第120話 魔女を迎え撃て 前編

魔女の襲撃により力華学園は、しばらく臨時休校となった。


生徒全員公休扱い、教職員には臨時休暇と特別手当、保護者全体に

授業料10%返還など大盤振る舞いをした事で文句は出なかった。


その資金の出所は、リーファのお祖父さんである。

「まあ、被害がうちの教室だけで済んだが幸いだ。」

進太郎が大使館内の食卓で切り出す。


「学校を襲撃され、夫と友人に危害を加えられて黙っていられません!!」

ある意味1番の被害者のリーファが怒る。


「同感です、断固たる制裁をすべきですわ!!」

メイも怒る。


「どうやって、敵に落とし前を付けさせるでちゅかね?」

アニーは悩む。


「・・・・今度も、お金にならなそう。」

フランも呟くが、今回も帝国の収益にならない事件になりそうだ。


「叩くにしても、敵の本拠地とか探したりしないとなまた海外とかだと面倒だ。」

進太郎も悩む、食卓での会議は進まなかった。


ヘルグリム帝国は、異世界ニュータント国家で地域に愛される合法ヒーロー組織。


地球で活動する以上、日本や世界各国の法や習慣を迂闊に無視できない。


「私たち、凄い縛りプレイしてる。」

フランの呟きに、メイド達が頬を赤らめる。


「・・・・・そのワードは止めよう、誤解を招く。」

進太郎がフランをたしなめる。


「縛りプレイは今夜のお楽しみということで♪」

メイが眼鏡を光らせる。


メイド達が、ス●ンド使いの如くモンスターの本性をオーラとして出す。


進太郎が見た、オーラのモンスター達はあらぶっていた激しいビーストだ。


翌朝、進太郎が一日中動けない体になったのはお察しである。


「・・・・・・相変わらずだけど、大丈夫か?」

二日目、変身して学園の屋上で待機していたレッドブレイズがモンスターになった

メイド達に付き添われてやってきたデーモンブリードを気遣う。


デーモンブリード、外見は普通だが中身はまだヘロヘロだった。

「・・・・・まむしドリンクとか飲んだけど、腰が痛い。」

デーモンブリードが答える。


「・・・・・お疲れさん。」

レッドブレイズは、そんなデーモンブリードを支えるモンスター達を見て察した。


そして、ヒーロー達が空を見上げると箒に跨った魔女達がダイヤモンドの陣形で

現れた。


「見つけた、ベッキーの仇っ!!」

先頭の魔女が先日逮捕された魔女の名を叫ぶと、ワルプルギスウィッチーズは

戦闘態勢に入った!!


ダイヤモンドから横1列のアブレストに陣形を変えて停止し、赤白黄色と鮮やかな

ビームを射ってきた!!













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