第36話 悪魔はコミケに東京へ その6

コミケ二日目も終わり、ヘルグリム帝国も面子も帰ろうと会場を出た所

で事件に遭遇する。


突如空間が避けて、赤い全身スーツをまとったアメコミのような怪人が出現。

全身から赤い触手を出して一般人を襲いだした!!


怪人の触手は一般人を捕らえると、スポイトのようにその血を吸い始める。


「止めろっ!!」

突発的に起きた事件に対し進太郎が叫び、全員が変身!!


アニーが燃える炎の風となり、人々を捕らえる触手を焼き切りに向かえば

メイもパドルから激流の刃を放出し流れるような動きで怪人の触手を斬って回る。


触手から解放された一般人は、貧血の為かその場に気絶する。


デーモンブリードに変身した進太郎は、フランと合体してフランフォームになり

怪人の頭上を目掛けて空高く跳躍する!!


そのタイミングに合わせてアニーが怪人の上半身に鎖を絡め、メイが

パドルを突き刺して冷気を走らせて怪人の足を凍結させる!!


そしてフランフォームのデーモンブリードが

「フランボルトシュートッ!!」

と叫び、紫の電撃を足から発しながらキックを落としにかかるっ!!


その必殺技は怪人に直撃し、怪人は爆散し赤い染みと怪人だった物が散乱する。


勝利を確信し、怪人の破片から飛び退いて距離を取るデーモンブリードと

主の下に集うアニーとメイ。

「急いで救急車を呼ぼう、問答無用でやってしまったが後始末もしないとな。」

デーモンブリードがメイに救急車、アニーに警察を呼ぶよう指示をした時。


・・・・・・怪人の破片が意思を持つ生き物のように赤い染みへと集まると

破片が怪人の肉体を構成し怪人が蘇ったっ!!

「お嬢様の命で徹夜組と言うゴミを片付けに来たら、とんだ邪魔が入ったな。」

蘇った怪人が銀髪に執事服の青年に変化する。


「何者だ貴様っ!!」

デーモンブリードが執事に叫ぶ。


「我が名はトーマス、エリザベスお嬢様の吸血執事だ。」

トーマスの名乗りと外見から、水木茂子先生が描いた犯人像と一致に気付く

ヘルグリム帝国の面々。


トーマスは倒れた人たちを見回すと

「・・・・・ゴミは片付けた、邪魔者がいるようだし明日はお嬢様に外出を

控えてもらわなければいかんな・・・・・・頭が痛い。」


「理由はどうあれ貴様の行為は犯罪だ!!縛に付けっ!!」

フランと分離し、通常フォームのデーモンブリードとして飛び出し

トーマスに殴りかかる進太郎。


「・・・・・・断るっ!!」

再度変身したトーマスが、左掌から赤いバリアーを張って防ぐが

デーモンブリードのパンチはバリアーを突き破りトーマスの左腕を粉砕する!!


追い討ちをかけに行ったデーモンブリードのボディに、トーマスの右掌が当てられ

ると柱の如き太さの血の鉄砲水が噴出してデーモンブリードを押し返した!!


「ぐはぁっ!!」


押し返され転倒するデーモンブリードをフランが受け止める。

「・・・殿下、アイツを完全に倒すには火力が必要。けど被害が大きくなる。」

戦いに行こうとするデーモンブリードをフランが腰を抱きしめて止める。


止められたデーモンブリードに代わり、トーマスを攻撃しようとする、アニーとメイをフランが再び止める。

「・・・・・・殿下の命令が先、アニーは救急車。メイは警察に連絡して。」

不満げながらもフランの言葉に従った二人は、命令を実行しに行く。


トーマスはその様子を見て、空間を切り裂きその中に入って去っていった。


この騒動によりひとまずヴィランは撃退されて、コミケは三日目も開催されたが

進太郎達に悔恨を残した事件であった。








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