第276話 ガヘリスにしか頼めないコト
―――――――――――――クリムゾンケイブ
ユリハ達と合流すると・・・ユリハ達は皆が口を揃えて謝り、今回のクエストの内容とどうして秘密にしてこなければならなかったのかを理由を聞くと・・・・
ヴァニスが持って来たイベントクエストでしか作れないアクセサリーがあると言う事でユリハ達とチャットをした結果・・・ムクロとレイにだけ秘密にして特定の女性メンバーだけで作ることになったのが今回の原因であった。
「そう言う事ならひとこと言ってくれれば良かったんだが・・・」
「そ、そんなの言えるわけないよ!だって・・・その・・・」
「ユリハ、落ち着いて!まだ作戦は終わってないわ!!
まだ街に戻ってからが本番よ!!!デザインとか考えないといけないし。」
「ヴァニスはこんなことになってもタフというか根性あるな・・・」
「じゃが、アタイたちと主殿の頑張りを無駄にしないようにするには作成せねば意味がないと思うのじゃが??」
「うん、ユキシロの言う通りだよ。
皆でガヘリスの工房へ行って作ろうよ!!」
ファムたちが勢いに乗ってムクロの腕を引っ張って町はずれにあるガヘリスの工房へ向かうと・・・・
「アッチィ~~なッ!?む、むむむムクロォ!?
入る時くらいノックしろよなぁ~~で、何のよ―――――――――」
「わ、悪かった・・・いや、ユリハ達に先に入れって言われてだな・・・・外で待ってるから――――――」
「ムクロ君どうしたの?・・・・・・中にガヘリスさんはいたの??へ??
・・・さぁ~て、ムクロ君ちょっといいかな??
ガヘリスさんの裸を見た??どうなの??」
「ユリハ・・・それだとムクロッちが話せないと思うよ!?
少し落ち着いて、そのムクロッちの襟首から手をはなして!!
・・・・えっと、ムクロッちはあのガヘリスの姿をのぞき見ウォッチンした??」
「それが事実ならば私は実の姉として情けないぞ・・・・」
外でごちゃごちゃと話していると・・・中にいたガヘリスが着替えてやってきた。
「いやぁ~~悪かったね。
私の綺麗でもない体を見せてさ・・・まぁ、少し驚いただけど。
気にしてないから入んな。」
ガヘリスは何とも感じていない様子でムクロたちを工房の中に入れた。
「で、ムクロ君・・・ガヘリスさんに何か言う事があるんじゃない??」
「えっと・・・その、ガヘリス・・・急に入ったりしてすまなかった。」
「私からも詫びよう・・・ムクロが変な真似をしてすまなかった。
この通りだ・・・」
「いや、だから・・・私は大丈夫だから!
そんなどうでもいい話をしに来たんじゃないだろ??
で・・・ここに来た要件は何だい??
あと・・・ムクロ、その剣をちょいと見せてみ。」
ガヘリスは用件を聞く前にムクロから剣を受け取って確認すると・・・・
「うんうん、いつ見てもいい剣だ。
それに・・・結構ハデに戦ったね。
この辺とか少し鈍ってるな・・・よし、ちょっと待ってなよ。
私が特別にメンテしてやるよ。」
「あぁ、助かる。」
「私もこの剣をガヘリスさんに見てもらおうかな・・・アヤカの機材で調整はしてるけど何だか不安なんだよね。」
ユリハの言葉にミストやクーリアも武器を見直し・・・ガヘリスが戻ってくると同時に武器のメンテを依頼した。
「ちょ、わかったから・・・その、先ずはムクロに話をさせてくれ。
ムクロの剣のメンテは完了したからこれは返しておく。
今回の私の裸を見た件についてだが・・・その・・・チャラにするかわりにさ?
また、クエストで面白い素材があったら私にくれないか??
最近、素材不足もあって中々いい剣が作れなくてね・・・ダメか??」
「それならこの前レイド戦でドロップした竜神の王玉はどうだ??
俺にはこの剣があるし・・・必要のないモノだからな。」
後ろでユリハ達が怪しく睨みつける中、ガヘリスとコソコソと交渉すると・・・・
「え!?マジ!?あんな伝説クラスの素材をくれんのか!?
えっと・・・私の裸だと不釣り合いだと思うけど・・・・」
「いや、俺が悪いんだし受け取ってくれるとありがたい。
それに、ガヘリスにはこれからも頼りにさせてもらうかもしれないしな。」
「で?2人とも・・・いつまでこそこそと秘密の話をしてるの??」
しびれを切らしたユリハがやって来ると・・・ガヘリスはあまりの嬉しさに表現しきれずにムクロを抱きしめ。
ユリハの顔を見たムクロは必死にガヘリスから離れようとしたが間に合わず・・・
「いてぇ・・・まだ顔がジンジンする―――――」
「ムクロッち大丈夫???
片方の顔がパンパンだよ・・・回復してあげよっか?」
「ふふ、ガヘリスと抱き合ってたのを見られたのが運の尽きだったわね。
だけど、逆に叩かれた程度で済んで良かったのじゃない?
もし、ユリハが完全に怒ったら・・・今頃地獄絵図よ?」
「それじゃメンテしてくるから少し待っててくれ。
工房の物を勝手に触ったり配置を変えたりしないでくれよ??」
「わかったわ・・・ッて!!言ってる傍からユキシロは何を遊んでるの!
ガヘリスが言ってたでしょ!!モノを触るなって・・・あぁ・・・そんな所をぴょんぴょんしないでよ~~」
「ユキシロ、ヴァニスの言う事もちゃんと聞かないと駄目だろ?
ホラ・・・そこから降りてコレでも食べるといい。」
「なぬ!?ミストのそれはおもちではないか!?
食べる食べるのじゃ!!!」
「い~な~私もお腹がペコになっちゃったよ・・・
ユキシロだけいいなぁ~~~ジーーーーーーー」
ユキシロのおもちから目線を外そうとしないファムに勝てないと踏んだユキシロは、ファムに半分ちぎって与えると・・・ファムはにこにこしながらユキシロとおもちをハムハムと食べて待っていると。
少しやり過ぎたを感じたユリハがムクロの方にやってきた。
「ねぇ、ムクロ君・・・大丈夫??」
「あぁ・・・クーリアが回復魔法をかけてくれたからマシになった。
ユリハの手は大丈夫なのか??あれだけ強く叩いたら痛くなかったか?」
「また2人のラブラブシーンだよ・・・手を触ったりしちゃって~~もぅ!!!
ダメダメ!!!そこの2人くっ付き過ぎだよ!!!まったくもぅ。
ガヘリスの工房って事を忘れたらだめだよ!!」
ユリハとムクロの間にクーリアが入って距離を取らせると・・・・ガヘリスがいい顔をして武器をもってやってきた。
「はいよ、おまっとさん・・・武器はここに置いておいたから自分たちで取って行ってくれ。
で、ここに来た理由はこのメンテをしに来ただけなのか??」
「違います!!私たち・・・さっきのクエストでとあるアイテムを集めて持って来たのので作成しようと思ってここに来たんです。
街の工房よりも信頼できて質がいいガヘリスさんにしか頼めない事なんです。」
「うんうん、コレばっかりはミスして欲しくない事だからね。」
「あと、ムクロは外で待っていてくれるかしら???」
「え、あぁ・・・わかった。
皆が何をしようとしているのかわからないが・・・ここに来たって事はそれだけ重要なアイテムの製作だと思うし。
呼ばれるまで外で待ってるかな―――――――」
エリ達の事を考え、ムクロはガヘリスの工房の外に出ると・・・ユリハ達はガヘリスに集めた素材と作るモノを見せると、ガヘリスも真剣な顔でユリハ達の意見を聞いて素材を受け取って奥の工房へと入って行った。
「それにしてもユリハ達は一体何を作ろうとしてるんだ??
まぁ、それは呼ばれたらわかる・・・か。
にしても・・・この時間を一体何をして待つかだが――――――
ん?アレは・・・モブが何かと戦っているのか??」
ムクロは街のすぐ近くでモブを呼び寄せるアイテムを使って戦っているプレイヤーがいることに気付き、見学のつもりで見に行くのであった―――――――
――――――――――――街はずれのフィールド
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