第321話 天に現れる虹彩の玉

―――――――――――――中級層:火山地帯・・・戦闘フィールド内


エリはある程度声の届く範囲まで移動してくると。

無闇に突っ込んでいくプレイヤー達に戻らなければ消滅するだけだと・・・エリが伝えると極一部のプレイヤーはそのまま突撃し・・・残った大半は冷静になったのか引き返してきた。


「クソ!!!どうしたらいいんだよ!!!

そこのモフモフした魔導士さんよ~どうすりゃいいんだ??

引き返させたんだ・・・何かいい作戦があるんだろうな??」

「そうだぜ?消えてった仲間の形も取らねぇといけねぇんだ!!!

やっぱ・・・このまま突撃して――――――――」

「お前たちはバカなのか??それとも死にたがりのゴミムシか??

このプレイヤーがせっかくお前たちの命を救ったと思いきや・・・呆れてバラしたくなる―――――――」

「レンブ・・・それはちと言い過ぎなんじゃないか??

エリ嬢ちゃんナイス引き返し作戦だった!!

それに比べてレンブはあのバハムートに興味津々でさ・・・なんかいい作戦考えてくんねぇか??

レンブの事だからさ?多分無茶すると俺は思うんだわ?」

「あのさ??そのレンブだけど・・・・走って突っ込んじゃってるけどいいの??」

「きっとレンブはバハムートを自信に惹き付けて俺たちの後方からの攻撃を狙っているんだろう。

その後方攻撃の指揮をエリとデラント達に任せる。

俺はレンブに協力してヤツの注意を惹きつつ攻撃する!!!

――――――――――クイックシフト・・・・」

「ご、ご主人様!!!くッ・・・これでは私がご主人様を守りに来た理由がわからないですね。

ですが・・・コレはきっと・・・他のプレイヤーを守れと言うご主人様からの命令・・・はい、ご主人様。

私はご主人様の命令通りにここにいるプレイヤーをある程度守って見せます!!」

「んん??レイレイ・・・ある程度守るとか言わなかったかのぉ??

じゃが・・・本当に後方攻撃部隊を編成するのがいいかもしれないのじゃ。

あの巨体ならば相当な体力があると思うのじゃ・・・・」

「うん・・・すごいプレッシャーだからね・・・あのウロボロスよりも嫌な感じがするよ。」

フェム達はバハムートがレンブ達を追い始めたのを確認すると・・・プレイヤー達にこれからバハムートが背を向けたと同時に3重防護スペルを展開しつつ移動し。

後方からの攻撃を説明すると。

スペルを使える後方支援型のプレイヤーをできるだけかき集め。

スペルの複合を行い始め・・・デラントは男のプレイヤー達に女にだけいい格好させていいのかと鼓舞して士気を高めると。

バハムートの方で激しい爆炎が上がった―――――――――


「ぐッ・・・・凄まじいほどの火炎・・・と破壊力だ・・・・

直撃はマズイな・・・で、ムクロ・・・どうして私の背後を付けてきている?」

「バレたか?

いや・・・レンブだけじゃ大変だろうと思ってな。

あとさ・・・エリ達をキツイ言葉から守ってくれたお返しといった所だ。

で、これからどうするんだ??このまま逃げ続けるのか??

それとも・・・いや・・・レンブなら後者だろ??」

ムクロはニヤニヤしながら後者と尋ねると・・・・レンブは立ち止まりバハムートと対峙すると。

―――――――――刀を構えて突撃した。


「ハッ!!!いいだろう・・・だが、挑発したのはムクロだ・・・お前も付いてこい!!!

その腕があれば何とか私の手伝いくらいはできるだろ!!!」

「すげぇ言われようだな・・・まぁ、サポートしろって言うのならしてやるよ。

――――――――――ハァァッ!!!ハァァァ!!!ゼイアァァァ!!!」

ムクロとレンブはバハムートのブレス攻撃を避けながら進み・・・バハムートに攻撃をヒットさせると、再び移動して機会をうかがうと・・・・・


「よし、今がチャンスよ!!!

―――――――――――防護スペルを展開しながら前進開始!!!」

「了解だ!!!エリ嬢!!!

聞いたかお前達!!!援護はエリ嬢たちに任せて俺たちは全力でアタックだ!!!」

「こうなったらお前たちにすべてを託す。

こんな異常なモブ相手にセオリープレイはできそうにないからな・・・」

「それは同感だ・・・だが、あの2人は本当に俺たちと同じプレイヤーなのか??

あんな最前線でバハムートと対等に戦っているとか・・・・」

「さぁ・・・じゃんじゃん魔法障壁展開するよ!!!

―――――――――――グロリアスシールド!!!」

「わかりました!!!

―――――――クリティカルシールド!!!」

「―――――――アンチシールド!!!」

バックではクーリアたちがシールドを展開させつつ前衛と距離を開けながら移動していると。

すぐ目の前にはバハムートと戦う2人の姿が見えていた。


「ゼイアァァアァァ!!!!!」

「やっと来たか・・・思っていたよりも編成は早く済ませたようだな。

フフ・・・ムクロの仲間も大した球と言う事か・・・・」

「それじゃ、全員・・・死なない程度で身を粉にして戦いなさい。

――――――――――――攻撃開始!!!!」

「うぉぉぉぉ!!!やってやんぜ!!!」

「女神からの依頼だ・・・ここでやらねぇといつやるんだってんだ!!!」

「アタイたちも・・・・行くのじゃ!!!」

「うん!!!レイ!!!クーリア!!!頑張ろうね!!!」

「私はご主人様からの命令を実行するのみ・・・・

ですから・・・言われた通りに全力で攻撃致します。」

「そんじゃ・・・みんなにバフを盛って盛って私も援護攻撃しちゃうよ!!!

――――――――マルチアップステータス!!!からの!!!

―――――――――――――フリーズトライデント!!!」

「私たちも援護魔法を発射よ!!!」

そう言って支援部隊と攻撃部隊は行動を開始し、バハムートは突撃してきたプレイヤーに向けてブレス攻撃を放つが・・・


「へッ!!!そんなヘナチョコブレスじゃ・・・」

「俺たちは・・・・・」

「やれねぇよ!!!!

エリ嬢!!!作戦は今のところ順調に動いてるがこの後はどうするんだ??」

「ある程度攻撃をしてダメージを入れたらきっとヤツは・・・・・

アレを仕掛けてくるわよ・・・・」

「アレ?アレとは一体何のことだ??私たちも聞かされていたい情報だが・・・・

ハッタリでもなさそうだが・・・・」

「あぁ、レンブはバハムート戦初めてだったのか。

だったら仕方ないな・・・・エリの言っているアレは。

ボスモブにある特有の固有スキル・・・・つまりだ―――――」

「じゃが・・・・その前にできる限り叩かせてもらうのじゃ!!!

―――――――――――牙狼拳・・・撃砕!!!!」

「うん!!!私も全力でやるよ!!!

――――――――ブレイクランス!!!!」

「うげげ・・・あれって・・・見た事ない光なんだけど!?

アレがエリの言ってたアレの正体!?」

クーリアがふと違和感があった空を見上げると・・・虹色に輝く火の玉が空で少しずつ大きくなっており。

バハムートのスキルがチャージされている可能性があると感じたエリはすぐさま全員を交代するように指示すると。

デラントたちは異変を察し、すぐに後退を開始し・・・空を見上げると。

想像もしない状況と光景に声が出ずにいた。


「くッ・・・あのようなスキル如きで私が止まると思ったか!!!

このままギリギリまで攻撃を続けるぞ!!!

――――――――――瞬斬スンザン!!!」

「あぁ・・・だが、限界が来たら無理にでも引っ張って安全を確保するからな。

――――――――――ブレイブダンス!!!!」

ムクロたちは発動ギリギリになるまで攻撃を続けることにして・・・スキルをバハムートにヒットさせた時点で体力バーが青から緑に変わったところで異変が起き始めていた―――――――――――

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