第262話 フェジットに隠された真実・・・
――――――――――――――ロシアサーバー:ギルドハウス前
ギルドハウスから出てきたプレイヤーは見慣れない俺たちを見つけると・・・こちらに近づいてきた。
「お前達・・・この辺りじゃ見かけないプレイヤーだが・・・日本のプレイヤーか??」
「そ、そうだけど何なの??あんた達には関係ないじゃん!!!」
「ちょっとクーリア・・・そんな言い方をしたら駄目だよ・・・すみません。
私たち、ここのギルドマスターであるヴィーチェさんに用があってここまで来たんです。」
「なんだぁなんだぁ?ギルドマスターに面会??加入希望者か??・・・なら、まずは先輩の俺たちに酒の一杯でも注いでくれよ??なぁ??」
「そうそう・・・にしても・・・へぇ、よく見りゃイケてる女ばかりだな・・・そこの怖いツラした姉ちゃんこっちに来いよ―――――」
「さぁ、その手を引っ込めてもらおうか??私たちはギルドマスターに会いに来ただけで・・・仲間になる気は毛頭ない。
その、手を下げなければ腕を切り落とすが・・・いいか??」
ミストは剣に手を伸ばして威嚇すると・・・ギルドハウスからフェジットが現れ・・・・
「ガンヘルさん!!!ベレェールさん!!それに・・・リグゥさんまで!!!この方たちは日本からわざわざヴィーチェが招いた方たちですよ!?
何かあっても、私は知りませんからね!!!」
「な、オイオイ・・・マジかよ・・・・遠路はるばるようこそと言いたいが、フェジット・・・どうしてこうなったかって言ったらフェジットが酒を注いでくれねぇから悪いんだぞ??」
「そうそう!!俺たちはフェジットよりも可愛い子たちと話していただけだって・・・なぁ?」
「おい、お前・・・フェジットの顔!!!顔ッ!?」
フェジットは男たちの発言で顔が固まり・・・ニコッと笑いながらフェジットはショットガンを天に向けて発砲し、穏やかに聞き直した。
「えっと・・・私が何だって言いましたか??3人とも・・・今日はこのまま帰るのは早いですし・・・私の特別メニューを味わってください!!!さぁ、こちらですよ。」
「最悪だ!!!こんなことになるのならお前と一緒に行動するんじゃなかった!!!!」
「そりゃ、言いっこなしだろ・・・・俺だってお前らとフェジットの拷問プレイを受けたいとは思わねぇよ――――――」
「えぇっと・・・そこのお前、悪かったな・・・でも、これだけは覚えておけ。
ここのサブマスとギルマスは怒らせない方がいい・・・特別室がオープンしちまうからな。」
フェジットは出て行こうとした男達3人をどこかへ案内し・・・ムクロたちをギルドハウスの中へと連れ込み、ヴィーチェを呼ぶから待っててほしいと言って奥の部屋に消えて行った。
「中はこういう感じになっていたんだな・・・俺たちのプライベートホームとは大違いだな。」
「そりゃそうだよ!!だって、ここはギルドだもん・・・戦闘成績によってプライベートホームより大きいのは当然だよ??」
「そうなんだ・・・つまり、ユリハはギルドに入ったりしたいの??」
「ギルドかぁ・・・日本のサーバーにも多数あるがいいものから悪いものまで様々だな。
入団しようにも満員の所とか予約に試験があるとか入るにも面倒だそうだ。」
「そうね、ここはこの大きさだから・・・相当実力を持っていると考えて問題なさそうだけど、さっきの3馬鹿は下っ端か何かでしょうね。」
「ハッハッハ・・・言ってくれるじゃないの・・・ワタシのギルドに下っ端も使えんモノもいるはずがないだろ???
ワタシのギルドは皆が精鋭だ・・・だが、最近・・・先ほどの男たちのように腑抜けたモノがいるのもまた、確かなのだ。
久しいな、ムクロ・・・・再びこうやって面と向かって会えたことを嬉しく思うぞ?さぁ・・・近くによることを許可しよう――――――
お前達は下がれ・・・・」
「ですが!?あのモノ達は・・・・・がッ!?」
「おい、下がっていろ・・・・ギルドマスターがこう言っているんだ・・・俺たちは従うだけだ。」
「それでは護衛の二方は暇を出されたと言う事で、この買い出しをお願いしてもいいでしょうか??
私、これからヤルコトがあるので・・・・いいですか??」
フェジットの眼力に押され・・・2人の護衛役はコクコクと頷いてメモを受け取ってギルドハウスから出て行った。
「さぁ、煩くして悪かったな・・・ここのメンバーは短期や聞き分けの聞きにくいものが多くてな・・・皆がワタシのように素直ならばよかったのだが。
おっと、これはすまない・・・ワタシとしたコトが、長話をしてしまったな。
それではギルドを案内しよう。
フェジットも・・・ほどほどにするのだぞ??」
「了解です・・・でも、少しくらい――――――」
「フェジット・・・アンタ、その体質まだ残ってたの??
その、こう言っちゃアレだけど・・・やめておいた方がいいわ・・・それだけ言っておくから。」
「何だかワケアリのようだったが・・・これは聞かない方がいい内容だな。」
「う、うん・・・そうだね・・・少しゾクゾクしちゃうし・・・」
「ん?アヤカ・・・フェジットに何かあったのか??心配ならフェジットに付いててやったらいいんじゃないか??
ヴィーチェ、それくらい大丈夫だろ??2人は友だそうだしさ?」
「む、ムクロ君ッ!?話の流れを感じてないの??その辺はあまり干渉しちゃいけない繊細な所だよ??ごめんねアヤカ・・・ムクロ君の代わりに謝るから・・・その、ごめ――――――――」
アヤカはユリハがムクロの代わりに言おうとした言葉を止めさせると・・・ヴィーチェはただ一言「構わん」と言うと・・・アヤカは何も言わずにフェジットが消えて行った部屋に入って行った。
「ヴィーチェ、どういう風の吹き回しだ??
何だか・・・フェジットを止めて欲しそうな対応だったように思えるんだが・・・俺の早とちりか??それに・・・どうして笑っているんだ??」
「いや・・・イヤイヤイヤ・・・実にコトが思うように運んでな・・・実はな?フェジットにはここだけかは知らないが・・・今ではこのグロリア内でプレイヤーまたはモブを傷つけないと止められない衝動・・・クセと言うモノに囚われておってな?
定期的に対象物にダメージを与えるためのフェスを開いているくらいなのだが・・・そろそろ始まる頃じゃないかな・・・フェジットのフェスが。」
「そんな酷い所にアヤカを!?早く助けに行かないと!!!」
「だが・・・アヤカは何も言わずに行ったんだ・・・きっとこの事を知った上で1人で行ったんだろう。」
「でもでも・・・万が一って事もあるんじゃ???大丈夫かな??」
フェジットの部屋に向かわせたヴィーチェの魂胆はよくわからないままだったが・・・ムクロはヴィーチェに再度詳しく質問した。
「それじゃ、何だ?アヤカをフェジットの・・・衝動の生贄にしようって事か?」
「ん~微妙に違う・・・・生贄とはベクトルが違う・・・私はアヤカもフェジットにも消えて欲しくないと願っている。
こんな戦いでしか自分の生きた世界を見いだせない私を認めたフェジットは・・・私が助けてやりたかったが・・・私ではダメだったのだ。
私は・・・フェジットの求める傷つける対象から外れていたんだ。
だから、フェジットの衝動を緩和する為のモノならば何でも与えた・・・・
モブやプレイヤー・・・NPC・・・ペット・・・求めるものは何でもだ!!!
だから、フェジットを救える最後の希望は・・・あのアヤカしかないと思った・・・
だから・・・私はアヤカというプレイヤーに賭けたのだ。
ただの生贄?違う!これは・・・フェジットを・・・あの呪いから救うための手だ・・・だからここに来るものは覚悟しろとそう言ったのだ・・・わかったか?」
ヴィーチェは淡々と説明し・・・フェジットの事やアヤカを向かわせた理由を話すと・・・・ムクロたちはアヤカが走って行った方向に向かって行った。
――――――――――――――ロシアサーバー:ギルドハウス内
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