第255話 安全地帯の街にて・・・

―――――――――――――――ガンフィールド:銃の領域


一瞬にして後方にいた2名のプレイヤーが消滅すると・・・ゲラゲラ笑っていた男も笑いを止めてこちらに発砲し、ハンドガンではムクロを撃ち殺せないと悟った男は・・・ライフル銃に変えて乱射するが、ムクロは近くの男を盾にして弾を避け・・・その間にガシャンと弾をリロードし、ハンドガンを持つ男に発砲した。


「グァアァァッァ!!!!!腕がぁぁぁぁああぁ・・・・!!!

アイツ・・・絶対に殺す!!殺す殺す殺す殺す!!!!コロス!!!

――――――――お前ら、あいつを撃ち殺せぇ!!!!!」

「了解・・・・なッ!?いない―――――

―――――――――一体どこに・・・ぐあぁッ!?(いつの間に・・・)」

「悪いが・・・これは単なる巻き添えだ、消滅したくなかったら暴れるな・・・」

ムクロを狙い撃とうとした男の1人の腕を掴み、銃を突きつけながら他の連中に武器を捨てて降伏させようとしたが・・・・


「何を戸惑ってやがる・・・・くッ・・・アイツごと撃ち殺せ!!」

「だが、あいつがいないとこの辺りの地形を把握するヤツがいなくなっちまうぞ!!」

「それに仲間を撃つのは・・・俺たちのやり方とは違う・・・」

「それに、お前だって・・・負傷しているだろ?ここは退避するべきじゃないのか?」

言う事を聞かない男たちの意見を聞かず・・・ハンドガンを持った男はムクロが捕えている男の体に弾を数発撃ち込んで消滅させ・・・無理やり戦闘を続行させた。


「お前らがやらねぇから俺がやる羽目になっただろうが・・・そんじゃ、まぁ・・・腕の分、たっぷりハチの巣になってくれや!!!!」

・・・・・」

「おい、アレ――――――――――」

その瞬間・・・ムクロの言葉と同時にアヤカが現れ、3人の男を一瞬で消滅させ・・・状況が一気に逆転すると・・・・


「あぁぁぁご、ごめんなさい!!!こんなつもりじゃなかったんです!!!

許してください許してください!!!何でもしますので!!!!命だけは!!」

「ハァ・・・銃声がしたから助けに来てみれば何なのこのへっぽこ・・・・それに、ムクロ・・・どうかしたの?になってるわよ?」

「すまない・・・ちょっと色々あってな・・・・コイツの度が過ぎた行為に少しキレただけだ――――――

それにしても、今日は早いな・・・」

ムクロはアヤカに顔のことを言われると・・・昂っていた感情を整理して落ち着いてからアヤカにログインが早い理由を尋ねた。


「その・・・今日は大学の講義が少ない日だったから・・・たまたまよ。

で、この男はどうするの??キルする??」

「そうだな・・・コイツ次第と言いたいが・・・・お前、今・・・何をやろうとした??」

「ハァ・・ハハハハ!!!今回は俺のツメの甘さが災いしてこうなったが・・・・それよりも・・・お前、傭兵か何かか?

まぁ、いずれにせよこれはサービスだ取っておけ!!!」

男はピンらしきものを投げ捨てると・・・体が大きく発光しだし、間に合うかわからないままアヤカを押し倒して回避した。


「アイツ・・・最後の最後まで滅茶苦茶だな・・・殺されるくらいなら巻き込み覚悟の自爆・・・アイツの方がよっぽど傭兵じゃないのか?

アヤカもそう思わないか??ん?」

「そんな事より・・・から早くどいてくれない??

全く・・・・女の体をベタベタと触るもんじゃないわよ?

でもまぁ今回はだったからギリギリセーフだったけど・・・注意しなさいよ?返事は?」

アヤカに注意され、アヤカの上から立ち上がると・・・あと少しでも回避が遅れていれば確実に負傷をしていた爆発であったことがわかる跡が後ろに広がっていた。


「さぁ、これから少し森を移動して安全地帯まで行くわよ。

そこで、けど射撃の練習をしてから荒野に抜けて本格的に練習開始よ。」

「わかった。

それじゃさっそく行くか・・・」

アヤカと共に安全地帯を目指して森を移動していると・・・遠くの方で撃ち合っているのか、銃声が聞こえたり悲鳴が聞こえたりと戦場さながらであったが・・・アヤカの進むルートを付いて行くとプレイヤーと出会うことなく安全地帯の街に辿り着いた。


「ハイ、到着・・・・それじゃ、さっそく・・・・あ――――――――――」

「その前に、まずは食事だな・・・すごい音が聞こえたし・・・」

アヤカはお腹の音を聞かれたのが恥ずかしかったのか・・・ムクロにポカポカと手を叩きつけながら恥ずかしさを誤魔化して近くの飲食店で腹を満たすことにした。


「それじゃ・・・何にしようかしら・・・」

「始まりの都とは違う変わった食べ物が多いな・・・ユキシロとかファムが喜びそうだな。

――――――――――よし、それじゃ俺はこのテキサス風バーガーセットで。」

ムクロがささっと決めて注文すると・・・アヤカは急いでメニューをパラパラとめくりテキサス風ホットドッグのセットを注文するとすぐに商品が運ばれてきた。


「それじゃ、さっとく・・・・んむッ!これは中々・・・」

「ムクロって、食べてる時は子供のように見えるのに・・・どうして戦闘時はあぁも無茶をするのかしら・・・本当に困った癖ね。

これじゃ、ユリハたちがずっと心配するのも無理はないわね。」

アヤカはホットドッグとポテトを食べながらユリハ達の事を話すと・・・ムクロはアハハと苦笑いを浮かべながらハムハムとバーガーを頬張り・・・互いに食べ終えると、アヤカの言っていた射撃場に足を運んだ。


「すごい銃声が聞こえるんだが・・・ここで何をするんだ?」

「射撃のイロハをここで学べるわ。

ムクロの言っていた武器での戦闘は基礎が大事なんでしょ?

だったらまずは・・・仮想空間で練習ね。」

「よぉ、らっしゃい。

久々の顔だなって、オイオイ・・・アヤカ・・・今日は彼氏つきたぁ明日は雪でも降るんじゃねぇか???

――――――――アッハッハッハ!!!」

「違いねぇな!!!アッハッハッハ!!!」

射撃場のオーナーらしき男と射撃の練習をしていた男たちはアヤカとムクロを見て笑うと・・・・


「おっと・・・手が滑ったわ・・・・で、何か言いたいことあるならコイツで聞くわよ???ホラ、何か言いたかったんじゃないの??

それと、は私の彼氏なんかじゃないわ・・・コレはなのよ。」

「あぁ、わかったわかった・・・でもだからって銃をここでぶっ放すのはどうかと思うんだがな・・・んで、そこのムクロとかいうのと何しにここに来たんだ?

やっぱ浮気か?」

再びオーナーのジョークが炸裂すると、アヤカの銃も同じように炸裂し・・・テーブルに穴が開いていた。


「ハァ~たまには俺のジョークにも付き合えよ・・・なぁムクロ?で、話を戻すがムクロはどうしてこのアヤカと一緒なんだ?アヤカは誰ともつるまない根無し草みたいなヤツのはずだが・・・」

「いや、元々アヤカと俺は知り合いでさ・・・銃の使い方を教えてもらいながら今に至るってわけだ。」

「そう言う事よ・・・だから、ホラ・・・仮想空間のカギを貸しなさいよ。

今からムクロをビシバシ鍛え上げないといけないんだから。」

アヤカは手をフリフリさせながらオーナーに尋ねると・・・嫌な顔をしながら仮想空間室のカギを探し始め・・・・


「ほらよ・・・お望みの仮想空間のカギだ・・・一応言っておくがに使うんじゃねぇぞ??

あの部屋はうるさいって言われてから防音効果が付いてるが・・・ん~何かあると責任を取るのは俺だし・・・悪いが抜き打ちで見学させてもらうから覚悟しておけよ?」

「しないわよ!!!アンタ本当に頭打ち抜かれたいの!?

ったく・・・、ホラ、ムクロも突っ立ってないでさっさと行くわよ。」

「あ、あぁ・・・それじゃ、ありがたく部屋を使わせてもらう。」

「――――――――おい、どう思うよ?あの2人?

アヤカはあれはあれでいい女だからな・・・密室の防音の部屋で何をするのやら・・・」

「ハイハイ、お前らは他人の恋路によそ見せずに目の前の獲物をちゃんと狙え!!!」

「ウイッス・・・・」

統括する男に無理矢理練習に戻され・・・その男は2人の後姿を見送りながら自分も射撃の練習を始め、銃の音が轟々となり始めた。


―――――――――――――――ガンフィールド:安全地帯の街

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