心身の鍛練

トーマスJr.の代理人は契約を延長するならば、今より年棒のアップとインセンティブ契約を盾に条件を出してきた。


その額はメジャーリーグではあり得るかもしれないが、日本球界ではとても考えられないようなものであった。


勿論この条件を阿佐オーナーが飲むわけはがない。


いや、阿佐オーナーだけではなく、全球団のオーナーが飲めるような額ではなかった。


その条件を飲まなければトーマスJr.は来季メジャーに復帰すると代理人はかなり強気だった。


ヤマオカもエージェント達を使いあらゆる方法で代理人と接したが、いい返事はもらえなかった。


仕方がない、来季はトーマスJr.抜きでやるしかない、それより今はプレーオフの事に集中しようとヤマオカは切り替えた。



エンペラーズは千葉に乗り込み球場で軽い調整を行った。



優勝決定戦という事もあり、いつも以上に記者の人数が多かった。


それだけ注目を浴びる一戦だからだ。



テレビのゲスト解説として、あの宇棚ひろしが呼ばれたみたいだ。


生放送で何を言い出すのやら、かなり不穏だ。



ヤンキースナインはグランドで練習はせず、地下の闘技修練の間にて、凄まじい練習をしていた。


守山の号令の下、ナインがひたすらヒンズースクワットで汗を流す。


「勝つのは誰だ?」


「勝つのは俺達だ!」


「優勝するのはどのチームだ?」


「優勝は俺達がする!」


「やれるのか、おいっ!」


「やってやる!※Η%♪〇+:」


野球選手というよりはプロレスのシゴキみたいなものだ。


一通りの特訓が終わり、

闘気修練の象徴である仁王像に向かい座禅を組み、精神統一する。


勝つためには何が必要なのか。



心身の鍛練が終わり、塗呂オーナーが経営する中国エステのマッサージ嬢数人が選手達の心身のケアをする。


疲れを残さない為に塗呂が配慮した。



決戦まで後2日。










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