第314話 2人の連泊作戦
―――――――――――――――自宅:台所
2人はテキパキと慣れた手つきで調理を進め、耀子はテンションが高くなってきたのか鼻歌混じりで調理をしていると。
コトハが悠一にお風呂の準備をするように言うと。
悠一は風呂の準備を済ませて戻ってくると・・・・2人で作業を分けていただけ早く出来上がっており。
テーブルには夕食が並べられており。
食べるまで早いと言う事で、その間・・・学校で出た宿題をすることになった。
「ぶ~ぶ~せっかく私服で来たんだから何かして遊ぼうよ~~~」
「ダメよ、ちゃんと宿題をしないと悠一にも涼孤さんにも迷惑をかけるでしょ。
それに・・・赤点になったら夏休みが短くなっちゃうわよ??
先生が言ってたでしょ?赤点の生徒は補修で休みが短くなって。」
「高校の怖い所だな・・・俺も頑張らないとな―――――――」
悠一は自分の宿題をせっせと解いていく中・・・・耀子がちょくちょくプリントを覗く様子を見ていたコトハは悠一と耀子の間に座り。
邪魔をしつつ宿題の解き方を教え―――――――
1時間後・・・・・
「ふぅ~~やっと終わったぁ~~~学校の宿題が面倒で本当に嫌になっちゃうよ~~」
「でも、ちゃんと点数を取らないと・・・悠一と同じ大学に進学できないかもしれないわよ??」
「え?俺・・・まだどうしようか悩んでいるんだけど・・・・
コトハは進学する予定なのか??」
悠一はコトハに進学するのかと尋ねると・・・悠一次第と言って、耀子は耀子で何かに目覚めたかのように勉強を頑張ると言い出し。
熱く燃え始めた所で時間がいい感じになったところで夕食をすることになった。
「それじゃ、いただきます・・・・」
「いただきま~す。
あ、コトハの作ったサバ美味しい!!!
これならいつでもお嫁に行けちゃうんじゃないの??」
「そ、そうかしら??悠一の口には合うかしら??
その・・・悠一の口に合うように考えてみたのだけれど・・・・」
コトハの質問に「美味しい」と言い返すと・・・コトハは喜びながらサバを食べ始め。
耀子は自分が作ったみそ汁を呑んで欲しいと言って早く飲むように進め。
悠一は忙しそうにサバを食べながらみそ汁を呑むとこれはこれで美味しく。
耀子にも「美味しい」と言うと。
2人は気になっている・・・どちらの方が美味しかったのか難しい質問を投げかけてきた。
「さぁ・・・運命の分かれ道よ・・・どっちが美味しかったのかしら??」
「遠慮なく私って言ってもいいんだよ!!!
そりゃ・・・涼孤さんや由里には負けるかもだけど・・・コトハになら僅差くらいで当てると思うんだよね!!!」
「ん~俺はどれも好きな味で選びようがないんだが・・・・
そうだな・・・2つ揃って食べるのが一番美味しいって言ったら怒るか??」
悠一は素直に言うと・・・2人はため息とともに悠一ならそう言うだろうと言って食事を再開し。
今回も引き分けと言っておとなしくなっていた。
「あぁ~~食べた食べた・・・ゴチゴチ~」
「食べたらすぐに洗うわよ。
油は固まると撮るのが面倒なんだから。」
「それじゃ、俺も手伝うかな。」
悠一はコトハの皿洗いに協力していると・・・後ろからシャッター音が聞こえ・・・
「こうしたら・・・面白いんじゃないかな??
よし!!!送信ッっと!!!」
「悠一ありがとう、助かったわ。」
「それはこっちのセリフ・・・ん?
由里から電話??
―――――――――もしもし??」
「悠一君・・・今コトハちゃんと何してたのかなぁ??
私宛にこんな画像が来たんだけど・・・・」
隣にいる姉さんの顔が引きつっており・・・言葉も出ないと言う顔で。
由里の貼りだした画像を見ると。
悠一とコトハが仲良く皿を洗っている風景が移されており・・・・犯人は一人しかおらず。
コトハは問答無用で耀子を捕え、問いただしていた。
「で、どうしてこんな面倒ないたずらをしたのか言いなさい。
さもないと・・・・ヒドイわよ?」
「ヒッ!?
そ、その・・・・同棲生活初日のような初々しさがそこにあったから・・・つい・・・悪気はなかったんだよ!?ついつい出来心で――――――」
「って、言ってる・・・本当は晩御飯を作ってもらってさ。
2人で皿を洗っていただけなんだ。
で・・・2人はハワイ楽しんでいるのか??」
「悠一君がそう言うのなら信じるしかないけど・・・
うん、こっちは涼孤さんと楽しくしてるよ。
今は大体時差で午後22時だけど・・・明日には今日下見したビーチで泳いだりするんだよ。
涼孤さんが早く悠一君に会いたいって・・・あ!ごめんなさい!!あははは。
でも、本当の事を・・・・」
「悠一!!さっきの事は本当だが・・・その・・・えっと・・・忘れてくれ!!!
さぁ由里!!今日は早く寝て明日存分にビーチと買い物を楽しもう!!」
そう言って姉さんは画面から消え・・・由里は悠一と少し話してから通話を切ると。
コトハは耀子から画像をもらってニヤリとしながら・・・・
「コホン・・・いい?次にこんなことをしたらただじゃ済まさないわよ?」
「サーイエッサーであります!!!
で、これからどうする??
と、言っても明日は土曜で休みじゃん??」
「そうだが・・・もしかして・・・止まる気か??」
悠一は嫌な想像をしながら尋ねると・・・2人はゆっくりと頷き。
ダメだったら帰るといい・・・妙に寂しそうな表情を浮かべると。
美味しい夕食を振舞ってくれた2人に荷物をまとめて出て行けとは言いだせず。
このリビングで客用の布団を敷いて寝るのであれば問題ないと言うと――――――
「OKOK全然大丈夫だよ!!!
うぇへへ・・・作戦成功ですなぁ~コトハ殿ぉ~~」
「コラ、私をゲスな笑みを浮かべる耀子と一緒にしないでくれるかしら??
私はどっちでも良かったのだけれど。
悠一がOKを出してくれたのなら帰るのも悪いし泊って行くことにするわ。
家の事や兄さんの件については安心して。
友達の家に連泊するって連絡しておいたから。」
「え?連泊??
俺は今日だけだと思っていたんだが・・・・いつまで泊まるつもりなんだ??」
悠一は恐る恐る2人に尋ねると・・・ニヤリと耀子が笑い。
由里達がハワイから戻る前日までと言うと・・・悠一はさすがに頭が痛くなり。
着替えや学校の教材はどうするのかと尋ねると。
その都度家に取りに帰るとコトハが言うに対し。
コトハは置き勉していると胸を張って言うと・・・2人の言い方からして本当に連泊するつもりで。
今日からより一層騒がしくなりそうだと感じながら・・・悠一は2人に言われるがまま風呂に入った。
「はぁ~いい湯だった・・・2人も風呂に入って来たらどうだ???」
「あ、うん・・・悠一って・・・お風呂上りはTシャツ派なんだね。
へぇ・・・そうなんだ・・・」
「それじゃ、別々に別れて入るのはガス代が高くなると思うから一緒に入るわよ。」
コトハは耀子にそう言うと・・・そればっかりは負担をかけられないと抗議せずにお風呂場に消えて行き。
悠一は自分の部屋に戻ってブロッサムを起動すると・・・
「由里からスクショがこんなに・・・・楽しそうでよかったよかった―――――」
由里から届いていた写真は・・・日本とは違う綺麗な風景で。
海も日本とは比べ物にならない程に綺麗で青々と透き通っていた。
そして、画像を見終わると・・・1階のリビングで2人が騒ぐ声が聞こえ。
降りて見てみると・・・・
「ほら、ちゃんと髪の毛を乾かさないと髪が痛むわよ??」
「へいへい・・・それじゃ、そのドライヤー貸してよ。
私もぶわ~~ってするから。」
「なんだか賑やかだな・・・いつもは姉さんと2人だけの生活で。
客人が来て泊って行くって言うのもなかったから・・・新鮮だな。」
2人は悠一に笑みで返すと・・・これからどうするのか尋ね。
悠一はいつも通りにグロリアにログインすると言うと。
2人は了解し後で追いかけるから先に入っていて欲しいと言うと、悠一は再び自分の部屋に戻ってグロリアログインした―――――――――――
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