第218話 フロアボス:デュランダルハンダー
―――――――――――――――天空遺跡:大空洞
ユリハと共に奥へ進むと・・・ボスの待つフロアへ辿り着き、ユリハは少し考え・・・1人でココのボスに挑むのかと尋ね、俺はコクリと頷くとユリハはニコッと笑いながら軽く却下してきた。
「ムクロ君・・・言ったよね??少しだけぶらぶらするって。
でも、フロアボスを1人で戦うなんて聞いてないよ??」
「いや、それはそうなんだが・・・・ここまで来たんだし少しくらい戦ってみたいのもあるんだ――――――ダメ・・・かな?」
俺の真剣な眼差しに負けたのか呆れたのかわからないが、今回はユリハが折れ・・・危なくなったらサポートに入ると約束をして、ボスの間に突入した。
「ここのボスって・・・デュランダルハンダーだったよね・・・・
確か、武器は両手に持ったランスと闇の呪文――――――」
「あぁ、その通りだ・・・よく勉強してるな。
んじゃ・・・まぁ、やりあうか!!!デュランダル!!!」
入ってきた俺たちに気付いたのか・・・デュランダルは地面に刺しているランスを引き抜いて俺に投げつけてきた――――――
「うおっと・・・良い攻撃だ。
だが、攻撃後の間が空き過ぎてるぞ!!!ハァッ!!!」
「いいよ!!ムクロ君!!!ダメージはしっかり入ってるよ!!」
――――――――・・・・・・・・・・
デュランダルは鎖でつながれたランスを引き戻し、両方をつなぎ合わせ・・・巨大な1本のランスに変えて再び攻撃を仕掛けてきた。
「フンッ!!!ハァッ!!!くッ・・・・
さすがはフロアボスだな・・・・近接はなかなかの腕だな。
だが・・・この剣の試し切りにはこれくらいの歯応えがないとな!!!!
――――――――――クイックシフト!!!」
「すごいランスの乱舞・・・ムクロ君・・・頑張って・・・」
――――――――・・・・・・・・・・・
スキルを使い加速するも・・・デュランダルも狙っていたかのようにランスの乱舞スキルを発動し、互いに攻撃の打ち合いとなり・・・撃ち込むたびに互いの体力が削れ、デュランダルのランスが空中に弾け・・・そのスキを見逃さずに一撃を捻じ込もうとした瞬間―――――――
「ムクロ君ッ!!!危ない!!!闇の呪文が―――――――」
「くッ・・・この間合いじゃ、よけきれねぇな・・・だったら!!このままやるしかない!!!!
―――――――ハァァアァァァアァァァッ!!!!!!!!!」
――――――――――――・・・・・・・・・・
デュランダルに黒い光が満ち・・・指先から黒い閃光が走り、俺の体を貫き・・・俺はデュランダルの弱点部位である結晶体に斬撃を撃ち込み、無理矢理勝利をもぎ取った――――――――
「ハァハァ・・・・ぐッ・・・あははは・・・危なかった――――――
だが、この剣の使い方がだいぶ分かった気がす・・・イテテテ・・・」
「ム、ムクロ君!!!大丈夫!?すぐ手当てするから待ってて―――――」
ボス戦が終わり・・・俺が倒れて動けない様子を見ると、ユリハがすぐに駆け付けて手当をしつつ俺の頬を引っ張って怒っていた。
「もう!!!あんな危ない状況で突っ込んじゃダメじゃない!!!
いつものムクロ君ならもっと冷静に対応してたと思うよ!!!」
「あはは・・・それは・・・こうなったらユリハが手当てしてくれるって思ってたから・・・・ゴメン。
で、いつまで頬を引っ張っるんだ???んあぁぁ――――――」
みょんみょんと引っ張っていた頬から手を放し、回復の仕上げをして俺を立たせてミストやレイの待つ壁の方まで戻り始めた。
「えっと・・・その・・・今回の事は皆に伝えるのか???」
「うん、もちろん!!じゃないと・・・クーリアやレイちゃん達が怒るでしょ???それに・・・ヒミツはもっと大事なことをヒミツにしたいから。
あ、ホラ・・・みんながいるよ!!早く行こうよ!!みんな~~」
と、なんだか最後の言葉を濁しながら話し・・・ユリハはレイ達を見つけると駆けて合流して先ほどあった出来事を話すと・・・ミストやレイはすぐに俺に詰め寄ってきた。
「ご主人様、どうしてフロアボスを1人で狩ろうとしたんでしょうか???
ここには私たちがいると言うのに・・・剣の試し斬りならわたくしに沢山撃ち込んで構わないと言うのに・・・・」
「そうだぞ!!!それにここのフロアボスは難所の1つと聞くが・・・・この様子だと勝ったのだろうが、最近のムクロは何だか冷静ではないぞ???」
「ふふふ、やっぱりみんな・・・ムクロ君の行動を把握してるね。
観念してムクロ君はみんなに謝った方がいいんじゃないの??」
「うぅう・・・勝手にフロアボスと戦ってごめん・・・でも、それはユリハが助けてくれるって信じてたから・・・それに、いざとなればレイ達がいるからって思ったから無茶ができたんだ――――――」
「はぁ~ムクロッちってこういう時に口がうまいよね~~ほんと、感動しちゃうよ。
―――――――でも、私はいつでもムクロッちの力になるからネ!!!」
「クーリア~抜け駆けはよろしくないのじゃ~それを言い出すとここにいる全員が同じことを言う羽目になるのじゃ!!」
「そうだね、私もムクロが私の槍を必要としてくれるのであれば・・・いつだってこの槍をムクロのために振るうよ。」
と、ファムやレイ達は私も私もと言って団結力が高まり・・・みんなの特訓が一通り終わったことを確認すると、エリとアヤカからの連絡を待つためにホームへと帰って連絡を待つこととなった。
―――――――――――プライベートホーム
「それにしても遅いのじゃ・・・もしかして出入り口付近で待ち伏せされて捕まったりしておらんじゃろうか!?」
「ん~隠密が得意なアヤカと合流しているのなら・・・派手な行動をしないと思うから大丈夫だと思う、きっと天世界の住人が多少なりと表に出てきている可能性があるな。
でもって、自由に移動ができずに動けないっていうところだろう。」
「それにしても・・・ムクロ君はこういう考えている時が一番冷静で作戦を出せるよね。」
「そうだな、あたかもこうなることを予測していたかのような振舞だな。
それに、アヤカに対しても強く引き留めることなく送り出したのもこれを計算に入れてたのか??」
「そう考えますと・・ご主人様の計算だと最低限の結果予測を出していると言う事になりますね。
で、ご主人様・・・予想する状況はどうだと思いますか??」
全員は俺の答えを知りたいと言う表情でこちらを向き、俺はある程度の答えを話した。
「そうだな・・・さっきもいった通りで、隠密状態で探りながら情報を集めている最中―――――他には、捕まった可能性・・・・消滅したと言う可能性はないだろう、その場合だとこのホームに戻ってくるだろうし。
他に考えられるのは・・・天世界以外の外部要因によって通信等の遮断がされている可能性。
考えてみてもきりがないくらいだが・・・音信不通は悪い事じゃない・・・きっと2人は無事にやるべきことをやっている証だろうから。」
「そうだね・・・少しでも私たちが信じて待っていないと駄目だよね。」
「うんうん、そうなのじゃ!!!
と、言うわけでレイレイ~お茶のおかわりよろしくなのじゃ~~」
「このどら狼は・・・・もう少し緊張感と言うモノを感じてもバチは当たらないと思うのですが・・・・仕方ないですね。」
「私も緊張してるけど・・・その前にこの特性どら焼きを食べて気合とお腹を充填しておかないと!!」
「そうだな、腹が減ってはなんとやらだな。
私も適当に何か買ってくるとしようかな――――――」
と、言ってミストは商店街に買い出しにホームから出て行った――――――
そして・・・ミストがホームから出て行ってから数分後・・・皆でチャットやメールが届くのを確認しながら待っていると、玄関の方から誰かが入ってきた音が聞こえ・・・見に行ってみるとそこには――――――
「う、うぅ・・・・・・」
「大変ッ!みんな、早く来て!!!エリが大変だよ!!!」
「何ッ!?おい、どうしたんだエリ!?エリッ!?!?」
「主殿少し落ち着くのじゃ・・・まずはエリをベッドに運んで休ませるのじゃ。」
「そ、そそそ・・・そだね!!!ユリハ手伝って!!!!エリをベッドに運ぶよ!!!」
急に戻ってきたエリは酷く体を損傷し・・・衣装もボロボロで命からがら戻ってきた感じであった・・・と、一先ずクーリアとユリハの2人でエリをベッドに移し、看病が始まり・・・・意識を取り戻すまで何があったのか聞くことができず、無闇に行動がとれない状態であった――――――――――
――――――――――――プライベートホーム
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