食パンの行方(美味しい話)

作者 雅-miyabi-

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★★★ Excellent!!!

実家での朝食はいつもトーストだった女性が、ふと、食パンを食べたくなって料理を始めるお話しです。思わず「食べたい!」と声が出そうな食パンメニューが次々と登場します。

ふと思い出して何かを食べたくなる。そんな事ってありますよね。でも今の環境では調理器具がなかったり、食材がなかったり、時間がなかったり。
そんな時には、あり合わせの物でなんとかする。レシピを知らなくても想像と経験で作ってみる。料理って、そういうのも楽しいんですよね。

そのうえ自分で編み出した工夫が、誰かの物と同じだったら。ああ、あの人もこの道を通ってたのか、なんて心に美味しいおまけを味わえたりすることだってあります。

そんな幸せな遠まわりを思い出させてくれるお話でした。食べる事がお好きな方も、作ることがお好きな方も、是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

ネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

読んで初めに思ったのは、これは母からの遺伝じゃないか、ということでした。材料をうまく、無駄なく使うのは、最初のところにあった、母の素早く身支度を整える、あの姿勢なんじゃないかと。そう思い至ったとき、最後のおふくろの味、というのが更なる意味を持って見えてきました。母から子へという世代を越えて伝わるものの物語ではないかと、思い至りました。

もちろん、食べ物についての描写はすばらしかったですが、それは読んだ人がすぐに感じることでしょう。