第75話 ラフレシア戦:決着
―――――――――21時36分・・・・・
あれから倒しても倒してもラフレシアに辿り着くことができず、ただひたすらに向かってくるゴブリンやラフレシアのツタを攻撃しながら少しずつ距離を詰めていると・・・・
―――――――GYAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
「なんだッ!?・・・・ラフレシアがまた吠えたッ!
次は一体何が起こるっていうんだ!?」
ラフレシアの咆哮に俺は危険を察知し、一度後退するとラフレシアが行動を開始した。
―――――――GYAAAAAA!!!!
――――――GYAAAAAA!?!?
――――――GYAAAAAA!?!?!?
「また、この残酷ショーかよ・・・・ゴブリンを喰って・・・どうするつもりだ!!!」
俺の見た光景とは、ツタに持ち上げられたゴブリンをラフレシアの口に落としてはムシャムシャと喰い散らかし・・・自身を回復させながら色や形も変化していた―――――
―――――――――GYAAAAAAAAAAAA!!!!!
「ゴブリンを捕食してさらに進化したか・・・・だが・・・おかげでゴブリンがかなり減った!!!
一気に攻めさせてもらう!!!」
ラフレシアは自身を進化させるまでに大半のゴブリンを捕食し、残るゴブリンがこちらに向かって来てはいるが、先程と比べると大した数ではなかった。
――――――――GYAAAAAAA!!!
―――――――GYAAAAAAAA!!!
「お前らはお呼びじゃないんだ!!!ハァッ!!!――――――――」
ナイフでさらに数体のゴブリンを倒しながら前に前に進むと・・・・ラフレシアに異変が起こった――――――
「なっ・・・・急にラフレシアが開花した!?
開花するラフレシアなんて見た事が――――――」
俺はその開花したラフレシアの中から何かが這い出て来るのを見たのだが・・・・・
その形は人のような、アバターのような形をしたナニカであった。
―――――――ZAAAAAAAAAAAAA!!!!!!
謎のナニカが叫ぶ中、俺はそっとそのステータスを見ると体力バーがあり・・・名前にはラフレシアとそのままの名前でLv26と表示されていた―――――
「くッ・・・ゴブリンは残り5~6匹・・・だが、あの正体不明な見た事無いフォルムのモブ・・・・
アレが脅威だな・・・だが、まずは・・・・戦える状況を作らないとなッ!!!」
咆哮を上げてから動かなくなったラフレシアを放置し、残りのゴブリンが邪魔をしないように向かうと――――――
――――――――ZAZAZAAAAAAAAAA!!!!
――――――GYAAAAA!?
―――――GYAAAA・・・・・
俺が攻撃するよりも早くラフレシアが行動し、こちらに向かって来ていたゴブリンをラフレシアの体から生えたツタを使い一瞬で叩き斬りこちらを向いていた。
「コイツ・・・・あの数のゴブリンを一瞬で・・・・舐めてかかると俺も一瞬でやられるな。
こんなのが初級の森林フィールドにいちゃマズイだろ・・・・今のゲームバランスどうなってるんだよ――――――」
俺がブツブツ言いながらナイフを構えていると、ラフレシアがこちらに向かってツタを使って攻撃を仕掛けてきた。
「くそッ・・・・凄い力だな・・・・弾かれただけでこのダメ―ジ・・・
そりゃゴブリンが紙のように千切れるわけだ・・・・んじゃ、次は俺の番だッ!!!」
俺は久々に強い敵との戦いに興奮し、クイックシフトで加速しながらラフレシアに攻撃を繰り出したのだが―――――
――――――――GYAGYA??
「なッ!?・・・・斬られても逃げようともガードをしようともしない!?
体力は少し減ってはいるが・・・・・ん?傷口が―――――」
ラフレシアに連撃を与えたのだが、ラフレシアはガードや避けるといったアクションを行わずに棒立ちし、よく見るとダメージを入れたはずの傷口から触手のようなモノが生え出ていた。
「アイツ・・・・ワザと攻撃を喰らってこれを狙ってたのか―――――」
俺はハッと気付いた瞬間、目の前にラフレシアが現れ触手に体を縛られ身動きが取れなくなっていた―――――
「がはッ・・・・・くッ・・・・しまった―――――――」
――――――――――GYAAAAAAAAAAAAAA!!!!
ラフレシアは俺を掴みあげ、残った触手や腕で俺をサンドバッグのように攻撃を叩き込み始めた―――――
「がはッ・・・・・くッ・・・・・・・俺で遊びやがって・・・・―――――」
ラフレシアは体力の残量を考えて攻撃しているようにも見え、すぐに殺さないように加減をし・・・・死なない程度に数を叩き込みながら楽しんでいるようにも見えた――――
――――――――GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!
ラフレシアが大きく叫ぶと、背中からさらに複数の触手が生え・・・・1本の束になり鋭い槍の形状になり俺を貫こうとしたその
「―――――――
やっと見つけた!!!大丈夫、ムクロ君!!」
「ムクロ・・・その、私・・・もぅ逃げないから!!!
飛ばされたって何回でも戻ってくるから!!!
だから今度は一緒に戦うよ!!!」
「―――――へへ・・・幻かと思ったら・・・・その声はユリハ・・・アヤカもいるのか・・・・
コイツはあのラフレシアだ・・・ちょっと色々あって見た目が変わってるが強さは普通のラフレシア以上だ、気をつけろよ。」
ふらふらな俺を見てユリハはラフレシアの方を向きフードを投げ捨てるとそこには・・・・キツネの耳を生やしたユリハの姿があった・・・・・
その表情はいつものユリハだったが、感じがいつものユリハではなくすごく怒っているように見えた。
――――――――GUAAAAAAAAAAAAAAA!!!!
「なッ・・・・急に突撃を!?
私はどうしたら?援護したらいい?」
「アヤカさんはそこでムクロ君を守ってて・・・・・
アヤカにそう言うとユリハは飛び出してきたラフレシアの触手攻撃を全て切り裂き、連続突きをラフレシアの体に叩き込んだ。
「ユリハ・・・・
「ムクロ、動いちゃダメ!応急用ポーション使うからジッとしてて・・・・
それにしても、あのユリハっていうプレイヤーも凄いけど、あのラフレシア・・・・何だか薄気味悪い・・・・・・見てるだけでわかるわ―――――」
アヤカは俺に応急処置をしながら、ユリハと戦うラフレシアを見ていた――――
「これでよし・・・・体力の回復は完璧じゃないけどできるだけ手持ちで回復させたから・・・・
ラフレシア退治いきましょ!」
「はははは――――さっきと違って頼もしいな・・・・
そうだな、ユリハと協力して一気に倒す!
援護は任せた!」
「了解・・・ほら、さっさとユリハの援護に――――
―――――そりゃ・・・変わりたくなるわよ・・・1人でカッコ付けてた人を見てたんだから・・・・」
――――――――――――――GYAAAAAAAAAAAA!!!
ユリハの攻撃の隙間にラフレシアの触手攻撃が入る瞬間―――――
「くッ・・・・まずい・・・・かわせないッ!!」
「ユリハ・・・さっきは助かった、ココからは俺も一緒にヤツを倒そう!!ハァッ!!!」
ユリハがラフレシアの触手攻撃を喰らう瞬間にクイックシフトで触手を切り落とし、ユリハと息を合わせながら腕や足と連携攻撃を決め・・・・少しずつ体力を削り、ラフレシアの触手での反撃はアヤカの支援射撃で撃ち落とす絶妙なチームプレーによりラフレシアの体力は赤色ゲージのみとなっていた――――――
――――――GYAAAAAAAA!!!
「ムクロ君・・・・一気に決めよう!!!」
「そうだな・・・行くぞッ!!!」
「援護は任せてッ!!」
俺達はラフレシアに向かい、互いの使えるスキルを使用しコンビネーションアクセスを開始した。
――――――
―――――
――――――十字斬り!!!
――――――レイルスティンガー!!!
―――――――GAGAGA・・・・・GOAAAAAAAAAAAAA!!!
「させないッ!!!2人の攻撃の邪魔は絶対にさせないッ!!!!
――――――――ファイヤーバレット!!!!」
俺達の攻撃の瞬間にラフレシアが最後の反撃とばかりに全身の傷口から無数の触手を飛ばし攻撃しようとしたのだが、アヤカのスキル「ファイヤーバレット」により無数の触手はどれも使い物にならないまでに消滅し、2人の最後の一撃がラフレシアに入るとラフレシアは石化するように固まり・・・・砂のようにサラサラと消滅した―――――――
「ハァハァ・・・・・やった・・・のか・・・・皆、お疲れ様だ・・・・」
「はぁはぁ・・・・皆無事で良かった――――――ところで、ムクロ君ッ!
どうしてこんな危ないクエストをよりにもよってアヤカさんと一緒に来つつアヤカさんだけ逃がして1人で戦うなんて何を考えているの!?」
「いや、ユリハ・・・その話は気にしてないから―――――多分ムクロは・・・私にあの量のモブと戦う時の恐怖的な何かを見せたくなかったんだと思う・・・たぶん・・・・」
「そうなの?本当にそうなの?」
「えっと・・・・そう、です・・・・ハイ。」
俺の返答に不満そうな顔でユリハは仕方ないと言い、俺達はリザルトを確認し、色々話したい事もあって一度ホームに戻る事にした―――――――――
―――――――――21時54分・・・・・
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