第37話 校外学習Ⅸ

 三日前の出来事を思い出していると、肩を、ちょんちょんとつつかれる感触がした。振り返れば、秋月が耳にささやいてくる。

「どうかな、プラネタリウムではうまくいったかな」

 プラネタリウムは、クラス別で席が決められており、三組の俺たちでは役に立てないため、同じクラスの晴人が上手くやることになっていた。

「席は隣だったな」

 上映中に確認したが、田辺と田口さんは席が隣だった。

「そうなんだ! 私、見つけられなくて。よかったー」

 会場が暗く、二人が話をしていたのかまでは分からなかった。少しでも二人の仲が近くなっていればいいと思うのだが。

「じゃあ、次に行くか」

 次はサイエンスショーだ。

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