吸血夜会東アジア支部決着編

第57話 吸血樹 動く

中国の某所にある吸血夜会東アジア支部では、地獄の宴が繰り広げられていた。


遠くから見ればたわわに実のなった果物の木に見えただろう。


だが、実際は幼い少年少女達が大木の化け物の蠢く枝に捕らわれ

刺し貫かれて血を吸われ内臓を垂らした空飛ぶ首だけ女に残った遺体を

食われるおぞましい光景だ。


子供達を喰らった樹は見る見るうちに枯れた大木から命溢れる巨木

へと若返っていった。


その大木は、幹や枝は灰色、葉は赤紫色であった。


「吸血樹様、すっかりお元気になられましたね♪」

緑のローブを着た女が愛おしそうに巨木を眺める。


「太くて逞しいわ~♪キョンシーは残念ね~♪」

首だけ女は、ロシアで殺されたキョンシーを思い出す。


だが、彼女達は決して仲が良かったとか仲間意識などはない。


吸血樹の幹から目と口が現れて言葉を発する。

「さて、元気になったし日本を新しい苗床にしに行くか。」

メキメキと音が鳴り大地が割れて巨大な根が蠢きながら盛り上がる。


ついに吸血夜会東アジア支部の長、吸血樹が立ち上がった。


吸血夜会東アジア支部の日本侵攻作戦が始まる!!

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