第130話 コロシアム

――――――――――不思議な料理店・・・・・


4人で料理を食べ始めてから数分・・・・クーリアとファムはまだ2人でブラストイーグルの丸焼きを2人仲良く食べ・・・俺はと言うモノの・・・自分のペースで食べる事ができなかった為に少し気分が悪くなり、隣のベッドでレイに看病されながら横になっていた。


「ご主人様、お気分はどうですか?」

「あぁ、さっきよりマシだ。

いや、まさか3人に気分が悪くなるまで食べさせられるとは思わなかった―――――」

「何を言う主殿ォ~~まだまだ食べ足りないくらいなのじゃ―――――あむあむあむあむ・・・・」

「そ~だよ~もっといっぱい食べないと!――――モフモフモフ・・・・」

2人は未だに料理を食べ続けており、いつになればお腹が満たされるのか不思議なくらいであった・・・・

すると、俺のメールに1通・・・いや、3通のメールが届き・・・中身を読むと・・・・


「ユリハ・・・ホームに戻ったらしいが、俺達は今どこにいるのかと聞いてるんだが・・・・」

「そうですか、それではそろそろホームへと戻りましょうか―――――」

「ふむぅ~仕方ないのじゃ~秘密がバレるのは大変だからの!」

「そうだね、隠れて食べてた事がバレたら何て言われるか・・・・」

ファムとユキシロは何を心配しているのかわからないが、ユキシロが会計を済ませにカウンターに向かい・・・俺達が外で待っていると・・・・・


「主殿・・・・そのぉ・・・奢ると言っておいて何なんじゃ・・・・お金が足りないから貸してほしいのじゃ!!!」

「やっぱりか・・・・アレだけ食べてたらそりゃ高くなる―――――それで、いくら必要なんだ?」

ユキシロは変な汗をかきながら・・・・両手を出してジェスチャーすると・・・・・


「1000リムド?」

「No・・・・・」

「10000?」

「No・・・・・・」

「・・・・・・100000?」

「――――――No・・・・」

「わ、私も一緒になって食べたから・・・払うの手伝うよ?」

「それでは私も・・・・ご主人様だけに足りない分を任せるわけにはいきませんから――――

それで、ユキシロ・・・幾ら足りないので?」

「100万リムド・・・・足りないのじゃ―――――」

ユキシロは苦笑いをしながら両耳をへならせながら両手を出すと・・・・俺は50万、レイとファムは25万ずつ出すと・・・ユキシロは支払いを済ませて出て来た。


「主殿、それに皆・・・本当にすまなかったのじゃ・・・・

ハメを外し過ぎて皆から借りねばならぬような事態になって・・・・・」

「ユキシロ、そう落ち込むな。

皆が楽しければそれでいいんじゃないか?

お金ならクエストでまた稼げばいいからな。」

「そうだよ、また皆で狩りに行ってまた美味しいモノ食べようよ!!」

「今回はご主人様がこうおっしゃられるのでこれ以上は言いませんが。

反省しているのであれば、今後からは考えて行動をですね―――――」

レイはやはりと言うべきか、言わないと言いながらついついユキシロには厳しくしつけていた。

――――――と、そんなこんなで俺達はユリハ達が待つホームへと戻ると・・・・ユリハやランニングに行ってしまったアヤカやら全員が戻って来ていた。


「やっと帰ってきた・・・・・それにしても遅かったね、ムクロ君・・・4人でどこに行ってたの?」

「あぁ・・・ちょっと街をぶらっとな。

ファムに色々と街の事を説明してたんだ――――――」

「ふ~ん、じゃあ・・・クンクン―――――どうして皆から美味しそうな匂いがしてるのかなァ?」

「そ、それは・・・その、えっと・・・」

「アタイのお腹が空いたから、アタイのでご飯を食べたのじゃ~」

「と、言う事です・・・他に何か気になる点がおありならば、ご主人様にお尋ねください。

それでは私はお茶の準備を――――――」

「だとさ・・・・ムクロ、無かったのか?んん?」

「こうやって3人を見ると・・・何かを隠してそうな・・・・きっといいモノを食べたに違いないよ!!」

アヤカがそう言うと・・・ユキシロの脳に雷が走るかのように閃き・・・アヤカの発言に合わせると―――――


「そ、そうなのじゃ~~~いやぁ~バレたら仕方ないのじゃ~

―――――の、ファム?」

「え、あ・・・・うん!そうそう!!あのステーキは美味しかったよね!!!

――――――ね、ムクロ?」

「そ、そうだな・・・・あははは――――――」

俺の反応に疑問を持ったユリハやミスト達は俺にぐいぐいと押し攻め・・・・いつの間にかユリハ達に囲まれていた。


「ムクロ君、本当の本当に何も隠していない?」

「お、俺が信じられないのかユリハ?それにミストにクーリア達も・・・・」

「わ、私はいつだって信じている・・・・いつだってな―――――」

「あ~もぉ~仕方ないなぁ~今度は私たちも一緒に行ってくれるのなら・・・これ以上の追求はしないでおいてあげるよ?」

俺はクーリアに助かる―――――と、言うとクーリアは照れながらソファーに座ってアイテム画面を開いてニコニコしていた。


「もう・・・私だってちゃんと信じてるんだからね!

ただ、心配だっただけ・・・でも本当に何でもないのなら忘れる事にするよ。」

「あぁ、私も今回の事は忘れるとしよう・・・・さて、私はコロシアムにでも行って腕を鍛えるとしよう――――――」

そう言うと、ミストはホームから出て行き・・・ミストのコロシアムと言う単語に魅かれたファムが尋ねてきた。


「ねぇねぇ、グロリアにもコロシアムってあるの?」

「あるけど・・・ファムのいた天世界にもコロシアムがあったのか?」

俺は気になり、ファムに天世界のコロシアムについて尋ねるとファムはムッフッフと腕を組みながら天世界のコロシアムの話を始めた。


「天世界のコロシアムはね、猛獣と戦うのが一般的で・・・・自分の力の証明の場になってるんだよ。

力の証明には試練が付きものって言ったのが始まりだったとか。

グロリアのコロシアムってどういうモノなの?」

グロリアココのコロシアムは、PVP形式のものからトーナメントやモブとの戦闘まで幅広くあるな。

因みに、団体戦のコロシアムもあったりする。」

「何やら楽しそうな話をしているの~主殿。」

ユキシロがPVPやトーナメントと言う単語にウキウキしながら会話に混ざってきた。


「コロシアムについて話をしてたんだけど、ユキシロはそう言ったのは好き?」

「アタイは戦う事と食べる事と主殿にでられる事が主なのじゃ。

と、なると・・・アタイもその・・・コロ、コロシアムとか言うのに参加してみたいのじゃ!!」

「ユキシロが出られるのなら私も出て見たいけど・・・・

天世界の私でも・・・ましてやNPCの私達でも参加って出来るのかな?」

「そうだな・・・・この場合だと、NPCの参加は可能だ・・・そして、ファムはこの世界でバグやエラーとして見られてはいないとなるとコロシアムに出ても問題はないと思うが―――――

その代わり、飛行は控えること・・・コレが条件だ。」

俺の提案にファムが真剣な顔でうん・・・と、答えるとユキシロが善は急げと言いファムを連れてコロシアムの会場を目指してホームを出て行った―――――


「2人だけで行かせちゃって大丈夫かな?

私、少し不安と心配が・・・・」

「でも、そうだな・・・ユキシロはさっきの件でお金使い果たしたからな・・・

仕方ない、俺達も付いて行くか。」

「ご主人様、お茶が入ったのですが・・・・」

「ムクロ~レイの真心のこもったお茶を飲まないで行く気かい?」

アヤカがムフフとした顔で俺に尋ねると・・・レイの事を考え、俺はレイのお茶を飲んでからユキシロとファムの後を追いかける事にた。


「ぷはぁ~~レイの紅茶って本当に美味しいよね~」

「そうだね、私もレイに美味しい淹れ方を教えてもらおうかな。」

「皆さんに喜んでいただけて光栄です。

ご主人様、お口にに合いますでしょうか?」

「あぁ、美味しい・・・ただ・・・やっぱり2人の事が心配でな―――――

ファムは、しっかりしているんだが・・・ユキシロが――――」

「そうだねぇ~ズズ~~~あちち―――――」

適当に話しを聞き流しながらアヤカは新たな銃弾の調合をしつつレイの淹れた紅茶をちょびちょびと飲んでいた――――――


「そういや、アヤカやクーリアはコロシアムとか参加する気はないのか?

レイは流石に参加したら女神が黙っていないと思うが・・・・・」

「そうでしょうね、私が参加した時点でご主人様以外に相手が務まるかどうか―――――」

「私はパス~このあと情報収集に出るつもりだから。

でも、レイが出場するとなったらちょっとゾッとするかも・・・・」

「あはは・・・・それは凄く・・・怖いね―――――」

「ん~そうだねぇ~私はムクロとの約束があるから参加してもいいんだけど。

新しい銃弾の調合もしたいんだよね・・・・すっごく悩む――――」

アヤカは紅茶をすすりながら考え、俺が参加するなら自分も出てもいいと言い出し・・・ユリハやレイの後押しもあって俺も参加する事となった――――――――


―――――――――――プライベートホーム

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