ立っているのなら。
――――――まだ、近くに頼れる仲間がいるのなら!!!
武器をもって戦う覚悟を奮い立たせて準備なさい!!!」
「フフ・・・2人をここに置いた意味がやっとわかりました・・・ご主人様。
ご主人様はこうなることを読んでこの2人をここに配置したのですね。
――――――――――お見事です。」
戻ってきたプレイヤー達をクーリアとエリ達が鼓舞し・・・1人また1人と目に光が戻り。
再び出る準備をし始めていた。
「エリ嬢にクーリア嬢さすが場数をこなしてるだけはあるな!!!
全員をその気にさせるなんてな。
で、勝算はあるのか??」
「そんなの勝つまで攻撃するしか選択肢はないわ。
あんな見たこともない白いバハムートが現れたのよ?
もはや策がどうとか言う前にやらないと私たちがやられるのは必然よ。」
「えぇ!?私・・・エリがいい作戦を立ててくれると思って言っただけなんだけど・・・マジで突撃すんの??」
エリはクーリアの質問に見たこともないくらいイイ笑顔で返すと・・・クーリアは顔を青ざめながらアイテムの用意をし始め。
レイは場合により負傷者を連れて街へ撤退すると言って、このままこの場で救護しながら残ることになり。
ムクロたちが戦っている間に急いで準備に取り掛かっていた。
「GRRRRRRRRRRRRR!!!!」
「くそッ・・・バハムートにダメージが全く入らねぇ・・・
おい、ルージュ!!デバフはちゃんと機能しているのか???」
「ふ~ん・・・私が働いてないとでも言いたいワケ??
こっちも全力でデバフ貼ってるけど全然効果がないって言うか・・・あのバハムートが白くなった時に着いたバフが何なのかわからないのが問題よ。
きっと・・・アレをどうにかできればこの状況を打開できるかもしれないわね。」
「謎のバフ・・・そうか、そう言う事か。
レンブ・・・あのバフは一定ダメージまで肩代わりする防護バフだ!!!
確か、上級層に同じように白くなるモブがこのバフを使うんだ。」
「フンッ・・・そう言う事か・・・通りでバハムートが私たちを消そうと必死に攻撃をし始めたわけだ。
防護が壊される前に私たちを消す作戦とはな―――――――――」
レンブ達にバフの効果を伝えると・・・それならばとウェルディムたちはバハムートの攻撃を多少食らいながら無理に攻撃を始め―――――――
「GURRRRRRRRRRRRR!!!!!」
「ふ~ん・・・この距離でのブレスか・・・これは私のシールドでも持たないわね。
レンブ、私はお先に失礼するわよ??やる事はや―――――――」
「おいおいルージュ・・・何、先に消えようとしてるんだ?
ルージュの身を犠牲にした盾で生き残るのは俺は御免だ。
だからよ・・・俺が盾になってやるから・・・ルージュはアイツにデケェ一撃を見舞ってやれ!!!」
「ルージュ!!!ウェルディム!!!逃げろ!!!!
―――――――――――ぐぁ・・・・・ッあぁ!!!!」
「ムクロ、何をしている!!!
ヤツらは自身で決めてあぁしているんだ!!!私たちの使命はアレを倒すこと。
それに今我々が倒れれば後方にいるお前の仲間やプレイヤーは無慈悲に消されるだろう。
どう転んでも勝ちたいのならここはアイツたちに任せて移動だ。」
ムクロとレンブは炎に包まれるウェルディムとルージュを置いてブレス範囲のギリギリまで逃げると同時に。
ルージュが放ったのか・・・強烈なスペルがバハムートにヒットするが、その光は次第に小さくなり。
ウェルディムとルージュの消滅が確認され――――――――――
「ムクロ、あの2人の行動は無駄だと思うか?
否ッ!!!見ろ・・・あれがあの2人が作った結果だ!!!」
「ダメージが・・・入ってる・・・のか?
あぁ、わかってる・・・ここまできて嘆きはしない。
2人が作ってくれたチャンスだ・・・全力で行くぞ!!!」
ムクロたちはブレスの跡を駆け出し・・・攻撃をするタイミングを狙ってクーリアたち率いる後方支援組も同時に駆け出し。
前後からの消耗戦が始まった。
「みんな突撃だよ!!!
ムクロッちたちがやっつけちゃう前に私たちがキルしてラストキルボーナスをとっちゃうよ!!!」
「それでこそクーリアね。
さぁ、私たちもスペルとバフで一気に叩くわよ!!!」
「俺たちも燃え尽きるまで全力全開で突っ走るぞ!!!!
―――――――――――――俺様についてこい!!!!」
「フン・・・デラントのヤツ・・・楽しんでいるな。
これは後でキツイ処分をしないとだな。」
「そう言うレンブも楽しんでるよな・・・・グロリアをさ?」
ムクロの問いにレンブは無言で返し、バハムートの攻撃を避けながらスキルを発動してダメージを入れ。
最後の体力バーである赤色のゲージに差し掛かると。
バハムートは空を飛ぼうとしたが―――――――
「うむ、読み通りなのじゃ!!!
ファム!!!作戦通りに翼を叩くのじゃ!!!」
「うん!!!私たちにしかできない・・・不意打ち落下作戦だね!!!!」
ユキシロはダサいネーミングにツッコミを入れながら2人で左右の翼に攻撃して翼を破壊すると、バハムートは宙から落ちて体制を崩し。
起き上がろうとしているタイミングに地上にいたクーリアたち率いる部隊の攻撃が入り体力が消滅した―――――――――
「体力消滅したよね!?ね?ね?したよね!?」
「私たちが消されていないって事はそうなんでしょ・・・・
ふぅ、今回は少し危なかったわね―――――――」
「エリ嬢にクーリア嬢お疲れさん。
いやぁ~レンブとムクロのおかげもあるが。
やっぱり俺は後方で支えた2人にエールを送るぜ!!!
2人がいなけりゃここまでうまく倒せていなかったからなぁ~~~」
「おっしゃ!!!勝ったぞ!!!!特異モブがなんぼのもんじゃ!!!」
「これならまだまだやれそうだな!!!アッハッハッハ!!!」
「でも、負傷した仲間も散ってったフレンドもいるからいい事だけじゃないけど。
―――――――――この達成感は最高だね・・・・」
「皆、はしゃいでいるな・・・私はこれでも任務でお前達プレイヤーのサポートをしたまで。
特段このバハムートを倒して楽しかったとも特に何も感じてはいない。」
「本当にそうか??なら・・・どうしてレンブは笑ってるんだ???」
レンブは自分の表情が笑っているとも知らずにムクロに語ると。
自分でもわからないとだけ言って消えゆく白いバハムートを見ていると――――
「―――――――――なッ!?レンブ!!!!下がれッ!!!!!!」
「――――――――――ッ!!!!!!!!」
バハムートはぐるりと口を開きレンブに向けて最後のブレス攻撃を放とうとした時・・・・・何かが空から降ってきた――――――――――
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