第108話 ときめきドラゴンプリンセス!!

パカパカと蹄を鳴らし、異形の馬を走らせる悪魔の騎士。


電車が止まっているので走れる地下鉄の線路内。

「敵がまほろば駅に現れたのは何故でしょう?」

リーファが尋ねる。


先ほどの駅は、まほろば駅。


地下鉄でのまほろば町への最寄駅である。



まほろば町、業界ではアトラクシアと言う悪の組織のホームらしい

以外は特徴がないはずの町だ。


デーモンブリードの常識なら、ヴィラン組織同士の抗争が起きていても

おかしくはない事態である。


デーモンブリード達のホーム、桃ノ島を有する愛媛県及び四国全域

を狙う悪の組織ジャドーなどは、縄張り意識が強く他のヴィラン組織と

抗争を繰り広げており皮肉な事に四国の平和維持に貢献していた。


デーモンブリード達が、こうして東京に出張ってこれる一因が同業の寄合。

四国ヒーローリーグだけでなく、悪の組織のおかげとは因果な事だ。


余談だがヘルグリム帝国は外国組織の為、四国ヒーローリーグには

助っ人外人扱いで加盟できていない。


「アトラクシアの基地か、人や物を狙ってる可能性があるな。」

リーファに対面で胴を足で締められ腕で首を抱かれながら答える。


めでたく、結ばれたリーファと密着している状態だと意識した

デーモンブリードこと進太郎は戦いの途中にも関わらずときめいていた。


「・・・・だ、旦那様・・・嬉しいのですが今はその!!」

進太郎の眷属になった事で、彼の感情が伝わりリーファもときめく。


「・・・・・いや、そのっ!!それは俺も分かってるけどっ!!」


敵陣に踏み込んだというのに、互いに意識し合う二人。


ドキドキバクバクと、二人の心臓がうずきバカップルのスイッチが入る。


ホラー映画ならモンスターに殺されるバカップルであるが、どちらかというと

殺す方のモンスターのバカップルである。


『・・・・生きてる内に、ひ孫の顔が拝めそうじゃの。』

デーモンブリードの鎧となっているお祖父ちゃん、ゴート66世が呟く。


乗っている馬のマシンバイコーンも、主人の惚気に当てられる。


デーモンブリードこと進太郎が、心の底からリーファを求めたのが引き金

となったのか?


リーファを抱きしめた、デーモンブリードの影から八頭の龍が現れて

マシンバイコーンごとグルグル蜷局を巻いていく。


蜷局が消えるとそこには一人の、頭部と双肩と胴、膝と足が青い龍の頭

と言うデーモンブリードが現れた。


これがデーモンブリード、リーファフォームだ!!


「・・・・これが、旦那様と一つになった姿♪」

胴の龍頭からリーファのうっとりした声が流れる。


新たな姿となったデーモンブリードが、勘で壁の一部に触れると

そこが崩れ去り敵の神殿へ続く道が開かれる。


「さ~て、突っ込むぜ!!」

マシンバイコーンを駆りトラソルテオトルの地下神殿へ駆け下りて行くのであった。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る