第208話 モンスターとか準備しよう

階層ごとに幅広い難易度にすることによって、用意するモンスターの種類は膨大なものになりそうであった。リリスの眷属や、デナトスの生成、アルティのネクロマンシーなどである程度用意できるのだが、コストも考えると、それだけで用意するのも限界がありそうであった。


「低レベル帯はどうにでもなる、ゴブリンなんて小銭で働いてくれるしな」

「問題は超級以上のモンスターをどう用意するかだ、ボス級も多数必要だし、生成やネクロマンシーじゃコストがかかりすぎる」


やはり、グワドンのように契約の魔物が多数必要であった。そこで俺はモンスターのスカウトと、テイムスキルを持っている、悪魔とかドラゴンをテイムすることになった。


モンスターをスカウトするとか、テイムするとかは、私有のダンジョンではできない。天然ダンジョンか、野生のモンスターを狙うしかないのだけど、野生のモンスターで高レベルのモンスターはこの辺りには生息していなかった。


「やっぱり、この辺じゃ、アルバタの天然ダンジョンですかね」

リンスが言うには、近所に、手頃な天然ダンジョンがあるようで、そこに比較的高レベルのモンスターが生息しているそうである。


「よし、それじゃ、ちょっと行ってモンスターを調達してくるよ」


アルパタの天然ダンジョンには、テイムと説得をする俺と、魔物の知識が豊富なリンス、それと魔族に知り合いの多いリリスと、龍に影響力のあるリュヴァ、戦闘要員で、アスターシア、ファミュとアズラヴィルが同行することになった。


他のメンバーは、デナトスとメタラギを中心に、ダンジョン報酬の準備に取り掛かってもらうことになった。幸いなことに、近くに鉱石ダンジョンがあるそうで、そこで鉱石や宝石を採掘できるみたいである。報酬が大量に必要になると思うので、材料を買っていては破産してしまう。なので、ここで材料を採掘して、一から作ればかなり安く作れる。


鉱石ダンジョンに採掘に向かうのは、鉱石の知識のあるメタラギと、宝石の知識があるデナトス、それと運搬要員でグワドンとアテナ、カリス、また、鉱石ダンジョンも天然ダンジョンの一つである、なので難易度が高い為に、戦闘要員として、スフィルドとヴィジュラが同行することになった。


どちらのダンジョンにもいかない、残りのメンバーは、アモン、ポーズとミュラーナを中心に、罠の設置とか、仕掛けの作成をお願いする。



アルパタの天然ダンジョンは、天馬艇で五分ほどの場所にあった。入り口は岩山にあり、見た目は普通の洞窟のように見える。今日はとりあえず日帰りのつもりなので、深い階層までは行かずに、低階層でモンスターを探索する予定であった。


中に入り、しばらく進むと、すぐに体を炎のに包まれた、ファイヤードラゴンが姿を表す。早速、俺はドラゴンテイムのスキルの活用を喜ぶ。

「よし、ちょっとテイムしてみる!」


そう言うと、炎に包まれて、近くだけで熱風が来る炎の竜に歩み寄る。

「紋次郎様、気をつけてください」


リンスに応援に、小さく頷き答えると、手をかざして、ファイヤードラゴンに語りかける。

「いい子だ、怖くないぞ・・・」

ファイヤードラゴンは、ゆっくりと紋次郎に近づく。そして・・大きな口を開けてパクリと一飲みにした。


それを見たリュヴァが慌てて駆け寄る。そしてファイヤードラゴンに、紋次郎を吐き出すように命令する。それが竜族の姫だと理解したのか、すぐにその指示に従う。


「口の中もすげー熱かった・・・」

「気をつけてって言ったじゃないですか・・・」

リンスたちは心配そうに、吐き出された紋次郎を見ている。


どうも、俺のドラゴンテイムのスキルはレベルが低いようで、高レベルのドラゴンには通用しないようだ。なので、ファイヤードラゴンは、リュヴァに通訳してもらって、説得することにした。


「リュヴァ。あのドラゴンに、うちで働いて欲しいってお願いしてくれるかい」

リュヴァは頷いて、ファイヤードラゴンに何やら伝える。するとドラゴンがモフモフと何かを喋って、リュヴァに返事をした。

「月に・・・ルボオックスを三頭で・・・手を打つって・・」

ルボオックスは牛みたいな動物らしい。一頭、十万ゴルドくらいで買えるらしいので、月30万ゴルドのコストになる・・ちょっと高いので交渉する。


何とかルボオックスより安い、オルトオックスを三頭で話がついた。まずはファイヤードラゴンを確保できた。俺たちは、この調子でモンスターを探して先に進む。



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