4、ダイブ・イントゥ・ザ・キャラクター

 思うに、文章を読むことは、文字の海に潜ることである。

 私は、ゲーム、マンガ、アニメ、小説などが好きである。取り敢えず、纏めてお話が好きである。

 お話とは、多分恐らく例外を除いて、全て字から出来ている。例外は、言葉で表せないものである。例え絵だけで構成された漫画であっても、根底、つまりその絵の作者は、きっと文字でも大筋を書いていると思うのだ。私にはよくわからないけれど、コンピュータだって0と1で出来た文字を読んでいるのだと思っている。可哀想に、彼らには、それを楽しむ機能は与えられていないけど。(最も、そんな機能を持たせたらすぐに世界は乗っ取られるだろうけど。)

 文字は、海である。文字は無限にある。尽きない。宇宙が終わっても、それは文字で出来た無だと私は思っている。「あ」や、「B」なども、私はそれだけで意味を持つと思っている。だから私は、文字Letterという表現に該当するものは無く、文字Characterのみが存在すると考える。お話とは、海から蒸発する、水である。無限から吸い出される、文字が空へ、向かって行く。その蜘蛛の糸に捕まるのが、読むことである。蜘蛛の糸は、作家という限定的な神の思惑でいずれ切れるけど。

 私は、文字になる。文字とは根源であり、私を解けばそれは文字になり、永遠になる。何処へだって行けるだろう。私は永遠に慣れるだろう。例えコンピューターが世界中から消え失せても、情報自体を消していなければ、ネット上の情報はそれだけでは消えない。文字も同じである。私は私をあらゆる方法で文字として残す。データとして、紙に書いて、絵に描いて、音にして。無論、この体だって保存する。そうすれば、それで全てを書けば、私は永遠になれる。

 だが、私が私を編纂するには、私がすでに失った記憶が足りない。私に関する記述が少しでも抜ければ、それは私で無く別の誰かである。とはいえ、全てをたどることは不可能だ。だから、私は、私を知る人に私についてのインタビューを行い続ける。そうして、私は永遠となる私の誤差を無くしていかなければならない。この私が壊れても、それまで編纂した私が私の仕事を受け継ぐだろう。私は私にそれをさせるための指示も書かなければならない。次々に、私は私のすべき事を引き継ぐ。

 書け、書け、書け。

 私は私の全てを編纂する為に、メスを握った。

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