ゴールデンウィーク④
正午からのライブの後、俺は昼食のため食事ブースへ向かった。食事ブースは立ち見スペースの後方に位置し、遠目ではあるがステージとステージ後ろにあるモニターが見れる。そして食事用の机と椅子があり、ステージの反対側には飲食店が色々ある。俺は焼きそばと焼き鳥セットを注文した。15分ほどかかるらしい。
そして午後1時、俺は注文品を受けとると、ほどなくして和美・うらら・アリスがやってきた。3人とも私服だった。
「優斗、私たち一緒に昼食べようよ」
和美が俺にこう語った。そして3人が4人用のテーブルに並べられた椅子に座る。3人ともすでに食事を用意していた。
「つーかここで食事していいのかよ。みんなに丸見えじゃねーか」
俺は3人に語りかける。
「ちゃんとマネージャーさんには許可を貰ったわ」
うららがこう言ってきた。
「いや、そうじゃなくて・・・」
俺はこう言う。しかし、周りの視線が気になる。スクープされたらどうしよう。
「つーか、なんで俺を食事に誘ったんだよ。3時からまたライブなんだろ?」
俺は3人にこう言った。そして和美は俺にこう言った。
「昼食くらいしか優斗と会う機会がないと思って・・・」
「ま、今日は3人と話す機会を作ってくれてありがとう」
俺は和美の返事にそう答えた。
そして全員が食事を済ませた頃、
「2時から着替えとリハーサルがあるからもう行かなきゃ!優斗、ありがとう!」
和美がこう言って3人は去った。俺も席に戻るか。
そして3時からの2度目のライブでは、1度目とはまったく別の曲を歌っていた。3人の視線はステージ向こうの大勢のファンに向けられていた。そしてそのまま3時半からはエンディング。まず和美が各グループを代表して挨拶を行った。その時の視線は俺に向けられていた。そしてシブヤファミリーの挨拶が始まった。3人の視線はやはり俺に向けられていた。余談だが、この後の新幹線で東京に戻って、明日はお台場で無料の野外ライブがあるらしい。その後は他のグループの挨拶が続々とあった。そして午後4時、和美の「今日会場に来てくれた皆さん、本当にありがとうございました!」という挨拶でアイドルフェスは幕を閉じた。
そしてその夜、和美からLINEが届いた。もう実家にいるらしい。「今日は来てくれてありがとう。優斗に会えてよかった」というのが和美の返事だった。俺は「俺もアイドルフェスに行ってよかった。明日もライブなんだろ?頑張れよ」と返事をした。
さて、明日でゴールデンウィークは終わり。そして、俺が東京に戻る日だ。
そして翌日、朝食を済ませた後俺は実家を出た。母さんは「優斗、また夏休みに戻ってくるんだよ」と俺に言った。結局寮にはその日の夕方に着いた。この時刻を前後して相当数のクラスメイトも帰省先から帰ってきたようだ。俺はそのクラスメイトと寮の食堂で自分で用意した夕食を取りつつ、ゴールデンウィーク何をしたかを色々語った。
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