第76話 新たな要素
―――――――――21時58分・・・・・プライベートホーム
俺達はラフレシアとの戦いで得たメンテナンスによる追加要素の一部であるだろうと言える特殊な能力を持ったモブの出現と、新たな仲間のアヤカを紹介する為にホームに戻ったのだが・・・・・
「皆ただいま・・・って、誰もいないのか―――――」
「うん、そのようだね・・・クーリアたちがいたらワイワイしていると思うから・・・・
帰ってくるまで待ってようか。」
「お邪魔します・・・・ここがムクロたちの共通スペース・・・・」
「お帰りなさいませ、ご主人様。
こちらの新しいお客様は・・・・どなたでしょうか?」
レイは頭を傾けながらアヤカの事を俺に尋ねると、ユリハも気になったのか聞きたそうな顔をしてこちらを見ていた―――――
「わかった、全部話すから・・・・座ってからでいいか?」
「そうだね、玄関で立ったまま話すのもアレだし・・・・」
「し、失礼します―――――」
俺達は奥のリビングのソファーに座ると、アヤカとの出会いと今日あった事を全てユリハとレイに話すとユリハの表情が少し暗くなり――――――
「またそうやってムクロ君は!!!ムクロ君はいつもそうだよ!友達を作るなとは言わないけど・・・・私たちに一言くらい話してくれてもいいじゃない・・・・」
「ご、ごめん・・・その内に皆にも話すつもりだったんだが・・・」
「私のせいでごめんなさい・・・元はと言えば私がムクロから無理にやり方を教えてもらおうとした事が原因で・・・ムクロには一切責任はないから―――――」
「でも、その・・・アヤカさんがいなかったらムクロ君はやられていたのは事実なのも確かだから・・・・今回の件はそれでチャラって事で―――――」
アヤカはユリハの話しを聞くと力が抜けたようにソファーにもたれ込み、自分自身のちゃんとした自己紹介をしていない事に気づき、ユリハやレイに自分の自己紹介を行った。
「―――――――と、まぁ色々あって私はハンター職で使用武器は銃とソードが主よ。
あと、私の事はアヤカって呼んで・・・さん付けは少し慣れてなくて。」
「うん、わかった。
私の事も、ユリハって呼んで・・・それと・・・アヤカこれからよろしくね。」
「了解しました、アヤカ。
私はご主人様・・・つまりムクロ様の愛玩メイドのレイです。
お見知りおきを―――――」
ユリハとレイが挨拶を返すと、俺の耳元でレイの事をアヤカが尋ねてきた。
「アレって何?ムクロの事をご主人様とか言ってるけど・・・・」
「あぁ・・・それも全部話すとするか・・・・」
「そだね・・・あははは。」
俺はレイと関わりのある女神や最近あった出来事をアヤカにわかりやすく話すと、すぐに内容を把握した。
「話の内容は分かったわ・・・戦争の事やユリハと・・・ムクロの関係・・・レイや女神といった上位層の存在・・・・本当に彼方達って色々な事に首突っ込んでるわね・・・・・」
「でもそんな生活も悪くなくてな・・・な?」
「そうだね・・・私はムクロ君や皆と一緒に楽しく過ごせたらそれだけでいいから・・・・
もちろん今後はアヤカも一緒だよ。」
「それでは私はお茶の準備をしてまいりますので・・・・」
レイがぺこりと頭を下げて台所に向かうと同時くらいに玄関が開く音が聞こえたかと思うと誰かが走り込んでくる音が聞こえた―――――
「たっだいまぁ~~って・・・誰この人・・・それにユリハにムクロっちまで・・・・」
「おい、クーリア・・・お前も女としての気品と言うモノをだな――――
この者は何者だ?まさか・・・また何かトラブルか?」
2人はリビングで寛ぐ俺達の状況を把握し切れない様子で、俺はとりあえず2人にも事情を離す為にソファーに座らせ・・・・アヤカとの繋がりとユリハと協力して討伐したラフレシアについて話をすると―――――
「へぇ~そうなんだ~私、クーリア!私の事はクーリアって呼んで!
クーリア様でもいいけどね!!
にしても・・・3人でクエストいいなぁ~~私も行きたかったなぁ~
ねぇ~ミスト~」
「私はミスト、呼び方は丁寧に呼ばなくてもいいぞ・・・私も好きにアヤカと呼ばせてもらう事にする。
で、だ・・・私とエリはクーリアのお守をしていただけで・・・・エリはどこかに消えてしまうし・・・・、ムクロは私に一声かけてくれれば地の果てでも助けに向かうモノを・・・・どうしていつもこう運がないのだ私は・・・・」
クーリアとミストは事情を聞くと2人も自己紹介を行い、本題に入る事に・・・・
「先程も話したが・・・今回向かった森林フィールドで謎のラフレシアと戦闘になったんだが、今までに見た事もない行動とスキルを使用する点と今回のメンテナンスで追加された項目の新たな要素の導入の部分にコレが当てはまると俺は仮定しているんだが・・・どう思う?」
「うん、あのラフレシアは普通じゃなかった・・・ましてやアバターのような形に変わってなんて今までになかった事だし・・・・」
「そのラフレシアは私も見たから言えるけど・・・・あのラフレシアはすごく大きくて・・・異様な雰囲気をしていたね。」
「ふむ・・・・いつもの中くらいのラフレシアではなく巨大なラフレシア・・・それにモブを捕食する事で姿や形を変えるという進化とでも言うべき行動・・・・
どれをとっても今までのグロリアとは違う部分が多すぎるな・・・・そう考えるとムクロの言った新たに導入されたモブに対しての新たな要素と言っていいだろうな。」
「じゃあ、つまり・・・どのモブも新たな要素が入ってる可能性と今までとは違う謎の行動を取る可能性があるって事?」
「つまりはそう言う事になるだろうな・・・・だから、俺たちはある程度のモブの行動パターンを再度覚え直す必要がある。」
話をまとめると、今回のラフレシア戦で得た情報は・・・・今までとは違う行動をする点、姿や形が変わる点といったモブの予測不能な要素が加わっており、中級層以上のクエストに行けば間違いなく帰り討ちに合う可能性が高いという事であった。
つまり、俺達のこれからするべき事は・・・モブの変化や行動の違いを調べて学習する事がメインとなった。
「―――――そう言う事だ、これからは皆でまとまって行動するか・・・・最低でも3名で行動するように!」
「それは、ムクロ君が一番守らないでしょ?
私や皆が心配するから、ムクロ君は絶対に守ってね・・・絶対だよ?」
「はっはっは!この調子だとずっとムクロはユリハに言われるな!
それだけ言われてればムクロも無理に1人でクエストにはいかないだろう。」
「ムクロってこんなに仲間がいるのにソロでクエストに行くの?
なんか・・・変わってるね・・・・」
「アヤカ~もっと言ってやってよ~私達の言う事は全然だけど、ユリハの事だけはちゃんと聞くんだよね~なんでかなぁ?どうしてかなぁ?」
クーリアが俺にぐいぐいと顔を押し寄せて聞いてくるが、俺は一向に話そうとせずにしていると・・・・再びドアが開く音が聞こえ―――――
「クーリア!ミスト!探したんですよ・・・・んん?何やら変わったプレイヤーさんがいますが・・・・どなたですか?」
「あ、私は―――――――――――」
アヤカが自己紹介をすると、その後の流れや話していた内容をエリエントに話すと少し深刻な顔をしながらエリエントは自分の自己紹介を始めた――――
「私はエリエント・・・皆にはエリやエリエントと呼ばれています。
その・・・よろしくお願いします。」
「よろしくね・・・・エリ!」
アヤカとエリは軽く握手をすると、レイが人数分のカップを皆の前に綺麗に並べるといただきますと挨拶をしてずずっと飲みながら雑談が始まった。
「で、ムクロ君・・・・どうかな?―――――――コレ?」
ユリハがお茶を飲んでいる俺に対して頭に生えたキツネ耳をぴょこぴょこさせて俺に感想を尋ねて来たのだが・・・・
「ん~ユリハは何でもよく似合うよな・・・・
その・・・可愛いんじゃない・・・か?
他の表現方法が思いつかないからこれで勘弁―――――」
「そ・・・そう・・・よ・・・よかったぁ・・・エヘヘ―――――」
「何・・・このバカップルな光景・・・撃って良い?いや、撃つよ?」
「ダメダメ!!そんな銃なんか出しちゃダメだって!!アヤカ・・・落ち着いて!!
ほら・・・エリもミストも止めるの手伝ってよ!!
そりゃ~あの2人はバカップルだけどさぁ・・・・ねぇ・・・・」
「いや、たまには撃たれて見るのもいいんじゃないか?―――――主にムクロが」
「そうですね・・・・たまにはいいかもしれないですね―――――主にムクロが」
俺は自分の置かれた立場を考え、アヤカに謝罪をするとアヤカの機嫌が少し良くなり紅茶を一口飲んで一言、美味しいと呟いた―――――――
―――――――――22時21分・・・・プライベートホーム
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます