第118話 ファムとのクエスト
――――――――――クエスト掲示板前・・・・
クエスト掲示板目に来ると、いつものようにレアアイテムを狙う為に多人数での募集をしているプレイヤーから・・・ギルドの勧誘をしているプレイヤーで賑わっていた・・・・・
「ここがクエストを受ける場所ね、へぇ~思ってたよりもプレイヤーって色々いるのね。
人獣や妖精のようなプレイヤーまで・・・・本当に見てて飽きないね。」
「そりゃ・・・
本当に色々なプレイヤーがいるよ・・・この街には。」
2人でクエスト掲示板辺りにいるプレイヤーを見ていると、近くから聞いた事のある声が聞こえてきた――――――
「よぉ~ムクロじゃねぇか。
それに、その横にいるキャラは・・・NPCか~お前はいつも周りにいろんな女を連れてるよなぁ~がはははは。」
「ラ、ライザー誤解を招く言い方はやめろ!!!
そりゃ・・・女性プレイヤーが多いのは認めるが・・・・と、友達だから仕方ないだろ?」
「へぇ~ムクロって見た目よりもそう言う人だったんだ~へぇ~ふぅ~ん。」
やはりライザーの言葉を鵜呑みにしたファムは俺に対して冷たい視線をおくりながら見ていた。
「どうしてくれるんだ?俺が変な目で見られてるだろ・・・・・」
「そりゃ、自業自得だろ?事実なんだしよぉ。
しかもこんな露出の高い服装してたらどう言われても仕方ないって奴だろ。」
「ムクロの、エッチ・・・・・」
ファムはそっとファスナーを締めながら、露出している部分を手で隠していた。
「うんうん、ムクロっちは周りに女性プレイヤーを集め過ぎなんだよ!!
そりゃ・・・・ムクロっちに魅かれるのは無理はないけど・・・誰にでもムクロっちは優し過ぎなんだよ!!」
「でも、そう言うムクロだからこそ私たちはムクロに魅かれているのも事実・・・・・
私は今のままのムクロで構わない・・・今、私が見ているムクロが本当のムクロなのだから。」
「エリちゃん・・・・そうだね、私も今のムクロ君が好きだよ・・・・もう少し私達を頼ってくれてもいいと思うけど・・・・でも、ムクロ君はいつだってみんなの事を考えて最善を尽くしてくれる・・・・だから余計に何も言えないのが少し辛い―――――」
ユリハは腕を掴むと寂しそうな顔をして・・・・それを見たエリとクーリアは少し相談し、2人の行動が見える店にユリハの手を引っ張って入って行った・・・・
「ユリハ!そんな顔しちゃダメだよ!
ムクロっちの前じゃなくてもそんな顔はしちゃダメ!
その・・・上手く言えないけど・・・ムクロっち風に言えば、笑って楽しもうよ!」
「ふふ、クーリアも同じ事を考えていたのね。
クーリアの言うとおり・・・・悲しんだり辛かったりしたら私たちに話してくれればこうして一緒に話を聞くから・・・」
「2人とも・・・うん、ありがとう。
よ~し、2人に話をたくさん聞いてもらう為にたくさん注文しないと!
ここは私がおごるからいっぱい3人で食べちゃおうよ!!」
2人は元気になったユリハを見て、ホッとしながら・・・ユリハから手渡されたメニュー表を見て料理を頼むとすぐに料理が運ばれてきた―――――
「それでね、私が話していてもムクロ君ってばちゃんと聞いていない時があってね・・・・」
「んまんま・・・・それって・・・んまんま・・・ユリハがムクロっちに構い過ぎとかじゃないのかな?」
「はふはふ・・・・ムクロは私といた頃もそこまで話ができる人じゃなかったの。
ユリハと一緒に話している姿は私が見てきたムクロとは違って・・・その、楽しそうに見える・・・・だから気にしなくてもいいと思う。」
2人の回答にユリハはう~むと悩みながら、目の前の料理をぱくぱくと食べながら2人の様子をジーーーーっと眺めていると・・・2人の様子が無い事に気付くと・・・
「って!?2人がいないよ!?
どこに行っちゃったんだろう!?」
「えっ!?マジ?まさかこちらの行動に気付いた・・・・でもこの距離は気付く事はないと思うし・・・・それより、ムクロっちたちはどこに向かっているのか突き止めないと・・・
な、クエスト掲示板前!!マズいよ!!クエストに向かう前にどこに行くか調べておかないと!!!」
「そうと決まれば・・・すぐに行動開始。
私達の使命はムクロが悪い事をしないよう見守る事・・・・
だから、直ぐに後を追いかけないと手遅れになるかも。」
2人の発言を聞くとユリハは顔色が青くなり、すぐに会計を済ませ・・・・店から出るとエリは隠密の魔法をかけてユリハ達は2人の後を追いかけた。
「がははは、悪いなそこの若い姉ちゃん。
だが、ムクロは悪い男じゃないから・・・そこは俺のお墨付きだ。
っと、そろそろ俺もギルドに向かうとするか・・・それじゃな。」
「とっととギルドにでもどこにでも行け!!!」
「ムクロが悪いプレイヤーじゃない事は私も今日でもっとわかった・・・・
それに、ムクロの周りにいろんな人がこうやってやってくるのもムクロの事を大切に思ってるってことでしょ?だから、総合的に見て私はムクロの事を良い人って思ったの・・・・
へへへ・・・変な話だよね。」
ライザーが笑いながら俺達の前からいなくなると、ファムは俺の手を握って祈りをささげていた。
「よし、それじゃ・・・2人でまずは軽いクエストにでも行くか・・・・何が良いかなっと・・・・」
「ムクロ!!このデザートドレイクの大食い大会ッていうのはどう?
それとも、こっちの・・・ブラウンホーンの大食い自慢っていうのは?」
ファムはまだ食べ足りないのか・・・・あまりメジャーではない小規模な大食い大会のチラシを持ってやって来たのだが、俺はそれをクエスト掲示板に戻すと・・・2人でクリアできそうなクエストをいくつか選び、ファムに見せると――――――
「む~私の選んだクエストが入ってない~~~
大食いはダメなの???」
「さっきアレだけ食べたんだ・・・今度は体を動かさないと・・・・太るぞ?」
ファムは最後のフレーズにギクッとしたのか・・・・腕をブンブンとまわし、目をつぶりながら複数あるクエストの中から1枚を手に掴むと・・・・・
「今回のクエストは・・・・これに決めた!!!!」
「よし、それじゃソレに決まりだな。」
俺は残ったクエストを掲示板に戻し、ファムの掴んだクエストの紙を持って登録をすると・・・移動用の魔石を受け取るとすぐさま2人で移動を開始した。
「んん・・・・ここは・・・・山?」
「ずっと目を閉じて心配だったが・・・・大丈夫か?
山になれてなかったら別のクエストにしても良いんだが・・・・」
ファムは慌てて大丈夫と言い元気な所を証明すると・・・今いる場所の周りをぐるっと見ると・・・そこは辺りに見える山よりも高く、大きく道が開けており・・・そこでは複数のプレイヤーが戦っている様子が見えていた。
「ここが山のフィールド・・・・グロリアって本当に広いんだね・・・・
私、天世界のジャングル地帯辺りしかしらないから・・・・山もあったけど立ち入りが禁止されてたりしてたから・・・こうやって山に来れたのもすごく新鮮で気持ちいいよ。」
「ファムが気に入ってくれたのは良いが・・・・クエストはここから先に行った場所に生息する・・・スティールバードの5匹の討伐だ。
バードは素早く動くから注意する事・・・それと、ファムは天使ってバレタラまずいからなるべく地上で戦う事・・・・いいな?」
ファムは俺のいいつけを守ると誓うと・・・鎧を取り出し、装備が完了すると俺達は山の奥へと進行を開始した――――――
――――――――グレイマウンテン・・・スティールバード5匹の討伐クエスト
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