第32話 悪魔はコミケに東京へ その2
例年のことだが、コミケは盛況だった。
「・・・・・・祭りだな、島だったら人が海まで溢れてるぞ。」
会場だけでも、桃ノ島の人口を遥かにぶっちぎっていた。
「・・・・・・都会はおそろしや。」
フランもつぶやく、表情は変わっていないが都会と言うか会場の空気に
当てられている感じが伝わる。
足りなくなった、商品を補充すべく背を向けた進太郎。
そんな彼の背中を
「お~~~い!!チン太郎~~~~~っ!!」
と、本名を間違って呼ぶ声が突き倒しずっこけて変身が解ける進太郎。
立ち上がって振り返り
「進太郎だ、し・ん・た・ろ・うっ!!」
と、自分が南予弁でしゃべってた事を指摘した男。
何で愛媛のご当地ヒーローのデーモンブリードが、普通なら敵対する
悪の秘密結社の戦闘員と知り合いなのか?
進太郎と連児の出会いについては、ながやん先生作
『恋する悪の戦闘員』を読もう!!
「い~じゃね~かよ、俺達ダチなんだから♪」
歯を見せて笑顔で洗う連児、悪の組織の戦闘員であるというのに
この妙に憎めない少年に進太郎はペースを乱され振り回されていた。
ある意味、自分のメイド達と変わらない感覚を感じているのだと思う。
「・・・・・・失礼いたしました、何をお求めでしょうかお客様?」
仕事中、仕事中と思いなおし、連児に向き合う進太郎。
「お~!!お前、相変わらずマジメだな!!フィギュアだ、フィギュア寄越せ!!」
連児が、ブースの机をバンバンと叩く。
「・・・・・・殿下。多分、予約のあったこれ・・・・御代はすんでる。」
フランが予約品と書かれた、フィギュアとサイン色紙と各種グッズ入りの紙袋
を連児に差し出す。
「おう♪・・・・・・相変わらず、乳も背もでけ~なあんた。」
フランから袋を受け取る連児。
「知り合いに自分のフィギュア売るって、何て羞恥プレイ・・・・。」
穴に入りたい気分の進太郎、縮こまって床に「の」の字を描く。
他のお客は、ブースに寄ってこない。
「俺の愛する冥夜から、天輝が欲しがってた品を買ったから連児君取ってきて♪
って頼まれてよ~♪ 良かったな進太郎、お前最低一人はファンがいるぜ♪」
聞いてもいないのに理由を勝手に喋り出す連児。
真逆連児だけに、まさかの珍客との再会であった。
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