第252話 ヴィーチェとのPVP・・・

―――――――――――――――始まりの都:公園


公園に到着すると・・・風に舞う髪を振り払いながら待つヴィーチャの姿を見つけると。

フェジットはヴィーチェの隣に立ち、本人を連れてきたと話すと。

ヴィーチェはムクロを見て笑いながらコマンドを入力し、ムクロにPVPを飛ばしてきた。


「さぁ、飛ばしたPVPを承認して・・・ワタシと共に戦いを楽しみましょ?伝説の黒騎士さん?フフフ。」

「どこで知ったか知らないが・・・今じゃ俺は黒騎士でも何でも・・・・」

「―――――――――ウソを言っても無駄です。

一部のプレイヤーからの情報によればムクロの中に黒騎士の力があると言う情報を掴んでいますので。

ここは嘘や偽りをせずにPVPで・・・このヴィーチェと戦い、力で語っていただきたい。」

「フェジット!?一体何を言ってるの!

それに、ムクロもこんな意味のない戦いをしなくても――――――

って、バカ!!!何、承認ボタン押してるのよ!!!」

「ムクロ君・・・大丈夫なの?相手は黒騎士の事を知ってたみたいだけど・・・危なくなったら私たちは止めても乱入するからね。

コレばっかりは譲れないよ。」

「だね、見るからにあの軍服美女は色々ヤバそう・・・まぁ、ムクロッちは多分大丈夫だと思うけど油断しないでね。」

「さぁ、ムクロ・・・気合を入れて戦ってくるといい!」

ミストやユリハ達に後押しされつつヴィーチェと間合いを取り、装備を整えOKを押すとPVPの開始アナウンスが鳴り響き・・・開始の合図と同時に互いに加速してPVPが始まった。


「フンッ!!!やっぱり・・・アナタ・・・ね――――――

どうしてアナタ程のプレイヤーが私のいるロシアにいないのか不思議でたまらないわ!!!!!」

「お褒めにあずかりだ・・・・でも、それを言うとアンタだって相当だと思うぜ?

―――――――――――ハァ・・・ゼイアッ!!!!」

「すごい・・・ヴィーチェギルドマスターと互角に戦うプレイヤーがいるなんて・・・」

「フェジット、PVPが始まっちゃったから止めることも何もできないけど・・・どうしてフェジットはヴィーチェとムクロを戦わせようとしたの?

私をギルドに引き入れるなんて・・・ウソなんでしょ?」

アヤカの質問にフェジットは笑顔で返して、ただ2人の戦いを眺めていた。


「ムクロ君!!!頑張って!!!!いいよそこだ!!!あぁ・・惜しい。

―――――――でも、このままいけば何とか・・・」

「そうかしら?あのロシア美女さん・・・何か隠し玉をいつ出すか考えている様子よ?」

「そうだな・・・何か、タイミングを狙っているような・・・・何だ?」

「どうしたんだ?さっきまでの勢いはどこにいったんだ??

ハァッ!!!!これでどうだ!!!!ゼイアッ!!!」

「勢いは・・・私と共にあるの・・・ただ、そう・・・この戦いが心地よくて楽しんじゃったと言うべきかしら??

でも、そこまで言うのなら・・・私のお気に入りの武器を見せてアゲル。」

ヴィーチェは可変する弓と腰の剣を投げ捨てると・・・ホルスターからを2本引き抜いて突撃してきた。


「さぁ・・・始めましょ?楽しい楽しい狩りの時間よ――――――

――――――――Ⅰの魔弾アヂンバレット・・・・」

「何だこのスキルはッ!?

弾いても、威力の死なないスキルか!!!ぐぁッ・・・・」

「アヤカも銃を使うプレイヤーなら見ておいた方がいい・・・私のギルドマスターは双銃ツインバレットアームズを極めたプレイヤーよ。」

「何なのよ・・・アレ・・・なんて・・・くッ、ムクロォ!!!しっかりしなさいよ!!!こんなところで負けたら承知しないわよ!!!」

「あんなの反則スキルじゃない・・・ムクロ君!!!何か手はあるはずだからしっかり見極めて対処して!!」

「だが、Ⅰの弾と言う事は・・・他にも数字にちなんだ弾があると言う事か・・・これは急展開・・・ムクロォファイトだ!!!」

「でも、に何て言うスキルは存在しない・・・そうでしょ?ムクロ。」

エリの言葉が通じたのか・・・再び放たれたⅠの弾丸の効果を考え1つの結果を導き出して試すと――――――


「どうやらこのスキルは体の一部が当たるまでヒットする仕掛けのようだな・・・このスキルは。」

「へぇ・・・自分の髪を抜いてスキルを殺すなんて・・・やっぱりアナタは相当ね。」

「なッ!?あの戦いの最中さなかにⅠの魔弾の対処法を見つけたって言うの!?信じられない――――――」

「その、信じられない事をするのがムクロなの・・・それに、ムクロの対応能力は私たちの想像をはるかに超えているわ――――――」

1つ目の魔弾が目の前で潰されると・・・ヴィーチェは大きく笑いながら、2つ目の魔弾スキルを発動した。


「それじゃ・・・今度はこれでどうかしら??

――――――――――――Ⅱの魔弾ドヴァーバレット・・・・」

ヴィーチェは2つ目の魔弾を放つと・・・その弾はカクカクと曲がる軌道の読めないスキルで、近づいてきた弾に剣を振るが――――――


「甘いわね・・・・・マガレ・・・・」

「なッ!急に軌道が・・・・あぁそうか・・・この弾は自由に曲げる事のできる弾か・・・・本当に面倒だな。」

「そう、2つ目の魔弾は自由に軌道を変えられるスキル・・・そのスキルに対して対策はほぼ不可能―――――――」

「不可能じゃない!!!ムクロなら、原理がわかるスキルに対して2度目の遅れは取らないわ!!!」

「でも、あのスキルは・・・回避しようがないんじゃ・・・・」

「そうかしら?あの目を見て見なさいよ・・・・ムクロのあの目は、何か閃いた時の目よ。

だから、よく見ておきなさい・・・勝利に貪欲なムクロの行動を。」

「一体、どういう手であの魔弾の対応を―――――――」

そして、再びヴィーチェはⅡの魔弾を放つと・・・今度は左右に軌道を描く弾で。

避けるには上か下かしかないように思えていたのだが――――――


「さぁて・・・そんじゃ、当てて見せてくれよ。

―――――――――――――クイックシフト!!!!」

「くッ・・・・早い―――――――」

「え?弾が・・・消えた?

一体、どういう・・・・」

「フフ、そういうことね・・・あのⅡの魔弾はできなければ使えないよ。」

「Ⅱの魔弾の対応としてムクロは加速スキルを使って試したと言うわけか。

そのまま攻撃だ!!!ムクロ!!!」

「Ⅱの魔弾が敗れたとしても・・・ギルドマスターには、ヴィーチェにはまだ魔弾が・・・・」

「だけど、魔弾に頼りすぎると・・・ムクロには勝てないかもしれないわよ?

だって・・・あのムクロはスキルを使うよりも早いから――――――」

アヤカがボソリと呟くと、ムクロはヴィーチェに重い一撃を叩き込むが。

銃でガードされ・・・攻撃はヒットしていない様子であったが、スキルを使わせずに戦わせることに成功していた。


「情熱的ね・・・ロシアではここまで激しく攻めるプレイヤーはいなかったから少し新鮮よ・・・でも、実際・・・私はの方が得意なの――――」

「えッ!?銃を持ったままムクロ君に突撃した!?

特にナイフとか持っているわけでもないのに・・・まさか!?近距離射撃術!?」

「銃で近接とか・・・お前、万能過ぎんだろ!!!ハァッ!!!ぐぅ・・・ゼイアッ!!!」

「あのロシア美女は銃を持ったまま格闘と射撃ができるのか・・・・

まさに軍隊の技だな―――――」

「でも、そろそろ互いの体力は限界ね・・・次くらいで決着がつくんじゃないかしら?」

「次で私のギルドマスターが勝つかアヤカの信じるムクロが勝つか・・・決まるわね。」

「そうね、だけど・・・互いに信じる2人はそんなことお構いなしに楽しんでるみたいよ?あの顔を見てみなさいよ・・・・」

最後の赤い体力バーが点滅をしているにも関わらず、2人は攻めを止めようとせず。

ギリギリの回避と攻撃を繰り返し・・・ヴィーチェは弾の使い過ぎによって残る弾は1発で、使えなくなった銃を捨て・・・最後の突撃を行った。


「勝利は私のモノ・・・・さぁ、避けて見なさい・・・これでアナタにトドメを・・・・・・」

「悪いな・・・俺にも負けられない理由があるんだ――――――――――

――――――――――ブレイブダンス!!!」

最後に放ったヴィーチェの弾丸は・・・ムクロの頬をかすり抜け、ヴィーチェはガードするをことなくムクロの一撃に斬られると・・・PVPが終了した。


―――――――――――――――始まりの都:公園

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