ONE続編 百年後の邂逅

作者 如月ふあ

めぐる

  • ★★★ Excellent!!!

 ONE 「たったひとつの」の続編で、百年前の予言の結実のお話です。
 予言を叶える者、ふたつの星の争いを調停する者として生まれついた特殊能力者のカツミは、子供のころから人間が不確かで移ろいゆく、闇を抱えた存在であることに直面せざるをえなかった。それでもカツミは周囲の人々の愛情や思いを受けて、自分の運命と対峙していきます。
 お話のなかにさまざまな対比が出て来ます。光と闇、一瞬と永遠、花びらと宇宙の連関。ひとりの心の動きや揺らぎが宇宙と繋がっていること。
 透明な鏡であるカツミは、ひとりでは予言を結実させることができなかった。透明な鏡は透明な闇を必要とします。純粋でなければ受け入れない生命体の助けを受けて、カツミは人々の心を変えていきます。閉じていなければ生きていけなかった自分の心も。
 失われていた欠片に出会うことで、カツミは世界を受け入れたのかもしれません。
 そして、透明な物語の世界を旅したあとで振り返ると、ふと自分が濁った闇のなかにいることに気づかされます。

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