第285話 耀子の要望と真意

――――――――――――――――古びた城跡フィールド


ムクロたちがデーモンに駆け出すと・・・デーモンはスキルを発動し、黒々と光りを増した剣で黒い斬撃を飛ばしてきていたが、ムクロの経験上での予測範囲内の動きで黒い斬撃をムクロのスキルで相殺すると。

ミストたちもスキルを発動しデーモンに攻撃を叩き込んだ。


「スキルを入れてもデーモンのバフで軽減されるか・・・

昔、戦っていた時に使っていたバフ効果の上位版か・・・・ハァッ!!!

だが・・・体力はある程度まで減ってきたな。

――――――――後は無茶をせずに行けば何とかなる。」

「あぁ・・・了解だ!!!ハァァァ!!!

――――――――――アークブレイク!!!」ぐぅッ・・・外れたか。」

「みんな!!!デーモンの斬撃がまた来るよ!!!気をつけ・・・・」

「ヒャッホーーーアタイもまだまだこれからなのじゃ!!!

そんな斬撃を撃つ前にこれを喰らうのじゃ!!!

吹っ飛べぃ!!!オリャァァァ!!!」

「ユキシロやるぅ~~私も、疲れは取れたから頑張っちゃうよ!!!

――――――――――緋炎!!!ハァッ!!!」

クーリアの援護もあり、全員で連携を取りながらスキルを叩き込み体力バーを減らすと。

最後のデーモンとの戦いが終わり、レアモブボーナスと報酬リザルトが現れ。

そのリザルトの内容を見て、ミストは素材が揃ったと言って皆に感謝をすると・・・ムクロたちと共にホームに戻って行った。


「よし、これで新しい装備が作れる。

早速ガヘリスの所で注文してくるから・・・私はその足でログアウトするよ。

今日はありがとう・・・みんな。」

「いいよいいよ、たまにはハードな戦いも必要だし??

ねぇ?ムクロッち~」

「最近のモブは弱いのが多かったからな。

久々にいい運動になった気がするな。

だが・・・なんか物足りない感じだな・・・あはは。」

「えぇ!?あれだけの数を相手にして倒しといてまだ足りないの!?

ムクロってば本当にすごいね・・・私なんて飛んでただけに近いのに疲れちゃったよ~それに何だか眠たい~ふわぁぁ~~」

「アタイも何だか目がしょぼしょぼするのじゃ~~」

「私は最終的に手を出さずに見ているだけでしたが・・・・ご主人様の戦いはやはり迫力があり、いつまでも見れるといった―――――――

こほん、私の感想はこれくらいにしておいて・・・・2人とも、そんな所で寝たら風邪を引きますよ。

すみませんが、ご主人様・・・手を貸してもらえませんか??」

ミストが部屋から出て行くと・・・レイと共にクーリアたちをベッドに運び、寝かしつけると。

クーリアの待つソファーに座り、レイは口が寂しいと言って紅茶を淹れてやってきた。


「ご主人様にクーリア・・・紅茶をどうぞ。」

「あぁ、ありがとう・・・・アチチ。」

「ん~レイの紅茶は和むなぁ~~~~ふへぇ~~」

紅茶を飲んでゆったりしていると・・・時間が12時を指し、そろそろ寝るかとムクロが呟くと。

クーリアが明日の予定を聞いてきた。


「あのさ・・・良かったらなんだけどさ・・・・ど、どうせムクロッちは明日暇でしょ??だったらこのクーリアちゃんとリアルで遊ばない??

特に何かしたいって言う事でもないんだけどさ??どう・・・かな??」

「あぁ・・・構わないが・・・・本当に何をするんだ??」

「ジーーーーーーーーーーー」

無言で見つめるレイの目を気にしつつクーリアに尋ねると。

クーリアは明日の気分で決めるとだけ言ってレイから逃げるようにログアウトして消えると・・・


「ご主人様は本当に見境がないですね・・・私がいるのにもかかわらずデートの予約を入れるとは・・・・ですが、決まった以上無下にするのもまた許されざる行為ですので。

ご主人様はクーリアを満足させるべきかと思います・・・では、私もこれで休ませていただきます。

明日の結果はクーリアから聞くので話さなくても心配はいりませんので。

では、ご主人様お休みなさいませ。」

「あはは・・・おやすみ。」

レイは何だかツンツンとしながら部屋に消えていくと・・・ムクロもログアウトし、明日に備えて寝ることにした。


翌日、耀子に朝からブロッサムで起こされ・・・緊急事態とかで耀子の家に呼びつけられ。

呼び鈴を鳴らすと、耀子が玄関から出て来たと思いきや・・・急に耀子の部屋に連れ込まれ―――――――


「ねぇ、パソコンが急におかしくなっちゃったんだけどさ???

ちょっと見てくんないかな??悠一はパソコンが得意なんでしょ??」

「わかった、ちょっと画面を開いてみるか。

あぁ~このツールがフリーズしてるのか・・・それならこれをこうして・・・・

耀子、再起動だ。」

手順通りにシステムを動かし・・・耀子にパソコンの電源を落とさせ、再起動をかけると。

耀子の使っていたツールが動くようになっていた。


「さっすが悠一だね~あと、パソコンの性能をよくしたいんだけど何をすればいいの??

私、グロリアじゃ情報通だけど現実だと興味あるものとないコトにズボラでさ?

パソコンなんて全然だから・・・教えてくれると助かるなって。

で、どうにか良くなりそう??」

「そうだな・・・これならコレとコレを変えればもっと性能は良くなると思う。

あとは・・・これを交換すれば早くなるけど高いんだよなぁ~」

悠一が独り言のように呟くと・・・耀子は見慣れない悠一の一面を見てクスクスと笑い用意をするからと言って部屋から追い出されてしまった。


そして、耀子の支度が済むと・・・悠一と共にパソコンパーツ専門店に向かい・・・手軽に買える値段で性能がいいパーツを買うと、再び耀子の家に戻り。

交換を開始した。


「へぇ~それってそうやって付けるんだ・・・・

この板は・・・メモリー?だっけ??これをどこに刺すの??」

「あぁ・・・それはそこにあるのを取ってからこうやって入れ替えるんだ。

自分でやってみるか??」

悠一は刺さっているメモリーの取り外し方と付け方を教えると・・・耀子は悠一の見よう見まねで取り換えに成功すると。


「どう!これでも情報を知ればすぐ自分のモノにできちゃう耀子ちゃんだよ!!

グロリアだけじゃないって言うのがわかってもらえたかな??」

「だったら勉強も大丈夫そうだな??

俺やコトハから宿題のコピーとか家での宿題をすることもしなくていいんだな??」

悠一の意地悪にマジな顔で耀子は怒り・・・ポカポカと悠一を殴りつけ。

交換が終わったパソコンの起動確認をすると。

今まで以上に立ち上がりと動きの良さに耀子自身も驚いて喜んでいた。


「で、今日はパソコンで呼ばれたのならコレで帰るけど・・・・・

ん?どうしたんだ??」

悠一が立ち上がって帰ろうとした時・・・耀子は悠一の袖を掴んで返そうとせず。


「ちょっ・・・ちょっとくらいゆっくりして帰ってもいいじゃん!?

ね?ほら・・・えっと・・・オセロとかあるよ??」

「このデジタルオセロがある時代にアナログなオセロか???

でも、耀子がしたいのなら相手になってやるけど・・・・」

耀子は悠一を引き留めるためにオセロや色んなゲームで足止めし・・・


「あ~もうお昼だね・・・えっと・・・その・・・外に食べに行かない??」

「今度は食事か耀子は本当に気ままだな。」

無駄な言葉が多いとポカポカと殴られながら耀子と商店街を歩き・・・イタリアンの店に入って食事をしていると。

耀子は悠一に今度はカラオケに行かないかと強引に誘うと・・・悠一は嫌と言う事なく耀子と共にカラオケに入り数時間熱唱して出てきた。


「それじゃ、今日はコレで解散でいいか??」

「ん~悠一って・・・由里じゃないとすぐに帰ろうとしてない??

私だって・・・私だって悠一ともっと遊びたいのに・・・もぅ・・・わかった。

後はグロリアで・・・それじゃ、バイバイ。」

何だか耀子の気を悪くさせた風な別れ方をして家に帰ると・・・・ブロッサムに耀子からメールが着ており――――――


そこには、さっきは言い過ぎたと書かれており。

悠一はこっちも悪いことをしたと謝罪のメールを送ると・・・耀子は気にしなくていいと絵文字付きで返信が返って来ていた。


―――――――――――――――――自宅

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る